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電気自動車よりもガソリン車の方が環境的だったりする

距離によってどっちが環境的かが変わるらしいです。

「さてどうしたものか…」

悠は目の前に映る光景を見ながらそう呟く。

この危機的状況を何とかしようと思考を巡らせた結果、公子を嬉死(気絶)状態にできたものの、刹那的な無事が保証されただけで事態は悪化している。

「まあ、あれだ…。私はお前らはお似合いだと思うぞ」

「待て!諦めないでくれ!このままだと終わるから!やばいフラグ立ってるから!」

「少なくとも公子はお前のことを死ぬほど愛していて顔もスタイルもいいわけだし、かなりの優良物件じゃないか」

「確かにそうだが…でもそう言うのじゃないだろ、恋愛とかって」

「彼女が出来たこともない男が恋愛を語るな」

「うるせぇ、それよりもこの状況をどうにかする案を一緒に考えてくれ」

「そう言われても正直私に害は無いしそれにこっちの方が見てて飽きないからなあ」

「一応言っておくがあいつお前のこと知ってるぞ」

「え?」

クロは首をかしげる。

公子はあの幼女は誰だと聞いていた。

つまり公子はクロのことを認識していることになる。それが声までなのかそれとも盗撮なんかで姿まで確認しているかは分からないが仮に付き合うなんてことになったら間違いなく突き詰められるだろう。こいつに死なんて概念があるかは分からないが少なくともそうなればこいつにも大きな痛手となるだろう。

「い、いいもん!私は影の中にいればいいし!」

「悪いが俺がそうはさせない。それに俺が死ねば少なからずお前にも影響が出るんじゃないのか?」

「うっ…それは…」

クロは苦い顔をする。適当に言ってみたがどうやら当たりのようだ。

このことは後で突き詰めるとして今は目の前の状況を何とかしなければならない。

「そうは言われても私にはどうすることも出来ないぞ?」

「脳みそが二つあれば選択肢も増えるだろ」

「脳みそ二つって言っても反射的に女を抱きしめた精神異常者と影からそれを見守ってるだけの美少女だぞ?ほとんど状況は変化してない」

「それでも精神異常者一人で考えるよりかはましだ。文句を言わずに考えてくれ」

悠はそう言って思考を働かせる。きっと何かこの状況を打開する策があるはずだ。というかあってくれ。

しかしそんな悠の願いとは裏腹になかなかこのS級の危機を打開する案は浮かばなく、刻一刻とタイムリミットに近づいていく。

仮に今無策のままで公子が起き上がりなんかしたら…。

ブルッ、と悠は寒気を感じる。

と同時に一つの策が思い浮かんだ。

「なあクロ。お前は影の中に潜ることが出来るんだよな、それなら…」

「一応言っておくが公子を影の中に入れて移動してこいつの部屋のベッドまで運んですべてが夢だと思わせるっていうのは不可能だぞ」

クロは自分が伝えようとした策を全否定した。

「影の中には入れられないのか」

「多分ね。やったことないから分からないけど。それに影の中っていわゆる水の中みたいなものだから移動させるのだけでも一苦労だよ」

「そうなのか。常に水の中は大変そうだな」

「そうでも無いよ。水の中と言っても息は出来るし、プールみたいだから茶々入れる時以外は底で寝っ転がったりして悠のことを見ているよ」

「ふーん、いやこんなこと話してる場合じゃねぇ」

脱線しかけた議題を頭に入れなおす。

「なあこういうのはどうだ。私を親戚の子だと説明してひとまず私を蚊帳の外に…」

「お前だけ助かろうとするな。俺も助かるルートを探してくれ」

「え~」

クロは露骨に嫌そうな顔をする。

どうやらこいつは腹も黒いようだ。

「どうにかこれを夢だと思わせる策を考えてくれ」

「それじゃあこんなのはどうだ」

そう言ってクロは作戦を告げる。

悠はその成功するか分からない作戦に最初は反対したが最終的にこれしかないと諦めて実行に移すことにした。

「う……んんっ!?…」

公子は目を覚ます、とともに崩れ落ちようとしていた身体を何とか支える。

そして先ほどの体験が頭の中をめぐる。

「わ…わたし悠君に!!」

抱きしめられた。確かに悠君が私のことを!

という事はここは…。

とあたりを見渡すがそこは玄関前で黒い扉が目の前にある。

それに目が覚めたがなぜか直立したままだった。

つまり今見たものは…

「居眠りしてみた夢?」

しかしそんなのはあり得るのか?立ったままであんなに内容の深い夢を見るなんて。

公子はスマホを取り出して時間を確認する。

七時四十五分。確か家を出たのが七時二十分でここに着くまでは約十分かかる。つまり普段通りならばここには七時三十分に到着しているはずだ。 しかし今はその時刻から十五分過ぎている。仮に遅く着いていたとして…いやそれはない。私が悠君のために動くのにそんなにルーズになるわけはない。それならあれは本当に夢?何となくだが身体に抱きしめられたぬくもりのようなものが残っている気がする。

公子はそうしてしばらく考える。そして一つの結論に達する。

悠君の家に幼女がいるのはおかしい。そんな情報は無かった。つまりあれは夢だった。

そう分かると公子は落胆しつつも幼女がいないことに安堵した。

仮にあれが親戚の子だったとしても油断はできない。小さな火の粉から大火事に発展する場合もある。

さて整理が出来たところで悠君を呼ぶことに…

「お!…居たのかよ」

呼び鈴を鳴らす前に悠君が出て来る。

「おはよ!悠君」

「…あぁ」

悠はぶっきらぼうにそう返し、公子の横を通り過ぎる。

「ちょっと待ってよ!」

公子は悠の背中を追いかけた。


さておおよそ予想は出来ていると思うがここでネタばらしといこう。

彼女にこの一連のことが夢だと思わせた方法は簡単だ。

それはクロに公子が起きるギリギリまで身体を支えてもらい起きるのを見計らって影の中に逃げ込ませるというものだ。起きる瞬間というものは思考が無と同じなのでこれくらい大胆なことをしても気づかれることが無い。そして彼女の考えがまとまる前に突入してうやむやにするという作戦だった。正直博打であると思っていたがうまくいった。悠はその気持ちが悪いしたり顔を何とか誤魔化すのに必死であった。そして作戦は現在進行形で続いている。それは監視カメラ、もしくは盗聴器の確認である。現在部屋の中ではクロが影の中からそれらを探しており確認し次第破壊、もしくは取り外しをさせている。そしてそれが終わったら公子の家に行ってもらい、録画等があったら消去させる手はずになっている。

これではクロに大きな比重がかかっているように見えるが悠にも大きな役割がある。それはもちろん夢だと信じ込ませるための最後の追い込みもそうだが、第一にスペアキーの奪取、そして防犯強化のために帰りに道具等を買って来ることである。後者は簡単だが前者はかなりの難易度である。まずはどこにあるのかを探ること。恐らくは常に持っているのだろうが果たしてそれをどこに持っているのか、そしてそれが分かったうえでどうやって奪うかを考えなければいけない。そして何よりも恐ろしいのはそのために彼女との距離を縮める必要があるということだ。

正直辛すぎる。肉を切らせてちょいと小突くという感覚だが小突かなければ状況は悪化するだけになる。

しかしどのように切り出せばいいのだろうか。自分にとっては普通の女の子でもかなりハードルが高いのに、それが元同級生、かつ重度のヤンデレとなると飛んでもくぐることになる高さになる。

こういうのは最初が肝心だ。

悠は心の電子辞書でぴったりの言葉を探す。

が、条件が多すぎるために言葉が出て来ない。てかあるわけないだろ。

無傷では無理なのは分かっているんだ。それなら今は任務遂行だけを考えてその後のことは未来の自分に任せることにしよう。

「そういえば俺の鍵ってどこにあるの?」

悠がそう口にして少しの静寂が二人の間に生まれる。

あ、やらかした。








適当に初めてなんかずるずる続いてるこれです。特に方向性とかは決まっていないのでここから急に異世界転生して俺つえー!になる可能性もあれば急に宇宙戦争が始まる可能性もあります。

それはそれで見てみたい気が自分もするのでそっち方面に行くという考えは捨てないでおきます。


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