溺れる少女を助けるつもりが自分も一緒に溺れました。
俺は豪華客船の甲板に出て夜風に当たっていた。
なぜ海の上で食事をするのだろうか。
金持ちの考えることが分からない。
俺は友人に招待されて豪華客船のパーティーに来ていた。
俺はごく普通の一般的な家庭なのだが俺をこの退屈なパーティーに誘った友人がいわゆる金持ちという奴で、今日のパーティーはその友人の誕生日パーティーだ。
このパーティーの出席者の知り合いがその友人しかいない俺は、友人が別の人と話しているとき一人になってしまう。
俺は呟く。
「早く帰りたいなぁ」
すると雨が降ってきた。
俺は急いで船の中に向かう。
しかし俺は甲板で海を見る人に目が止まった。
雨が降ってきたのになぜ船の中に入らないのだろうか。
とりあえず俺は雨と波の音で声が届きそうにないのでその人のところに向かう。
長い髪と綺麗なドレスから女性だと分かる
そしてその女性に声が届くぐらいの距離まで来たので俺は船の中に入った方が良いと言う。
ことはできなかった。
その女性の髪は海風でなびき、透き通るような顔に思わず俺は見とれてしまったのだ。
同い年くらいだろうか。
すると彼女は身を乗り出し、体の半分以上を手すりの外に出るようにした。
嫌な予感がし彼女に近寄ると彼女は船の上から消えてしまった。
「……え」
走り去ったわけではない。
もちろん幽霊だったわけでもない。
「落ちた!」
驚き、周りを見回すが勿論この雨の中、人はいない。
海を覗き込むと少女が溺れて必死にあがいていた。
自分から落ちといてやっぱり死にたくないと思ったのだろうか。
なんとかしないとと思いとっさに俺は海にダイブした。
そして俺も溺れた。
「俺、カナヅチだったわ」
そして死を覚悟し、俺は目を閉じた。
「どうか来世では童貞卒業できますように」