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転生したら蝉でした  作者: セミ太郎
序章
3/11

進化する蝉

「みーん、みーん」


【観察、そこに1頭の子牛を見つめる不気味で巨大な蝉がいた、実際には本人の中ではうーん、うーんと唸っているが蝉なので、そんな風に発声してしまっている】


【場所はエルフの里でも郊外というか中心部から離れた場所にある牧場だ。因みに、この時間は牛以外誰もいない事は私、世界樹の知恵が確認済みだ】


【蝉は、かれこれ1時間ほど牛を観ていたが】


「いやあ、むりだろ」


そう独り言を言った俺だが、考えてみたらさ


いきなり飛びついて血を吸うとかさって事よ


何が無理って現代日本で特に畜産関係


の学校に行ってた訳でもなく


それ系の仕事をしてたわけでもないのだ


そんな元人間がいきなり牛に襲いかかり


嫌がる牛の生き血を吸うとかさ‥


昔、俺の友達が、養鶏関係の仕事に転職


したが初日の午前中で気分が悪くなり早退して


やめたそうだ。


それに


ネットで牛を殺す動画の切り抜きを観たことがある


でも、甘える様な許しを請うような姿を


見て、気がついたら


途中でバックボタンを押していた


切り抜きでだぜ?


そんな俺に泣き叫ぶ牛から無理やり血を


吸うとかさ無理ゲーだよ


別に完全究極生命体になる事が目的じゃないし無理に牛の血を吸う必要ある?


ちょっと聞いてみよう!オーケー世界樹


牛のスキルなにがあるの?ひつじは?


【回答、モンスターでも何でもない普通の家畜の牛や羊にそんなスキルあるはずもありません】


そうか、じゃあ無理に吸わなくてもいいかな?


【回答、ただし、このままでは貴方は2週間で死にます】


え?まじで?


【回答、はいまじです!なぜなら蝉なので】


じゃあ、俺は、あの牛の生き血を吸うしかないのか


見た目、可愛い子牛だ‥とてもじゃないが


【回答、別に生き血でなくとも構いません】


え?そうなの?


【回答、はい、貴方のスキル「吸着」は相手の体液を吸収とありますので、血ではなくとも牛乳でも構いません】


え?牛乳って体液なの?


【回答、牛の乳は元は血液を材料にして体内で作られます体液と考えて下さい】


なるほど、それならば


俺は牛小屋の方を見た


よく牧場に置いてある


牛乳瓶を超デカくした様な入れ物を見る


蓋を開けたいが、蝉の手だと指がないので開けるのは難しそうだ


なんか、ごめん


その内に人間に近い姿になったら


金を稼いで代金は払いに来るから


そう心の中で謝りながら


木製のデカい牛乳瓶の様な容器に


ドスッ


極太のバット並なな大きさの口のストローを刺す


ゴクゴクッ


うん、久しぶりに飲む牛乳は美味い!


いや、これは日本で飲んでいたスーパーの牛乳より遥かに美味しいぞ!


濃厚でコクがあって、なんだかクリーミーで


【回答、ほぼ同じ意味です】


五月蝿い!


俺のボキャブラリーじゃこんな物だよ!


まあ、それはさておき


牛乳を一缶開けてしまった


身体がデカいからか意外に飲めたな


それでは早速‥


俺は完全に牛の姿になった!


みんなの知っているよくいる牝牛だ


しかし、この姿では、ただの牛


巨大な蝉よりは強いかも知れないが


元々、前世で、おっさんだった俺は


おっぱいがあるのも何だか嫌だった


牛のメスにTSとか需要ないだろ?


そんな訳で、頭と胴体は蝉


足は4足歩行の牛、そして更に頭からは


角を生やした!


これで飛行能力はそのままに


地上を走る走力と武器である角を手に入れたのだった。


【思考、私はこの時、蝉の身体に牛の角と足を生やしたモンスターが聖域に誕生してしまったのを目撃した】



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