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冒険者になる

俺たちはギルドの受付に来ていた。


「ギルドへの入会ですね。お二人でよろしいですか?」


俺は慌てて言う。


「俺は違います」


そしてギルド入会の手続きが始まり、


「ギルド入会の手続きは以上です」


文香は冒険者になった。


「それでは職業決めに移りますね。清水文香さんの職業の適性を調べますので少々お待ちください。」


と言って受付の女性は裏に行ってしまった。

文香の方を見ると、興奮していた。


「ねぇ私の職業何かな?やっぱり王道は剣士よね。でも魔術士とかも憧れるな〜。はぁーた・の・し・みー!」


そしてすぐに受付の女性は来た。


「清水文香さんこちらが、あなたの職業適性になります」


そう言って受付の女性は文香に封筒を渡した。

どうやら受付で書いた情報を元に分析をしているらしい。

そして文香は封筒を開けた。

俺もそれを覗き込む。


回復士ヒーラー


そしてあからさまに嫌そうな顔で文香は言った。


「なんで……なんでよー。回復士ヒーラーって後方支援じゃない!私は前線で思いっきり闘いたかったのに!」


回復士ヒーラー

仲間の回復や能力を向上させる職業か。

正直安心した。

前線で闘う剣士とか自殺行為としか思えない。

回復士ヒーラーなら敵と戦闘することはないだろう。


「まー頑張れよ」

「なんかあんた嬉しそうじゃない?回復士ヒーラーなら安全だとか思ってるんじゃないでしょうね」


こいつエスパーかよ。


「職業なんてなんだっていいじゃねえか。取りあえずお前はこれでギルドに入って冒険者になったわけだし」


そして不満そうにしながらも意を決して回復士ヒーラーの冒険者カードを受け取るのだった。

そして文香は自分の冒険者カードを見ながら言う


「ここまで来たんならあんたもギルド入りなさいよ」

「……やってみるか」


少し前の俺なら絶対断っていただろう。

理由は死ぬのが怖いから。

でもどうだろう。

文香みたいに後方で闘えば死ぬリスクなんて全くないのではないだろうか。

文香のヒーラーや魔術士、狙撃手など後方で闘う職業が職業一覧を見る限りかなり多い。

というか前線にでる職業、剣士とかは職業適性で俺は恐らく当てはまらない。

ということで成り行きで俺も受付でギルド加入の申請をすることにした。


「では少々お待ちください」


はたして俺の職業は何だろうか。

期待に胸が膨らむ。


「そういえば翔也は何になりたいの?」


文香がどうでもよさそうに聞いてきたのが気に食わなかったが俺は答える。


「狙撃手スナイパーとかカッコいいよな。銃で敵に感知されることなく仕留めるとかしてみたいな」

「だと思った。あんた何よりも死ぬのが、怖いって感じだし臆病者にはお似合いね」


文香の悪口は無視しつつ。

俺は今か今かと待った。

そしてほどなくして封筒を渡された。

緊張しながら封を切り中身を取り出す。

文香も覗き込んできた。


【格闘家ファイター】


「ふぅー。冗談きついぜ。」


隣では文香が腹を抱えて笑いながら言った。


「ハハハ!面白すぎるんですけど。死ぬのが怖い臆病者が前線で武器も持たずに闘うなんて。翔也の嫌いな自殺行為じゃん」


そしてこの封筒を渡した受付のお姉さんは申し訳なさそうに言った。


「そのー、職業適性は、とある魔道具に決めてもらうんですけど、その魔道具が言った職業でないと魔法が使えないんです。つまり剣士ではない人は剣の魔法を使えません。だから格闘家と判断された翔也さんは打撃の魔法が使えるはずです。あまり落ち込まないでください。一応、格闘家にも遠距離攻撃の魔法ありますし」

「まぁ遠距離魔法あるならいいか」


とりあえず後方からの攻撃も可能だと分かってホッとする。

しかし受付の女性は慌てて言った。


「す、すみません。先程の発言訂正させてください。

実はその遠距離魔法、特級魔法ですので翔也さんには無理です」


今すぐその魔道具をぶち壊したい衝動に駆られたがなんとかその気持ちを抑え俺は言う。


「すみません。やっぱり俺、冒険者やめます。」


すると受付のお姉さんは俺に言った。


「ですが1年の契約を結んでいるのでそれはできかねます」


どうやら俺は格闘家ファイターとして最低一年はギルドにいなければならないらしい。


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