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雑用係は水晶玉に恋をする  作者: クソラノベ量産機
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三話 雑用係は仕事を辞める

交互に話し考えると混乱しますね。

 翌朝、目を覚まし冒険者ギルドへと向かい何時もの憂鬱な時間が始まる。


「おはようございます。」


「おう、今日は給料日だが昨日みてーなヘマすんじゃねーぞ? 今度やりやがったら給料は無いものと思え、良いな!」


「くひひ、早く返事しなよ? 雑用君!」


「はい……。」


 朝早くからギルド長とタックスが二人並び、現実へと戻される。 そして案の定タックスは何時も通りの嫌がらせをし、その親であるギルド長のヘイブンも息子の言葉を鵜呑みにし僕を悪者にしてくる。


「またかアルバス! 支給品の煙玉の数が合わねーぞ!? まさかギルドの金、懐に入れてねーだろうな?」


「そんな事しませんよ!!」


「本当かぁ? テメーが買い出しに行った日ばかり、商品が合わねーのは何故なんだ?」


「くひひひ、パパあんまりアルバスを怒らないでよオイラが変わりに買って来てあげたからさ。」


「おお、流石は我が息子だ! それに引き換え、こんな無能が英雄の息子だとはドリアスさんも苦労するな!」


 時間は流れ、珍しく定時で帰る様に言われるが何時もなら最低限の生活が一ヶ月できるだけの給料が手渡される筈だが、その気配が一切無い。


「あ? どうした? 今日はもう帰りな!」


「あの、給料は……?」


「くひひ、有る訳無いだろ? お前、ヘマしたら給料無しってパパが言ってたじゃないか!」


「冗談……でしょ……?」


「分かったなら、とっとと帰りな! 明日も早いんだ、遅刻だけは絶対すんなよ!」


 最悪な一日だった、冒険者ギルドの雑用係として一生懸命働いて、少ない給料を親に全額渡して心配掛けない様に自分の分は貯金してるって嘘まで付いて、僕はなんの為に働いているのか分からなくなった。


 俯きながら家に着き、玄関のドアを開けると不思議そうな顔でお母さんが見ていた。


「あら、お帰り今日は早いのね? 何かあった?」


「ううん、何でもないよ……今日はたまたま早く帰れただけだから……。」


「そう、無理してない? 何だか、今日は何時にもまして疲れが溜まってそうな顔をしているわよ?」


「うん、疲れたから今日はもう寝るね。」


 僕は自室に篭り鏡を見ると何時も以上に痩せこけた表情をしていた。


「はは……、なんだよこの顔……まるでミイラじゃないか……。」

(でも、どうしよう……もう昔に貯めたお金は無いしお母さんに渡せる生活費が無い。)


 ふと水晶玉が目に入り、ベッドに横になり持ち上げ見つめる。


「昨日のは、何だったんだろ? せめて最後にあの娘の顔が見たいな。」

(何言ってんだろ、まるで死ぬみたいに。 いや、間違ってないか……僕は過労で死ぬかもしれないし。)


 その時、水晶玉が光出し昨日に見た女の子の姿が映る。


《アルバス君……だよね? 昨日は、ゴメンね。》


「何で謝るの? 君は僕に謝る様な事してないよ?」


《ううん、だって私よりもアルバス君の方が辛い目に合ってそうな顔してるから……今だって昨日よりも顔色が悪いし大丈夫?》


「だ、大丈夫だよ……心配してくれて有難う。」


《アルバス君、私で良かったら悩み聴くよ。》


「え?」


《私ね、周りに誰も味方が居なくて辛い日々を送っていたけどアルバス君の話し相手になってくれるって言われて嬉しかったの。》


 水晶玉に映る女の子は昨日と違い、何かを決心したかの様に語りかける。


《だからアルバス君も悩み事を口にして、きっと楽になるから。》


「実は仕事場が最悪でさ、一生懸命に働いてるのに毎日の様に嫌がらせをされてね……犯人は分かってるんだけど、その犯人がギルド長の息子でさ言うに言えなくて今日なんて給料無しにされて今まで働いて来た時間が何だったのか分からなくなったんだ。」


 僕は自然と水晶玉に映る女の子には、自分の受けてきた苦しみを吐いていた。


《そっか……辛かったよね、よく頑張ったね。》


「うん、話し聴いてくれて有難う。 君のお陰で少しは楽になったよ。」


《ねえ、私が口出しする事じゃないけど……辞めなよ、そんな職場。》


「え?」


《アルバス君の居る職場環境ってさ、私の世界ではブラック企業って呼ばれているの。》


「ブラック企業?」


《給料支払われなかったんでしょ? もう、働く必要無いよそんな場所で!!》


「でも……。」


《私はアルバス君に死んでほしくないから、言ってるだけだけど決めるのはアルバス君だから……。》


「決めるのは、……僕。」


《あっ、水晶玉が!》


 昨日と同じ様に水晶玉から光ってるが失われ、映っていた女の子の姿が消える。 僕は女の子から言われた通り、冒険者ギルドを辞める為に辞表を書くとスッカリ日が昇り朝になっていた。


(もう朝か……、そうだもう働く意味なんて無いんだ! 今日で辞めてやる!!)


 僕は何時もより早く冒険者ギルドへと向かい、ギルド長室へとノックし入室する。


「誰だ?」


「アルバスです。」


「アルバス? まあ良い、入れ。」


「失礼します。」


「今日はヤケに早いな、早速だが……。」


 僕はギルド長が言い終える前に辞表を机に叩き付け、その場を去った。


「何だ、その態度は!」


「今日限りで辞めさせて頂きます、ではさようなら!!」


「おい、アルバス! 戻って来い、聴いてるのか!?」


 冒険者ギルドから外に出ると、何時もの憂鬱さから解放された気分になる。 僕は、恐る恐る家に帰ると何時も通りのお母さんが居た。


「た、ただいま。」


「お帰りアルバス。」


「えと、怒らないの?」


「何で怒る必要があるのかしら?」


「実は僕、仕事辞めてきたんだ。」


 不思議な気分だった、お母さんは僕が仕事を辞めた事を叱り付けるものだと思っていた。


「何でお母さん嬉しそうなの? 僕仕事辞めたんだよ?」


「貴方は自分の意思で辞めたのでしょ? なら、お母さんは貴方を責められないわね。 今からでもアルバスの好きな物作るわよ何が良い?」


「甘い物、食べたいかな。」


「ふふ、じゃあアルバスの大好きなムースを作るわね!」


 僕は久々に家族らしい会話をお母さんとした様な気がした、お父さんは僕が仕事を辞めた事怒ると思っていたけどお母さんと同じで自分の意思で仕事を辞めた来いを喜んでいた。

何時も読んでくださり有難う御座います。

次回も不定期投稿になります。

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