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転生少女の地図埋め道中  作者: 椿妃
1章 エルフの里
2/3

#2


あれから日々を過ごして分かったことがいくつかある。


因みに、認めたくないが、赤ん坊になっているの確実のようである。なんかやだな…。ていうか、赤ん坊になっているということは流行りの転生というやつなのだろうか。それとも憑依?まあ何れにせよ自分が死んだか寝たきりなのは確実だろう。母さんと父さん、数少ない友達(?)は心配してくれただろうか。いや、親には期待するだけ無駄だろう。


まず1つ、ここは日本じゃないということ。未だ目は見えないし開けられないけど聞こえてくる言語が日本語じゃない。でもよく聞こえる単語があるからそれが名前かな?と思うことはある。何度も聞いた単語はディア、ペーイン、マギア、セリア、ノッテ。この5つ。意味はわからない。最後の音“ア”なの多いな。一番気になるのはセリア。百均…。

2つ、自分はクッションか何かに寝かされているということ。背中の感触がポヨンポヨンしてる。頑張って寝返りを打とうとしてもうまく体を動かせないので、あくまで背中の感触から導き出だしただけだが。

3つ、自分は何人かにお世話されているということ。正直羞恥心は死なざるをえなかった。だって股が勝手に濡れていって不快感が襲ってくるんだよ?お漏らしだよね。初めてのときは焦って大泣きして人を呼んでしまって羞恥でさらに大泣きしたのは今じゃ遠い昔のことだ。いうてそんなに経ってないけど。

でも俺が昔と言ったら昔!遠い昔のことなんだ!そういうことにしといてくれ!

我慢しようにも、そもそもタイミングが掴めない。いつの間にか濡れてる。それを幾度か繰り返して悟ったのだ。考えるだけ無駄なのだと。赤ん坊の頃だけだから大丈夫。その時だけ耐えれば、羞恥を捨てれば、見ないようにすれば、現実を直視しなければ、大丈夫。.....なハズ。

4つ、この世界にはスキルや魔力が在るということ。まるでゲームのようだと俺が思ってしまったのも仕方がないと思う。なんで周りの言語もわからないのにスキルが在ることが分かったのかというと、なんか聞こえたから、としか言いようがない。

どういうことかというと、まず前提として俺の中に熱のような水のようなものがあった。俺は自分が病気かなんかなのかと思ってそれをしまい込もうとした。それを必死に押し込めていると時、不思議な声が響いたのだ。耳から聞こえた感じはしなかったし、周りにいた人(俺は赤ん坊だからか、常に周りに人がいた)が慌てたりしていないことからもそれは分かった。その声は頭に響いたとしか考えられなかった。その声は、私にとって意味不明な言語を喋った。でも、不思議と意味がわかったのだ。


”スキル『魔力操作』を獲得しました”


このことから、その直前にいじっていた熱のようなものが魔力だということとスキルが在るということが分かった。

俺は興奮した。魔力がある!魔法とか撃てるのかな。冒険に行けるのかな。波乱万丈は嫌だけど自由に生きられるかな。

その日、俺は興奮しまくって、その後意識を失った。翌日、俺は知恵熱を出していた。周りの人には悪いと思った。めちゃくちゃ慌ててたから....。なんか、すまん。

その日から俺は魔力を押し込んだり体に巡らせてみたりした。これがなかなか難しい。押し込むのはなんとなくできても、巡らそうとしても動かないのだ。因みにスキルを獲得してから押し込みやすくなった気はする。お気持ち楽になったかな?って程度だけど。

まあ、そんなに集中力が続くわけもなく、途中途中で周りの人の声を聞いたり、寝たり、食べさせてもらったり。まあ、赤ん坊だからなのか、すぐに眠気がやってくる。だから全然進まないけど。でも今まで声を聞いて言語を覚えるくらいしかやることがなかったからつまらなかったのだ。


あれから体感数日。目が開けるようになった。まだ薄っすらとしか開けられないし、ぼんやりとしか見えないし、ちょっとの時間しか開けられないけど、視界があるってだけでありがたい。でも眩しいのとぼんやりしてて周りがよく見えない。


更に数日。やっと眩しさに慣れてきた。


ん?んんん????

耳がとんがってる...!


どうやら、私が生きているこの世界は未知に溢れているようです。

じゃなきゃ周り皆耳とんがってて少女ばっかなのはおかしいって。説明つかないって。小説とかから考えるとあれだな、エルフ!この世界の言葉ではなんていうのかわからないけど。


あれから起きては周りを観察し、寝返りをうつ練習をし、魔力を押し込む。口に運ばれる何か(食感はスープなんだけど味は卵お粥みたいな味なんだよね)を飲み込み、寝る。これの繰り返しである。

もうちょっとで寝返りはうてそうなのだ。

周りはエルフしかいなかった。エルフっていうと、こう、胸がどーーん!って感じで超絶美人ってイメージがあるんだよね。あと若々しいとか。でも皆人間でいう17歳くらいの見た目してるのに胸は見た感じない、というか、お気持ちあります的な。美人なのはそう。めっちゃ美人。お美しいです。眼福。んで、気づいた。周りがエルフしかいないってことは自分もエルフなのでは...?つまり自分も美人!?前はそんなぱっとした見た目じゃなかったし人間不信でもあったから前髪伸ばして周りや会話から避けてたけど、今はきれいになれるのかな。少しわくわくした。あ、でも美人になって注目されるのは避けたいかな。できれば目立たないけどよく見たら美人、くらいがいいです、神様。神様いるのかしらんけど。ていうかすでに生まれてる時点で容姿決まってるはずだから今更祈っても手遅れな気がするけど。急に顔が変わって大騒ぎされるのも嫌だし。てかそれ同一人物と判断されるか?

陽キャと周囲の視線で殺されるのが陰キャの性というものなので。陰キャ皆そんなもん。(※個人の偏見)


そして俺は気づいてしまった。俺を世話している人の中に男がいないということに...!

まあここは子育て中なんだから男がいなくても不思議ではない...と思う。もしくは俺が寝てるときにいるとか?だとしたら俺、間が悪いな。でもそれはなんともできないので保留。


あ〜、早く成長したいな〜。


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