S〜Gランクポーション
次には錬金術師が作れるというポーションを作ろう。
私が儲けるだけならSランクポーション一択だけど、S〜Gランクまで全ての等級に需要があるような言い方で薬師ギルドのお姉さんが言っていたので、いつも不足気味との事だった。
ここは、初心者が作ったらS〜Gランクまでいろんな等級が出来ちゃった、で言い訳はいいだろう。
まずはヒールポーション。
名前の通りに傷を治すポーションだ。ランクによって治せる度合いが違うので、探索者はS〜Fランクのポーションを1本ずつ持って壁外に出る事が推奨されている。
実際にはCランク〜Gランクのポーションを持って出かける探索者が多いようだ。お金の関係もあるけど、ポーションの薬効約1年の為に使わないポーションはいらないということだ。
そして、最低でもCランクポーションで応急処置が出来るから壁内に帰ってこれれば、そこで治療すればいいという考え方が蔓延している。高ランクの人達は時間停止の収納庫か収納魔道具を持っているからSランクポーションを持っていても無駄にならないので、当然のように持っているとの噂だ。
でも、聞くところによると、無理をするか不幸な探索者が毎年2人〜10人くらいは亡くなっているようだ。新人さんが圧倒的に多いけれど、高ランクの人が亡くなったら手強い魔物がいる証なので噂になったりする。そうしたら兵士の出動だ。
兵士の個人ランクは平均がCランクらしい。
この基準は探索者やポーションと同じでS〜Gランクまである。大体が引退した探索者が40歳ぐらいで兵士になると言われているが、職業『兵士』の人もいるので、正統派兵士もいる。正統派兵士は領主様に雇われる事が多い。戦い方にも流派があって、探索者は個人で強いけど、正統派兵士は集団で強いと言われている。
だから、強い魔物は連携して倒すんだよね。成功率が高いから採用されているらしい。職業『指揮官』が引率するらしいよ。『指揮官』個人でも戦えるように訓練するらしい。頭が潰されて、兵士が烏合の衆になったら意味がないからね。
私も一度、お父ちゃんとお母ちゃんと一緒に兵士の凱旋を見に行った事がある。
同じ兵装をした人達が格好良くて興奮しちゃったな。汚れていても格好良かったんだよ。子供のヒーローだね。だから兵士は人気の職業だ。収入が安定しているから前世の警察か自衛隊扱いだね。
門番は正規に訓練された兵士と探索者上がりの兵士で半々だと聞いた事がある。
森から魔物の溢れが起きた時に迅速に対応できる探索者上がりの兵士と、伝令が速やかに出来る正規の兵士が必要なんだって。役割分担だね。門番さんは優しい人が多いから好きです。他所の商人や旅人には厳しい顔をするらしいけどね。お母ちゃんが言ってた。
よーし、ヒールポーションはS〜Gランクバラバラに作った。次は病気を治すキュアポーションを作るよ!
キュアポーションは主に街の中で使われたり、近隣の街町や村に出荷されるので、いつも品薄だ。
これは領主命令で、領主はインジード領全体の安全を守らないといけないし、各地にある村を保護しないとすぐに食糧難が起きてしまうからだ。
領都にいる私たちが安く野菜を買えるのは村のおかげだから、滅多に村人達を馬鹿にする人はいない。少数の人は馬鹿にしているけどね。
朝市とかでお母ちゃんと買い物に行くと、街の人とは服装が違う人が大勢いる。この人達が村人だ。領都に食糧を運んでくれる。
街に野菜を持って来れば、当然のように爆売れするので、村人=貧乏とはならない。下手したら街より大きい家に住んでいる人もいるようだから儲かるんだろうな。
そして、当然のように職業『村人』の人がいる。やっぱり村出身の人が多い。小さい頃から畑に囲まれた仕事をしているからね。
職業『村人』にも向いている素質がある。ある程度の自主性がないといけないし、生活魔法を使えないと不便だ。だから『緑の手』と『勤勉』と『魔法の才能』がある人がなれる。村人だからって馬鹿にしちゃいけないよ。誰にでも【才能】があるんだ。
そして村人は凄いんだ。ある程度の戦える力を持っている人が多い。簡易柵で村を守っているから狩人としての面もある。探索者に負けない体格の人もいる。
村人じゃなくても結婚とかで村に住む人もいるし、逆に村人出身だけど『先生』とかの職業を持つ人もいる。薬師の一割ぐらいは村出身の人がいるくらい自然は身近で、小遣い稼ぎの合間に薬草の種類を覚えたりする。街で売れるからね。それか行商人が買い取る。
行商人や荷運びの商人は探索者ギルドに依頼を出して警護してもらい、外の世界を旅する。
もちろん専属護衛を持っている人や毎回同じパーティーに指名依頼をする人もいる。
これは私が子神にオタク趣味を話している時に「面白い!」ってな事で教会に神託してしまった。「心の赴くままに自由に世界を旅せよ」と。
その子神は【冒険神】となってしまった。旅神でも良かったんじゃなかろうか?そんなに冒険が好きだっただろうか?ごっこ遊びはよくしていたけれど。
そして、探索者や旅人に信仰されている。結構人気なんだな。
あ、神は意外と簡単に神託できます。
くだらない神託をしたら母神と父神に怒られるし、訂正せよと言われたりするけど。
子神は誰も母神と父神に敵わないから従順です。
キュアポーションもS〜Gランクまで出来た!
次は『状態異常回復ポーション』を作ろう!
状態異常回復ポーションは主に『錯乱』『石化』『毒』『心神喪失』に効果がある。本当はもっといろんな場面で活躍するんだけど、人類の発展に期待って事で。これもS〜Gランクまである。鑑定待ちの人に見てもらってから処方するのが普通だ。
魔物の目を見ただけで石化するのは理不尽だと思ったから石化ブレスを吐く魔物を創ったよ。避ければ倒せる。
錯乱は、恐慌状態に陥った人や興奮した人を落ち着けさせる沈静化が出来る。
毒は、ランクの高い状態異常回復ポーションじゃないと全回復はしない。軽い毒症状ならランクが低くてもいい。食中毒ならBかCだね。
寄生虫は怖いから世界を創るときに創造しなかった。だから美味しい魚が生で食べれるよ!
心神喪失状態は心疾患を治せる。でも、心の病だから原因を無くさないとまた心神喪失状態になる再発率の高い病だ。
むふー、これも良し!
ほっほっほっ。創造は簡単だね!
あとは、体力回復ポーションかな?これもランクがありますよ。
この世界の規格で商業ギルドや探索者ギルド、薬師ギルドや鍛治師ギルドにもS〜Gランク制が導入されている。実はランク外もある。
その他にも、伝説級、神聖級などがある。
まぁ、この辺はダンジョンで出るから国宝にでもなってるんじゃなかな?世界を壊す物は作ってませんよ。せいぜいがドラゴンを倒す時に使うくらい。ドラゴンの鱗がかったいの!普通の剣ならポッキリと使い物にならないね。
怖い伝説級の魔物は縄張りを侵さない限りは人の世界に出てこないようにしているから大丈夫だと思うけど、それに繁殖力も増えすぎないように調節したし、大繁殖しちゃったら縄張りを広げるかもしれないけど、秘境だからね。大丈夫だと思いたい。偶に監視してたけど。今は知らない。
でーきた!
魔力回復ポーションも作ろうかな。
魔力回復ポーションは、
G→魔力を約10回復させる。
F→魔力を約50回復させる。
E→魔力を約100回復させる。
D→魔力を約200回復させる。
C→魔力を約300回復させる。
B→魔力を約500回復させる。
A→魔力を約1000回復させる。
S→魔力を約10000回復させる。
Sは確か超値段が高かったはず。多分。そのはず。
領都にいるうちは大魔法師様はいないだろうからAまで作ればいいか。Aは確かものすごく需要があったはずだからね。記憶違いじゃ無い限りね。
魔法使いは、とにかく「C何本も持っとけ」と言われるそうだ。
ふっふっふっ。実はお父ちゃんは探索者だったのだー!原因不明の病になっちゃったけどね。身体が徐々に動かなくなって最期は心不全で死んじゃったの。
今の私なら治せるのに、悔しい……。




