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AI時代の入口で  作者: みらいつりびと


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6/10

1985年の奇跡

 2025年1月、五十嵐貴久先生の『1985年の奇跡』を読みました。

 はちゃめちゃに面白い高校野球小説です。最高級のエンタメ!


 高校生の心理をこの上なく自然に描いたギャグ、1985年の同性愛という深淵のようなテーマ(当時はいまより偏見が強かったのです)、落ちこぼれ高校球児の躍進……面白すぎて私は居間だけでなく、トイレ、風呂場でも読み耽り、一気に読了しました。

 私は2024年に『世界の敵と愛し合え!』という高校野球小説を書いたのですが、その前に『1985年』を読んでいたら、影響されていたにちがいありません、絶対に。


 さて、話は急に変わりますが、AIの進歩がえげつないですね。

 特に絵画の分野において。

 AIは手を描くのが下手で、指などが不自然だと思っていましたが、そんな欠点はあっという間に克服してしまいました。

 素人でも超絶技巧イラストを生成できる時代が到来しています。


 小説界にもAIが進出してきたようです。

 私はそれを小説投稿サイトのエッセイで知りました。

 AIが書いた小説を集める自主企画があったのですが、そこにある小説は人間のつくった小説と区別がつかなかったらしいです。 

 それを読んでも、特に驚きはありませんでした。

 来るべきものが来たと思っただけです。

 美術、音楽、そして文学。AIはあらゆる創作分野に変革をもたらします。


 とはいえ、人間にもまだまだ見せ場はあります。

 当分の間、AI生成小説は人間の手直しを必要とするでしょう。

 私はAIを使いこなす技術をいまのところ持っていませんが、仮に持っていて、AIを駆使したとしても、『1985年の奇跡』クラスの名作を書くことはできないと思います。

 AI+人間の審美眼やすぐれたセンス=傑作、という時代がしばらくつづくと思います。

 見方が甘いでしょうか。

 AIは異次元の進歩を遂げていますからね……。


 もし平凡なセンスしか持っていない小説素人が、AIを使って簡単に五十嵐貴久先生級の傑作小説を書く時代が来たら、私はキーボードを叩き割って断筆します。

 やってられません。


 初出2025/1/26 改稿2026/2/24

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