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3 思惑


しかし魔力が無いと判明してもレヴィン様との婚約は継続された。

魔力が無く伯爵家を継げない私との婚約継続はレヴィン様にとても申し訳ないと子供ながらに思い悩みはしたけれど


「大丈夫だよ。僕が傍に居て君を守る。君は何も心配することは無いから」


そう言って励まして下さったレヴィン様の言葉に救われそしてとても安堵した。


両親を亡くし、伯爵家も継げないけれど私には優しいレヴィン様がついていて下さる。この先辛い事が有ってもこの方の思いやりと優しい言葉を支えにしてしっかり前を向いて生きていこうと決心をした。


そしてそんな事が有ってもそれまでと同様に叔父一家との生活は続いた。

変わったのはミアの私に対する態度だけ。何かにつけて敵対視してくるようになった。とはいっても10歳と9歳の年端も行かない娘同士。大人たちが見ていても注意されることは無い。

それにいつも一方的にミアが突っかかって来る。子供心に大人たちがさりげなくミアの見方をしているという事は感じ取っていた。

それでもレヴィン様だけは私の見方になってくださる・・・

その頃はまだそう信じて疑わなかった。


次の年、魔力検査を受けた1歳年下の義妹ミアが次期当主と決まった後も義理の家族から虐げられたり、罵られる事も無い毎日が続いているように思えた。

伯父家族は私に対して関心を持つことも一緒に出掛けるという事も無かったが暫くするとミアと叔父夫妻は頻繁に出かけるようになっていた。出掛ける度にミアは身の回りの物が増えていく。


私はその頃になると成長期を迎えた事もあり小さくなった上に洗い晒されたドレスを着ていた。古くからジーニス伯爵家に仕えていた者達が不憫に思い、家族や知り合いのお下がりを持参して着せてくれるようになったが叔父たちは無関心なのか何も口を出すことは無かった。


ミアが魔力検査を受けた次の年、領地を離れて王都の王立学園に通う事になった。魔力の無いままの将来を考えて勉学に励んだ私は入学試験で優秀な成績を収めて奨学制度を受けられる事になった。


叔父たちは私には無関心で就学や学費の相談をしても軽く受け流されてばかりだった。流石に身内にも頼めない事を婚約者に相談する事は憚られた。それにレヴィン様も学生である。

それを見かねた父の代から仕えてくれている執事が奨学制度がある事を調べて教えてくれたのだ。


王立学園は三年までが中等科、四、五年は高等科で五年生になると16歳で成人を迎える。

奨学生には制服も支給され、寮に入れば食事も寮費も補助される。貸与制の奨学金と併用すれば叔父夫妻に頼らなくても何とかなるだろう。


入学して最初の年は初めて経験する団体生活、おしゃべりできる友達に心躍る学生生活を満喫した。


三学年にレヴィン様が在籍していらっしゃるけれど、私の入学が決まってから間を置かず伯爵家を訪れた彼に


「自分で言うのもなんだけど僕は学園で女の子たちの憧れの的なんだ。婚約者が君だって知れたら嫉妬に狂った学生達に何をされるか分からない。大切な君を守るために僕たちの婚約は秘密にしておいた方が良い。だから学園でも僕に話しかけたりしてはいけないよ」


と念を押されていた事もあり学園で会話一つ交わす事も無く一年が過ぎていった。



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