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漂流から始まる異世界暮らし  作者: 今井孔子
シークレットトリプル
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王国潜入13日目

俺が清掃を行う4棟には警備兵が出入口に2人配備されている。

彼らとは仕事は違うとはいえ、同じ担当場所ということで仕事の合間にはよく話をしていた。

話の内容は趣味の話や愚痴を聞いたりなど、くだらない話ばかりだ。

そして今日も棟の出入口の清掃をしながら俺は警備兵2人と話していた。

俺はなるべく自然に2人に効く。


「そういえば俺がここに来る前に一斉検挙があったって聞いたんだけどそいつら今どこにいるの?」


露骨だったかも知れないと、言ってから思う。

しかし幸い俺の発言に2人は怪しむことはなく答えてくれた。


「あーそんなことあったなー。牢屋に入れられてるんじゃねぇか?」


「俺もそう聞いてたんだけどよ、なんか牢屋から移動したって聞いたぞ」


俺は最も気になっていたことを効く。


「それって処刑するためだったり?」


すると警備兵は手を振って答える


「それはないない。どんなに悪者でも王国は利益の無い処刑はしないよ。牢屋に閉じ込めて実験体にでもするか、更生させて王国で働かせるのが普通だ」


処刑された可能性が無くなって安心する。

そして俺は疑問に思う。


「牢屋にいないのなら王国で働いてるんじゃないのか?」


「でも俺、誰1人として一斉検挙で捕まったやつ見たことないし、王国で隠れて働いて捕まったのに、また王国で働くのはおかしいだろ」


これ以上効くと流石に怪しまれると思った俺は、それからは清掃作業に戻り、昼休憩まで警備兵と話した事を思い出して再度考えたが全く分からず、結果的には謎が増えただけだった。

ディアンよお前は一体どこにいるんだ。


昼食を終え午後の清掃を行っていると鳥に化けたスピカが戻ってきた。まわりに誰もいない事を確認して俺は小声で話す。


「で、成果は?」


「処刑場探したんだけどね〜どうやらないみたいなのね〜てっきり牢屋の近くにあるものだと思ったのにね〜」


「あぁ、警備兵から聞いたんだけど王国は処刑をしないらしいぞ。労働力として利用するらしい」


「やっぱりね〜。でもね〜裏ギルドの人達は見つからなかったけどね〜牢屋見たらね〜知り合いがいたのね〜」


「誰だ!?まさかフィンとラティス……」


「その〜……リオンが〜」


「あ〜あいつか〜ほっといていんじゃね」


「そうだよね〜でも一応私の元部下だから助けないわけにはいかないのね〜」


「まぁスピカがそう言うなら」


スピカには助けてくれた借りなんかもあるし、頼まれては断れない。

それから話は後でという事になりスピカは俺の中に入った。


それから食堂で夕食を一緒に食べるアスティーに俺は効く。


「そういえばアスティーはいつまでここにいるんだ?」


「うーん、本当はレオナルドと初めて会った時には、もう目標金額に達してるから辞めてもいいんだけど、こうやってレオナルドといるうちにこの生活も悪くないかなって。だからレオナルドが辞めるまでここにいようかなって。レオナルドこそ、いつまでここにいるの?」


レオナルドという偽名じゃなければ俺は完全に惚れていたのではないだろうか。

このままここでアスティーと働く方が幸せなんじゃないだろうかと思う。

とりあえずいつ辞めるかなんて分からないので曖昧に答える。


「まぁ〜具体的には決めてないんだけど、数カ月以内には辞めるかもな〜」


そして夕食を終え、部屋に戻った俺はスピカとリオン救出の作戦を立てる。


「やっぱり爆弾で研究室を爆破して、その隙に牢屋に俺が侵入して助けるって言う、前に考えた案が有力なんじゃないか」


「そうだね〜裏ギルドの人達が牢屋にいないって分かったから〜この作戦は中止になったんだけどね〜」


それにしてもあいつは何をしに王国に来たんだろうか。

余計な仕事を増やしてくれやがって!


「あまり時間もかけてられないし明日決行でもいいか?」


「分かったよ〜早速今日、報告ついでに〜爆弾貰ってくるね〜」


そう言うと鳥に化けたスピカは窓から裏ギルドに向かった。

フィンとラティスは今頃どうしているのだろうか。

早くこの潜入調査を終わらせなければと思う俺だった。


するとドアがノックされた。

俺はドアを開ける。


「クッキー焼いたんです。夜食にどうかなって」


「あ、ありがとう」


俺にクッキーを作って持って来てくれたのはアスティーだった。

やっぱり後、1年くらいこの仕事やろうかな。


「よかったら一緒に食べない?コーヒーなんかしか出せないけど」


「はい、私も一緒に食べたいって思ってたので嬉しいです」


俺は思う。

この状況って俺が今まで妬み、嫉み、そして憧れて来たリア充というやつではないだろうかと。

今ほど人生で幸せを感じたことはないと思う。


それからアスティーと会話をしながらクッキーを食べる。

手作りクッキーの味は記憶に焼きつくほど美味しかった。

こんなに幸せでよいのだろうかと思ってしまうほどだ。

それからアスティーが帰った後は寝る支度を始めるのだが、ニヤケ顔が止まらず、帰って来たスピカに


「なんか翔也気持ち悪い顔してる〜。魔法使いまくって魔力欠乏にしてあげよっか〜。本当の意味で寝られるね〜」


と、恐ろしいことを言われた。




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