第1章 春。芽生えた恋?
第1章 春。芽生えた恋?
1
俺は上木 蒼空太、どこにでもいる高2だ。
どこにでもいる高2だけあって、ステータスも普通、勉強ではジャスト半分の順位を取ったり運動面では部活のバスケでもベンチでたまに出るくらいだ。
何もかも普通すぎてこの人生に飽きてる。
「春のなのに日差しが強いな…」
そんなどうでもいい事を独り言のように空を見て言っていたら…ドカッ!
「うわ!」
バタン!
「イタタタ…あ、ごめんねよそ見してたから」
相手は女の子同じ制服だ、リボンの色が赤色ってことは同じ2年生かな?ってそんなこと考えてるんじゃなくて…
「あなた…誰?」
その言葉と同時に強い風が吹いた…
ーその時の顔は忘れられない
綺麗な華のような子だったー
2
結局あのままどこかに行っちゃったんだよな
名前くらい聞いとければなー。そら。そら
「おい、そら!」
「イタイ!ってなんだ雄太かよ」
「雄太かよとはなんだよ?」
こいつは雄太中3からのクラスメイト
「そんなことよりそら、今日転校生降臨だと」
「人をゲームみたいに言うな」
「その子美人だとよ?」
「いいし、顔も普通な俺には関係ないし!」
そう、この頃は普通な日々がすぎるのかと思っていた…
「えー、みんな席につけ。転校生を紹介する」
ザワザワ、よくあるパターンだ
「じゃあ、未果さん入ってきて」
ガラガラ
「はい、今日から同じく2ーBの仲間」
あ、この子は朝の…
「何見とれてんのそら?」
「ポカーン」
「(お、これは恋かな?)」
「椎名 未果です。よろしくお願いします」
パチパチパチ
とっても美人だ…
けど僕は…
「はい、じゃあ席は…」
お、これはフラグ!このまま俺の隣に来るパターンかな?
「よし、橘の隣で」
は?よりによって…
なんで真反対?しかも橘なんて学年1のイケメンやないかーい!
「よろしく椎名さん」
「こちらこそ、橘さん」
やめろその微妙な会話変な気しかしない
「そら、もう失恋したの?」
「お前は少し黙っとれ!」
「あ、はーい(致命的だなこれわ)」
「じゃ、授業やるぞー」
えぇ!ーーー
あぁ、やっぱり俺の高校生活は普通だな…
3
4時間目終了ー
結局なんのイベントも無いままお昼
普通は一緒にお昼パターンだけど…
「そら、あ〜ん」
バシン!
「おい!そらそこまで強くやらなくてもいいだろ!」
誰が。あ〜んして喜ぶと思ってるんだよ!
「普通にしろよ!俺みたいにさー」
「お前は普通すぎてつまらん」
あぁ、傷口にタバスコ塗るようなことを!?
「へー椎名ちゃんってピアノやってるんだー」
ん?椎名ちゃん?この声はクラスの女子達かな?
チラッ
あ、またもや真反対でお昼食ってる…
ほんとに悲しすぎだろ俺…
「大丈夫お前には俺がい…」
ドドドドドドカーン!
「待って普通に叩くとは違う落としたんだけど?骨どころじゃないぞ!?」
まったくついてない…やっぱり普通だわ俺…
4
結局何も無いまま下校…
「ま、やっぱり普通だったな俺…」
このまま普通に終わるのかな?俺…
「いや、人生まだまだだろ俺?しっかりしろよ、」
「ねぇねぇ」
また雄太のやつか、そろそろ顔面終わらせないとダメかなこれ?
「今日、いつもよりうざいよ…な…?」
ん??雄太じゃない?
「え…今日来たばかりなのに…グスン」
え、ここでこの展開来ちゃう?普通さ席指定の時だよねぇ?なんで…は!放課後イベントの方だったかチクショ!って
「いや、ごめんごめん、友達と間違えたから」
「そんなことより」
って嘘だろこの子切り替えの早さ尋常じゃないよこれ?
「ん?ど、どうしたの?」
「今日の朝の人あなた?」
普通すぎだろ!もっとさー、ー今日一緒に帰らないー、とかを期待した俺、どんまい
「う、うんそうだけど」
「ターゲット発見、ボソッ」
んん?今普通出ないセリフが飛んだ気がするが…
「ん?どうしたの?」
「なんでもない、それよりあなたは普通?」
待て待て待て待て聞く質問おかしすぎないかな?普通、人にあなた普通なんて聞かないでしょうが!?
「し、質問の意味が少しわからないな…」
もう嫌だ、早く帰らせて
こんな子だとは思わなかったよ…
「ふーん」
だからおかしすぎだろ!
なんでふーんなんだよ!
前に可愛いってさ思った?んなもん知るか!そんな感情芽生えるわけないだろおい?
「俺もう帰っていい…?」
「勝手に」
……もう何も考えられない
「んじゃぁね…」
…なんなんだあの人は宇宙人の一種かな?
「少しでも期待した俺が馬鹿だったなー」
「期待させて悪かったね」
「ほんとそうだよ…っていつからそこに!」
ほんといつからだよおい?
「LINE トーク交換してなかったから」
交換したくないなんて言えない
「あ、いいよ…」
ピコん
「はい終わっ…」
え、交換した時の君の顔はとっても嬉しそうだったなんて…
思いたくない!!