怠惰
あれから2週間が経った。
文香は意識不明のままだ。
俺は一人森の中で怠惰な生活を送っていた。
「おい。お前、冒険者だろ」
声を掛けられたので顔を上げるとそこには金髪の不良のような冒険者とその彼女と思われる女がいた。
恐らく仕事帰りなのだろう。
「ガリム、こんなホームレス放っといて早く行こうよ!」
それから男は俺を睨みつけて言った。
「恥晒しが。ギルドに泥塗りやがって」
俺は何も言えなかった。正論だからだ。
そして二人はギルドに向かった。
文香が意識不明で、シャウラがパーティーを脱退した今、俺一人でクエストを受けるというのは無理だろう。
しかし手はあった。パーティーに入れば良いのだ。
シャウラはパーティーを脱退した後、新しいパーティーに入った。
狙撃手というのは、どのパーティーも喉から手が出るほど欲しいらしく、すぐに決まったらしい。
勿論俺なんかを戦闘要員として入れてくれるパーティーは、ほとんどないだろう。
そういう弱小冒険者は荷物持ちとして入れて貰う。
しかし俺はパーティーに入ろうとは微塵も思わなかった。
というかもうクエストを受けるのが嫌だった。
そんなことを思う俺は冒険者失格だ。
俺、なんで生きてんだろ。
すると空腹で腹が鳴った。
いつもの俺ならギルドに無料のうどんを食べに行くのだが、恐らく今、ギルドにはあの金髪野郎がいるのだろう。
俺は森の中に木の実でもないかと、さまよい歩いていた。
しかしやはり木の実なんてなかった。
俺は来た道を引き返す。しかし何分か歩いて気づいた。
帰れない。
引き返してからかなり時間が経つが、いつまで経っても森の出口が見えなかった。
どうやら俺は遭難したらしい。すると体の力が抜けていった。そして俺は倒れてしまった。
つまらない異世界暮らしだったな
***
「姉ちゃん!あそこに誰か倒れてる」
「息はあるみたいだな。村に運ぶぞ」
「分かった。うわ、でもこいつ人間だ」
「そんなことはどうでも良い」




