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布団王国への転生 2
「なんだよ……踏んだり蹴ったりだな」
と俺はつぶやいた。
石ころを蹴りながら家への道を歩いていると、ポイ捨てされてあったビール缶が目についた。確か六年くらい前から販売されているが、今でも塩分を1グラムオフにした、プリン体になる可能性が減少する成分をちょっと入れた云々でリニューアルなのかよくわからない何かを遂げたから、「新品」を謳っていた。
いくらちょこっと変え続けていてもそれは新品ではなく「ちょこっとリニューアル品」ではないか?
このカンを見るたびに俺はモヤモヤするのだった。
「まあシュン。今日は遅かったね。何があったのかしら」帰るとタイチまでもがからかってきた。
「別になんでもいいだろ」と兄の意地を見せ、土足で階段に上がる。
俺の両親は早くに事故で亡くなり、今はタイチと二人の同棲生活だった。
とはいえ、特に甘々なことはしていない。タイチはまだ十四歳だし、僕は二十歳になるまでそんなことはしないつもりだ。