表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/18

15

 ロボット人形は華絵の横に手をついて四つん這いになった。そして……。

 そして突然、破れかけたお尻を振りだした。


――!! ええ? サバンニャ? ピロミクン。あなたどうしてサバンニャの癖を知っているの?


――そっ、それとも……。あなた自身、サ・バ・ン・ニャ!?


「サバンニャ!!」華絵は思わず大声で叫んだ。

 ロボット人形の顔は打って変わって歓喜の表情になった。それは明らかに『生きているもの』の表情だった。

 華絵はロボット人形の腕を掴み、彼を引き寄せ抱きかかえ、そして熱い口づけを交わした。ロボット人形の目からは涙がどんどんと流れ出てくる。どんどんと人間のような表情が表れてくる……。華絵はそこにこころが存在していることをはっきりと認識した。

 ついに、ロボット人形は『みゃあみゃあ』と嬉しそうに鳴き出した。

 華絵も、かつてサバンニャと遊んだ時のように、みゃあみゃあと鳴いてお尻を左右に振る。

鳴き合う、いえ、泣き合う華絵とサバンニャ。


――私に会いにきてくれたのね?


 サバンニャに表情が表れてくるのに反比例するように、なぜか華絵の意識が薄れていった。

そしてついに華絵はその場にぺたりと床にうつ伏せになり、動かなくなった。

「大丈夫ですか?」の執事長の声が華絵の耳に遠くの方から聞こえる。

 そして空気がとまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ