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勇者ご令嬢(女神ディスティニア)(世界識別名称レムリア)

ツェルトの物語

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、ツェルトという名前の少年がいた。

 その少年は、精霊を使役できるという珍しい力を持っていた。


 そんなツェルトはしかし、その力を誇ったり、言いふらしたりはしなかった。

 なぜなら、ツェルトには目的があったからだ。


 身近にいる、大切な女の子を守りたいという目的が。


 そのために、自分が目立つことで、やっかいごとを増やすのは避けたかった。


 だからツェルトは、誰にも言わずに、自分の力を伸ばそうと頑張った。


 しかし、それではうまくいかない。


 誰かに教えてもらう事ができないため、上手な方法も効率の良い方法も分からなかったのだ。


 だから、ツェルトの修行はすぐに行き詰まった。


 そんなツェルトを叱ったのは、友達の男の子だった。


 その男の子の名前はヨルン。


 ヨルンはずっとずっと前からツェルトの友達で、ツェルトが無茶したり、おかしなところで頑固になったりするのをよく知っていた。


 だから、今回の事もツェルトが悩んでいるのを知って、叱りつけたのだ。


 何かに困った時、誰かに相談するのが、一番の近道。

 

 それをする相手が友達でないのなら、友達とは何なのか。


 ヨルンの言葉を聞いたツェルトは、目をさまして、精霊の事についてたくさん相談した。


 他の友達にも、強くなる方法をたくさん聞いたのだった。


 そのおかげで、ツェルトはぐんぐん成長していった。


 どんな時でも大切な女の子を守れるようになったのだ。


 それからたくさんの時間が流れて、ツェルトは自分が住んでいる国で一番強い人間になった。


 知らない人なんていないくらいだった。


 ある日、どうしたらそんなに強くなるの?


 とツェルトに質問する子供がいた。


 その子供は、たくさんいる弟や妹を守るために、しっかり者の強くてかしこいお兄さんになりたかった。


 質問されたツェルトは、色々な方法を教えたが、一番大切な事はしっかり伝わるように何度も言った。


 強くなりたかったら、人の力を借りる事と、一人で悩まない事。


 これが大切なのだと。


 それを聞いた子供は、分かったと頷いて、ツェルトにお礼を言った。


 ツェルトは、それからも大切な女の子を守りながら、強くなる修行をかかさず行った。


 そのおかげで、大切な女の子はいつも笑顔を絶やさない、世界で一番幸せな女の子になったのだった。



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