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製薬 職業とは エリクサーとアムリタ

 昨日も夕食をおばちゃんちでご馳走になった。

 メロンを切ってくれたのだけど、あまりの美味しさにおばちゃんが「種の部分は食べられないのかい?」と聞いてきたので、どこかでチラリと活用出来るとは聞いたことがあるけれど、私は知らないので「食べられない」と答えた。


 昨日、リーバ家のみんながあまりにも蕩けそうな顔でメロンを食べていたので、今日の朝はオレンジの果肉の超熟メロンの差し入れを持って行ったら、とても喜ばれた。おばちゃんは感情に結構素直だ。遠慮して貰われるんじゃなくて、素直に喜ばれると私まで嬉しくなってしまう。


 朝食を食べ終わって、おばちゃんの家から私達の家に帰って来ると、お掃除スライムがコロコロしていたので、スライムを持って食料保存しているキッチン横の棚に向かった。


 あ、お掃除スライムは一家に一匹はいるスライムだ。スライムは森のお掃除屋さんで、トイレにもお風呂場の排水溝やキッチンの排水溝にもいる。基本的には人に無害だが、小さい子供のいるお宅だと顔に張り付いたりしたら窒息死の原因になるので注意が必要だが、放っておいてもコロコロと移動して部屋の中のゴミを食べてくれるのでお掃除をしなくて済んで重宝している。お世話は1日1回水をあげるだけで働いてくれるので人々にはなくてはならないスライムだ。


 そしてスライムはどんなものでも食べてくれるので、食品保存棚の腐ってしまった野菜を食べさせる。

 スライムは食べ物を食べれて満足するし、私は腐った物を処分できてお互いにいい関係をきづけている。


 私は寝室の床にミーアが転んでもいいようにほどほどに柔らかい敷物を創造する。素足で歩けるスペースをつくると、積み木などのおもちゃを置いて、ミーアの靴を脱がせて自由にさせて、部屋から出ないように扉を閉める。

 スライムはリビングのお掃除をしているので、放っておいて、私は2階の自分の部屋に向かい入り口の扉をしっかりと閉めてから浄化で部屋を無菌状態にして、作業机と椅子を創造して、薬草の処理に取り掛かる。


 昨日、いっぱい収穫してきたので、薬草に浄化を掛けて綺麗にしてから乾燥させて粉砕して、他の薬草と混ぜて生で使う薬草も粉砕して丁寧に混ぜる。ここで聖属性の魔力を注いで、混ぜた薬効のある薬草達を馴染ませて一つずつ創造した計量機に分量をはかって丸めてから固まるまでの間に少し放置する。これは風邪を治す丸薬になる。


 手に浄化をかけてから次の製薬に取り掛かる。作り方は大体同じだが、薬草の種類と分量が違うと別の薬効のある薬になるので私には簡単だ。

 注意すべきは違う種類の薬を続けて作るときに手や道具を綺麗にしなければならない事だ。別の薬効のある薬を混ぜると成分が変質する時があり、清潔には心がけねばならない。


 基本的に薬を作る時は『アルネ草』ベースに使う事が多い。

 アルネ草は薬同士を結合させる役割がある。

 名前の由来は「何処にでもあるね」でアルネ草だ。覚えやすいでしょ?探索者が食いっぱぐれないように常時採取依頼があるくらいに薬作りに欠かせない薬草だ。


 採取を雑にすれば薬効は落ちるし、同じ薬草でも育った環境が違えばSランクの薬草からGランクの最低の薬草までいろいろある。

 だから薬師の絶対条件に『鑑定』を待っている者を私が設定した。粗悪な薬を作られて私の世界の人々の身体に害のある物を摂取されたくなかった。

 もう2つの条件は『誠実』『薬師を目指す気持ち』を設定しちゃったら、薬師に適正のある者がガクンと減っちゃったんだよね。これは誤算だったけど絶対に外せない条件だ。

 なので『薬師は食うに困らない』職業として人気だが、条件が厳しいので適正者は少ない。適正があっても薬師の職業を選ばない人もいるからね。


 黙々と、別の薬が混ざらないように栄養薬や傷薬や浄化薬を作っていく。森の奥の珍しい薬草がいる毒中和薬などは作れないけれど、草原で収穫出来る薬草は普通の病気や怪我などを治す薬が作れる。


 これは私が神として人種減少を抑える為に、あまり難しい場所での薬草採取を設定しなかった為である。


 勿論、伝説級の薬『エリクサー』や神聖級の『アムリタ』を作れる難易度は高く設定しているが、王宮お抱えの薬師や錬金術師には作れるようになっている。

 要は難しい材料を手に入れれる環境と、作る者の深い知識と腕があれば作れる。

 才能が無いと作れたとしても劣化エリクサーとかになるけど、エリクサーはエリクサーだ。特級エリクサーが作れたら凄いんじゃないかな?

 アムリタは、神聖級で【死者蘇生】が出来るからものっ凄く超天才かヨボヨボのお爺ちゃんかお婆ちゃんになるまで鍛錬した人しか製作に成功しない。


 たまに、聖魔法に凄い適正のある者・突然変異者が生まれ、聖人・聖女として教会に認定され、治癒師として活躍する者もいる。大体は教会のお抱えになって、治療の順番待ちが長い事で知られている。当然治療費は高いし、予約はいっぱいでも難病を治せるし、欠損部位を再生出来るので大人気だ。

 これは私(創造神)も予想外だった。人類の神秘だ。まあ、良いことだから放置してる。

 普通の治癒師もいるけどね。

 普通の治癒師は経験値を増やして、コツコツと魔力と治療のコツを習得していく。まあ、ファンタジー医者だね。元の世界と同じで金持ちが多い。

 治癒師の条件は『鑑定』と『誠実さ』と『頭の良さ』と『適正のある魔力の持ち主』だ。薬師よりも条件が厳しい。

 でも、大体町に1人はいる。街や領都などはもっといるので、珍しい職業だけどお目にはかかれる。


 教会が職業の研究をしているけれど、私の職業選択設定に辿り着くにはまだまだ時間がかかるだろう。

 教会としては聖人、聖女や珍しい職業の人を増やしたい目論見がある。

 珍しい職業は『探究者』とか『精密鑑定』とか『軍師』とかが挙げられるかな?研究職や王宮や教会に引っ張りだこだ。


 親からの遺伝は多少の影響がある。

 子供が小さい頃から親の仕事を見て育つだけで、その職業が生えやすいのは知られている。まったく興味がないと生えないけどね。


 たまに貴族なんかが、◯◯職業を持っている人を当主とする。

 なんて決まり事があって「◯◯の職業を選択するんだぞ」とか職業を授与される子供に言い聞かせているけれど、その子供の適正しか無いから、必ずしも受け継がれるものじゃないのに、適正がなかったら家から放逐する人がいる。

 その場合は大体は孤児院が子供を引き取って育てる。これが普通の国があるから私としては差別を無くしたいけど、放逐する家から出られて身分に縛られずに自由に生きていく子もいるから難しい所だ。


 【職業差別をしてをならぬ】と神託はしてあるんだけども。

 あ、犯罪者は別ね?悪い事をしたら償わなければならないのです。

 そして、過失で殺人をしてしまった人とかには恩赦がある。遺族に賠償金を支払わなければいけないけれど、助かる。

 賠償金が払えなければ、自分を売ったお金で借金奴隷になる選択肢がある。この場合には教会で職業『借金奴隷』にしてもらえるので、基本的には意に沿わぬ奴隷はいない事になっている。

 違法奴隷は当然のようにいるけれど、奴隷を鑑定する物好きがいないので発覚する確率が低い。天界で管理している時にも困ったものだ。奴隷にさせれている本人に『一般人』としての知識がないから自分から逃げられない。知識がある人は教会か兵士に助けを求めれば保護してもらえるけど、勉強させてもらえない違法奴隷はただただ搾取させるだけだ。


 あ、ちなみにお母ちゃんを殺した馬車の御者は賠償金を私とミーアに払う義務がある。役場が代理をしてくれて、一月以内に支払われる事になる。お母ちゃんの場合は御者の『過失』なので強制的に奴隷にはならない。不幸な事故だったと教えてもらった。お母ちゃん以外にも巻き込まれた人がいるらしいから、御者は多分、借金奴隷になるだろうと思う。


 一般職に多いのが『狩人』とか『魔法使い』だ。かなりの人がこれだ。次に多いのが専門職だね。


 おっと、ミーアに水分補給に行かないと。

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