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死に戻り公爵令嬢の逆襲  作者: Kore
第二章〜真の断罪〜
27/28

綻び



あれから直ぐに店を出た私達は、最古のレーテ教会があった場所から少し離れた小さな集落へと案内された。


そこは市街地に比べて環境が整備されていて、道端にはゴミ一つなく、所々に花が植えられている。


建ち並ぶ住宅はトタンではなく、レンガ調や木造建の家が多く、一見してここは生活水準が高い人達が集まっているように思えた。


集落の中心には一際大きな白い石造の家が建っていて、門扉の脇には“セシル=バルレ”と掘られている大理石の表札が掲げられていた。



「流石、レーテ教創設者の末裔。この街で一番家が豪華だわ……」


その家の前で呆然と立ち尽くすリリスさん。


どうやら、リリスさんのご両親はこの近くに住んでいたそうで、その話が事実だとしたら、ここは彼女の故郷ということになる。


だけど、幼い頃の記憶が全くないリリスさんは全然ピンと来ていないようで、先程からぼんやりと周囲を見渡していた。



「とりあえず話は中でしましょう。さあ、どうぞあがって」


お言葉に甘えて私達はセシルさんの家にお邪魔すると、中は綺麗に整理整頓されていて、広い部屋がいくつもあった。


アルトさんが言うには、セシルさんには子供がおらず、旦那さんも随分前に亡くなったそうで、ずっと独りで生活しているんだとか。


こんな大きな家に独りだなんて、私なら寂しくて気が狂いそうになるけど、セシルさんはそんな素振りを見せることなく、溌剌とした様子で私達をもてなしてくれた。


それから食卓に案内されると、急にお邪魔したにも関わらず、豪勢な食事を用意してくれて、私達はセシルさんの手料理に舌鼓を打った。



「それにしても、こんな綺麗な若い女の子二人がこのオルファナに来るなんてね。そこまでしてレーテ教に興味があるの?」


「はい。先程アルトさんから少しお話を伺いましたが、レーテ教とエーデル国の間に何があったのか、その歴史をどうしても知りたいのです」


アルトさんが言っていた、酷な事実とは。

そして、レーテ教の惨劇を“まやかしの紛争”と言った意味とは。


この人に聞けば全ての謎が解明できそうな気がして、私は期待の眼差しを向ける。



「…………そう。そこまで言うなら教えてあげる。決していい話ではないけど」


そして、セシルさんは苦笑いをしてから一旦席を外すと、古いアルバムを手に抱えて食卓へと戻ってきた。





「……これは……リリスさん?」


持ってきたアルバムを広げて見せてくれた途端、真っ先に視界に飛び込んできたのは、赤色の家の前で小さな女の子が写っている古びた写真。


女の子の両脇にはリリスさんによく似た女の人と、背の高い男の人が立っていて、その隣には今よりも若いセシルさんが写っていた。


「この写真はブライトさんがこの地を離れる時、記念に撮ったのよ。やっぱり、リリスちゃんはお母さん似ね」


確かに、これだけ似ていれば、間違いなくリリスさんのご両親だと断言していいと思う。


そうなると、この頃のリリスさんはまだ五歳にも満たないとこだろうか。


母親の手を握りながら、不貞腐れたような表情を向けている姿が何とも可愛らしく、気を抜くと勝手に頬が緩んでしまう。



「本当に私の両親なの?…………ダメだ。何度見ても全然思い出せない。というか、私、この頃の記憶が綺麗さっぱり抜け落ちてるから」


一方、リリスさんは眉間に皺を寄せながら、暫く写真と睨めっこをしていた。


一般的に、これぐらいの年齢であれば覚えていないのも無理はないと思うけれど、断片的な記憶くらいは残っていてもいいような気がして、私は小さく首を傾げる。



「そうね……。この写真を撮って約一ヶ月後にあなたの両親は殺されてしまったから……。もしかしたら、心理的な記憶喪失という可能性もあるかもしれないわね……」


すると、ポツリと呟いたセシルさんの衝撃的な言葉に、私とリリスは一瞬だけ体の動きが止まった。


「セシルさん、今なんて……?」


何かの聞き間違いかと思ったけれど、はっきりと耳に残る物騒な単語。


一体彼女のご両親に何があったのか、すごく気になるところではあるけど、自分の話ではないのでむやみに聞くことが出来ず、私はリリスさんの方に視線を向ける。


「ここで両親の話を出すということは……もしかして、私の親を殺した相手はエーデル国と関係があるってこと?」


しかし、彼女は動揺することなく、至極冷静な様子で問い掛けると、セシルさんは暫しの沈黙後、無言で首を縦に振った。



__彼女の話はこう。



ブライト家は代々レーテ教の重役を務めていたらしく、セシルさんの家系とも深く繋がっていた。


しかし、レーテ教は今や衰退し、この荒廃したオルファナの地で暮らすことに限界を感じたブライトさんは移住を決断したとのこと。


その半月後、突然オルファナに国の調査団が訪ねてきて、そこでリリスさんのご両親が重罪人として指名手配されていることを初めて知ったという。



「けど、そんな話到底信じられない。だって、ブライトさんとはこれまで身内同然として付き合ってきたのよ。怪しいところなんて何一つなかったし、あんな優しい人達を急に重罪人扱いなんて、あんまりだわ」


そこまで話すと、セシルさんは拳を強く握り締め、険しい表情で写真をじっと見つめる。


「それから更に半月後、新聞に掲載されている処刑者一覧にブライト夫婦の名前が載っていたの……。これは憶測でしかないけど、もしかして、あなたの両親はレーテ教とエーデル国間において何か重要な秘密を抱えていたかもしれない。それしか考えられないわ」


そして、憎しみを込めた低い声で、そう断言した。


「あの、エーデル国とレーテ教の間に何があったんですか?それと、レーテ教の惨劇について詳しい話を聞かせてください」


セシルさんの話で益々謎が深まる中、居てもたってもいられなくなった私は単刀直入に切り出す。


すると、暫しの沈黙が流れたあと、セシルさんは小さく溜息を吐くと、こちらに視線を向けた。


「そもそも、レーテ教はオルファナの象徴であり、私達の生きる礎。だから、エーデル国にとっては邪魔な存在でしかなく、真っ先に潰されるべき宗教なのに、統一後も何故存続していたか、不思議に思わない?」


そして、突然投げられた質問に、私は言葉を詰まらせる。


それは、シルヴィ様の話を聞いた時からずっと疑問に思っていたこと。


その後起こったレーテ教徒の内乱により自然消滅したと史書には書かれていたけど、レーテ教の歴史を辿れば辿る程違和感が膨らんでいく。


事情はどうあれ、結果的にはエーデル国の狙い通りとなった。


それに、先程アルトさんが言っていた“まやかしの紛争”の意味。


つまり、それは…………。



「まさか、エーデル国はレーテ教徒を殲滅させるために、わざと存続させていた?」


これまでの話しを繋げて見えてきた、一つの仮説。


世界平和を掲げて国家統一を果たした手前。反国家のオルファナ国民を表立って排除することが不可能となった代わりに、彼等の宗教を存続させて意図的に紛争を起こした。そうすれば、自ら手を出さなくても彼等は自滅していく。


もし、これが全て真実だとしたら、それはあまりにも非道で、狡猾で、段々と胸の奥がざわついてくる。


「レーテ教徒の紛争が始まったのは、エーデル国家設立から数年後。オルファナの奇跡を管理していた大司教が何者かに殺され、ネックレスが奪われた。そして、その場に残されていたのはレーテ教の宗紋が刻まれた金色のバッチ。そこからレーテ教徒の仕業だと思い込み、あとの流れは史書に書かれている通りだ」


すると、これまでずっと口を閉ざしていたアルトさんは、視線を下に落としたまま、ぽつりぽつりとレーテ教の惨劇について語ってくれた。


つまり、アルトさんが言いたいのは、大司教を殺したのはエーデル国の仕業であり、内部犯と見せかけて混乱を招いた。


だから、”まやかしの紛争”。


そして、奪われたネックレスはカラニアの地に隠されるも、再び誰かに持ち出され、このヘリオス家へと流れ着いた。



「ただ、国の仕業だと立証するものは何も残っていないし、これはあくまで俺達の仮説だから、この話はここだけにしてくれ。いずれにせよ、女神様の奇跡がまだこの世の何処かに存在しているのであれば、俺らはどんな状況であれ永久に不滅。それが、元オルファナ国民の合言葉だ」


それから、最後に力強く語ってくれたアルトさんの熱い言葉が胸に深く突き刺さる。


それは、エーデル国に迫害されていても、尚逞しく生きていく彼等の原動力。

それが今、私の首元に存在する。


この事実を果たしてアルトさん達に話すべきか。

けれど、一個人の都合で色褪せてしまったネックレスを見せたら、彼等はどう感じるだろう。


ネックレスの実態を確認出来て喜ぶか、もしくは変わり果てた姿に絶望するか。


それよりも、これまでオルファナの奇跡を独占していたヘリオス家に対して恨みを持つかもしれない。


そう思うと、怖くて何も言い出せない。


それならいっそ、何も知らないまま希望を持ってくれた方がマシな気がして、私は小刻みに震える体を抑え、小さく唇を噛んだ。



「……それで、私の両親が持つ重大な秘密っていうのは、それらと何か関係があるの?」


すると、唐突に投げられたリリスさんの質問に、セシルさんはゆっくりと首を横に振る。


「それは分からない。けれど、重罪人と指定されたなら、そこに意味が隠されているかもしれないわね。いずれにせよ、あなたは何も聞かなかったことにして、今まで通り過ごしなさい。そして、もうここには二度と近寄らないことね」


それから、最後に重たい忠告を残し、私達の会話はここで終わった。





リリスさんの両親が殺された理由……。


重大な秘密だとしたら、例えば大司教を殺した犯人の情報を掴んでいたとか。それで口封じをされたとか。


だけど、それなら情報を掴んだ時点で真っ先にセシルさんに伝えると思うけど……。



考えれば考える程深みにハマりそうなので、私は一旦思考を停止した。


それよりも、この一連の流れで分かったこと。


それは、エーデル国がいかにオルファナ国民を排除したいかということ。


おそらく、エーデル国はレーテ教からネックレスを奪った後、破壊するつもりだったのかもしれない。

これが元オルファナ国民の生きる希望であるなら、それを残す理由なんて何一つないだろうから。


だとしたら。


もし、私がそのネックレスを持っていることを把握しているなら、狙われる意味が自ずと見てくる。


つまり、黒幕は……。



「クレス」


その時、背後からリリスさんの声が聞こえ、はたと我に返る。


「姿が見えないと思ったら、こんな所にいたの?」


「ええ。ちょっと気分転換に外の風に当たろうかと」


セシルさんの話が終わってからずっと胸が苦しかったので、少しは気が紛れるかと思ったけど。

一人になったら余計な考えが次から次へと浮かんできて、かえって逆効果だったかもしれない。


「私も、なんかモヤモヤが消えない。というか、本当にここで育ったのかな?いくらこの村を見ても何も思い出せないし、ここが私の実家だと言われても全然分からない。やっぱり、セシルさんが言うように私って記憶喪失なのかも……」


そう言うとリリスさんは今までにないくらい弱々しい表情で、自嘲気味に笑った。


記憶を失う程のショックを受けたのだとしたら、もしかして、幼い頃に両親が殺されたところを目撃したのかもしれない。


決して口にはしないけど、きっとリリスさんも薄々感じているところはあるような気がする。



「リリスさんはご両親を殺した相手を憎いと思いますか?」


この状況下で、こんな質問は野暮であるのは分かっている。


けれど、同じ親を殺された者として、彼女はどう捉えるのか気になり、聞かずにはいられなかった。


「……どうだろう。例え事実だとしても、記憶がないから正直よく分からない。親を殺したことは許せないけど、私は今を大事にしたいから、過ぎたことは気にしないようにするつもり」


すると、いかにもリリスさんらしい答えが返ってきて、彼女の心の広さに感心する。




「それは随分と綺麗事が過ぎるな」


その時、私達の間に突然アルトさんが割って入ってきて、不意を突かれた私はびくりと肩が跳ね上がる。


「俺は何があろうとエーデル国を絶対に許さない。例えこの地が滅ぼされようとも、俺はここを離れるつもりはないし、オルファナ国民として最後まで国に抵抗するつもりだ」


そして、強い志を持った彼の言葉が、ずしんと重くのしかかってきた。


仮にもエーデル国の公爵令嬢として、アルトさんの想いはしっかりと受け止めなければいけないと思う反面。

国に対する不信感が膨れ上がった今、今後どうすればいいのか分からない。



以前リリスさんにネックレスのことを打ち明けた時、黒幕は案外近くにいるものだと彼女は言っていた。


そこから思い浮かぶ一人の人物。


決して考えたくはなかったけど、国の政権を担う人物であるなら、黒幕の候補としては十分有り得る。



「……クレス、泣いてるの?」


すると、いつの間にか自然と涙が溢れていたようで、リリスさんに言われて初めて気付いた。


「……あ、ごめんさい。色々と考えてしまって……」


恥ずかしくなった私は慌てて涙を拭うと、無理矢理笑顔を取り繕う。


そもそも、アルトさん達の話が真実だと決まったわけではないし、まだ彼が黒幕であると確定したわけではない。


けれど、その可能性が生まれてしまったことがあまりにもショックで、その場で崩れ落ちそうになるのを必死で堪える。


大好きだったお姉様に裏切られた時も胸が張り裂けそうだったのに、リオス様にまで裏切られたら、私はもう生きていく意味を失ってしまう。


絶対にあり得ないと信じたいのに、一度綻びが出来てしまったら、意思に反して疑いはどんどんと膨れ上がっていく。


「とりあえず、もう暗くなるし、まだ宿を見つけてないなら今日はセシルさんの家に泊めさせてもらえ。俺が交渉してくるから」


すると、アルトさんは余計な詮索をすることなく、そう言ってこの場を後にした。


相変わらず人の事情に踏み込もうとしない彼の性格は淡白に感じるけど、今はそれがとても有難く感じ。

その上、さりげなく寝床まで用意してくれると言うから、アルトさんの人柄の良さに改めて感動した。




こうして、私とリリスさんはセシルさんの家に泊めてもらうことになり、用意してくれた客室のベットに腰を下ろす。


その瞬間、これまでの疲れが一気に押し寄せてきて、私は仰向けになって天井を見上げた。



頭の中は靄がかっているようで、うまく思考が回らない。


というか、今は何も考えたくない。


これまで復讐と自己防衛の為になりふり構わず行動してきたけど、前に進めば進む程自分の首を絞めていくような気がする。



リオス様がまだ黒幕と決まったわけでない。


だけど、彼を信じることが何だか少し怖い。


これまで人を疑うことなんて一切なかったのに。

一度裏切られた心は思っていた以上に弱くなっていて、最愛の人であるにも関わらず、疑ってしまう自分が凄く嫌だ。



その時、扉をノックする音が聞こえ、体を起こして応じると、リリスさんが恐る恐る部屋の中に入ってきた。



「えーと……気分はどう?」


それから、ぎこちない笑顔を見せて気遣ってくれる彼女に、少しだけ気持ちがほっこりする。


「大丈夫ですよ。心配かけてごめんなさい。ちょっと混乱してしまったので……」


正直心は全く大丈夫じゃないけど、リリスさんにあまり弱ったところを見せたくなくて、平静を装う。


「まあ、あんたにとってはこの旅は酷だったよね。私も、他人事で付いて来たつもりが、まさか自分の生い立ちに直面するとは思わなかった」


そう言うと、リリスさんは苦笑いを浮かべて私の隣に腰掛けた。


「ここまで一緒に来てくれてありがとうございました。情報は十分集めたので、明日には王都に戻りましょう。セシルさんの言うとおり、リリスさんがここにいるのは危険だと思うので」


リリスさんの両親が処刑されてから随分時が経ったけど、決して油断は出来ない。

私が狙われているのなら、きっと彼女も例外ではないはずだから。


「……それで、王都に戻ったらどうするの?王宮を偵察するとか?」


すると、リリスさんに鋭いところを突かれ、私は返答に迷う。


黒幕が王族かもしれないという疑いが出てきた以上、手掛かりを探す為には、また王宮に行くべきだと思う。


だけど、全く気が進まない。


黒幕に辿り着かなければ自分の命はずっと危ういままなのに、これ以上の真実を知ることが怖くて、なかなか前に踏み出せない。


だけど、行動しなければ、このままリオス様を疑い続けることになってしまう。


それだけは絶対に嫌。


信じる勇気が持てないなら、せめて信じられる方向に自分が動かなければ、この蟠りはずっと消えないままだ。



「王都に戻ったら、まずはアルトさん達の仮説が正しいか自分なりに調べてみます。もしかしたら、またリリスさんに協力もらうことになるかもしれませんが……」


果たして百年以上経った事件の謎を解明することが出来るのか。

あまり期待は持てないけど、それはやってみないと分からない。



「……クレスって逞しいよね。始めは世間知らずなお嬢様だなって舐めてたけど、今ではその強さが心から羨ましいと思う」


すると、突然褒められた意味がよく分からず、私は首を傾げる。


「私は全然強くないですよ。さっきもアルトさん達にネックレスのことを言い出せなかったですし、愛する人でさえも疑ってしまうし……。私よりもリリスさんの方がよっぽど逞しく生きているじゃないですか」


孤児となっても一人で生きていく術を自力で見つけ、人の力になっている。

そんな太陽みたいな人に比べたら、私なんてちっぽけな存在なのに。


「いや。私はクレスみたいに闇に立ち向かう勇気はないよ。身内が殺されても自分の身を守りたいから、目を背けて光だけを見ている。アルトが言うように綺麗事に逃げているの。私はそういう人間だよ」


そこまで話すと、リリスさんは自重気味に笑って天井を仰ぐ。


そんなことはないと強く言いたいけど、下手なフォローをするくらいなら余計なことは言わない方がいい気がして、私は開きかけた口を閉ざした。


「だけど、クレスだけは身を呈してでも守りたいって心から思えるんだ。他人に対してこんな感情は初めてかも。だから、クレスといると自分も強くなれる気がするんだよね」


それから暫しの沈黙の後、吹っ切れたようにいつもの眩しい笑顔を見せるリリスさん。


その言葉が素直に嬉しくて。

私も満面の笑みを浮かべた。



「それなら、これからもよろしくお願いします」


「うん。こちらこそ、よろしく」


そして、暗い窓から差し込む月明かりの下、穏やかな空気に包まれながら、私達は熱い握手を交わしたのだった。



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