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新メンバー?

「バイトするか」

「翔也は冒険者なのよ。冒険者は仕事の掛け持ち禁止って昨日聞いたばっかじゃない」


俺はギルドでうなだれていた。異世界暮らし2日目にしてスリにあって全財産失うとか辛すぎる。

「でもギルドに事情を話せばバイトくらいは許して貰えるんじゃないか?」


ということで俺たちは受付に行くことにした。

「バイトってできませんか?」

「申し訳ございません。いかなる理由があろうとバイトは認められません」


はぁ〜。俺はこれからスーツ着て素手で闘うのか。無理ゲーとしか思えない。

「翔也、金ないならクエスト受ければいいじゃない。」

「いや、俺素手だぞ。クエストって一般人じゃ対処できないからギルドに助けを求めてるわけだろ。身体能力一般人の俺が出来るクエストなんてないだろ」


とりあえず俺たちはクエスト掲示板を見てみる。

やはり大半が魔獣討伐で、他も標高6千メートルの山の山頂に生える植物の収集クエストなど無理難題しかなかった。


何もすることのない俺たちはギルドを出て行き先もなく歩いていた。

「やっぱり簡単な魔獣討伐でクエスト受けるしかないのよ」

「素手の格闘家ファイターと後方支援の回復士ヒーラーに何が出来るんだよ」


「やって見ないと分からないじゃない」


「いや、失敗したら死ぬか、罰金だぞ」


「せめて仲間がいればな」


「駆け出しのパーティーに入ってくれる人なんているわけないじゃない」


行き先なく不毛な会話をして歩く俺たちだったが遠くまで来すぎたと思い引き返すことにした。

すると小銭を落とした女の子が近くを歩いていた男性に小銭を拾って貰っていた。

そして女の子は男性の足元に手を伸ばそうとして、その手は男性のポケットに向かい、財布を手に取った。

察した俺は、その財布を自分のバックにしまおうとする女の子の手を掴み、しまおうとした財布を


「落としましたよ」


と言って財布を男性に渡した。

そして拾い終え男性が行ってから女の子に俺は言った。


「ちょっとお話ししようか」


何も知らない文香は見下すように言う。


「翔也、金ないからって誘拐犯にでもなるつもり?最低ね」


バカなことを言う文香は無視してとりあえずギルドに来てもらうことにした。


「俺の金とったの君だよね?さっきも金取ろうとしてたみたいだし」


女の子は下を向いて何も言わなかった。

そんな様子に文香は


「何か言いなさいよ!」


と強い口調で言った。

とりあえず文香には席を外してもらった。


下を向く女の子は顔面蒼白になり怯えていた。

そんな様子を見かねた俺は言った。


「二度としないと誓うなら俺は別に警察に突き出すつもりもないし、金も返さなくていいよ。何か悩みでもあるなら相談にも乗るし。」


そして怯えながらも口を開き言った。


「私、1人なんです。働こうにも私の年齢じゃどこも雇ってもらえなくて」


なんか泣けてきた。

俺の全財産を盗んだ奴だが、もうそんなのどうでもいいじゃないか。


「だったら俺たちと一緒に冒険者にならないか?」

「でも、私に冒険者なんて……」


するといつの間にか来ていた文香は言った。


「あんたそれじゃあこれからどうするのよ。冒険者になりなさい。そして私たちのパーティーに入るの。」

「わ、分かり、ました」


なんか束縛そくばくしたような気がするがこれでパーティーメンバーが3人になった。


「パーティーメンバーになったわけだし、とりあえずよろしく。俺の名前は横島翔也でこいつが清水文香」


「シャ、シャウラです。よろしくお願いします」


自己紹介を終え早速シャウラの冒険者申請をすることになった。

そして渡される職業適性の入った封筒。

そっと開けるシャウラを俺と文香は覗き込む。


【狙撃手スナイパー】


俺もそれが良かった!


そして冒険者カードを受け取り、シャウラの武器を買いに武器屋に行くことになった。

文香は用事があると言うので、武器屋には2人で行く。


「どのくらい金使える?」

「3千円くらいですかね」


そして俺は一つ疑問に思った。


「でも俺からとった4万円はどうしたの?」


そしてシャウラは申し訳なさそうに言った。


「その、ギャンブルに……」


こいつダメな奴だ。


それから俺たちは武器屋でシャウラの武器、銃を買い、夕食時なので食事をとりにギルドに戻る事にした。

シャウラとうどんを持って席に着く。

ちなみにこの食事だがギルドの入会特典とかで入会から1ヶ月、具なしうどんが食べ放題というものだ。金のない俺にとってはすごくありがたいのだが、正直飽きた。肉とか野菜が食べたい。

そして食事をとる俺たちのところに嵐のように文香はやって来た。


「私たちの初クエスト決まったわよ!」


少し驚きながらも俺は効く。


「クエスト内容は?」

「村からのゴブリン撤退よ」

「「!」」


びっくりして俺は鼻からうどんが出そうになる。シャウラは口をポカーンとしていた。


「おい!クエスト失敗したら罰金だぞ」

「失敗なんかしないわよ私がいるから安心しなさい」


偉そうに言ってるけどお前、回復士ヒーラーだろ。




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