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断罪された社畜令嬢ですが、私の魔導管理がないと国が回りません  作者: 渚月(なづき)


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第一話 空の植木鉢

植木鉢が割れていた。

私が五年かけて育てた薬草の、あの鉢が。


王宮の裏庭に転がるその破片を見つけたのは、断罪の宣告を受けた翌日のことだった。


罪状は「魔導管理局の資材横領」。

身に覚えはない。

けれど弁明の場は与えられなかった。


公爵令嬢セレナが涙ながらに証言し、王太子が静かに頷いた。

それだけで、私の五年間は終わった。


(……五年。)


五年分の調整記録。五年分の巡回報告。五年分の、誰にも褒められなかった仕事。

それがひとつ残らず、「横領の証拠品」として没収された。


足元に散らばる土と根を見つめながら、私の指先はかすかに震えていた。

泣きたいのではない。

怒っているのでもない。

ただ、息が浅い。


私の名はリアナ。

この王宮の魔導管理局で、誰よりも長く働いてきた——元、主任。


踵を返す。

胸の奥で、何かが静かに組み替わる音がした。


前にも——こんなことがあった気がする。

違う場所で。違う名前で。同じように、居場所を奪われた。


あのときは、何もできなかった。


でも今は。


植木鉢は割れた。

けれど、根はまだ生きている。


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