第4話 駅のホームで
「ようやく終わったぁ………」
塾が終わり、建物の外に出て伸びをしながら呟いた。
その時ちょうど目の前にある駅に電車が到着したのが見えた。いつもはその電車に余裕を持って乗っているのだが、今日は授業が終わるのが遅くなってしまったのだ。
「ヤバいヤバい! 乗り遅れる!」
駆け足で駅のホームまで向かったが、遅かった。電車が出発し始めた瞬間に到着してしまったのだ。
「クッソがぁぁぁ! 終わった………見たかったテレビ番組始まるじゃん! 予約しとけばよかったぁ………」
塾に行く前に時間までに間に合うだろうと、録画していなかった自分を呪った。
その時、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「陽翔………? どうしてこんなところに………?」
後ろを振り向くと底にはとても驚いたような表情をした雛瀬が立っていた。
「え!? 雛瀬? なんでココにいるんだ?」
「………私は塾の帰りなの。その………陽翔は?」
雛瀬も塾に行っていた事に少し驚きながら答えた。
「オレも塾の帰りだけど授業終わるの遅くて電車逃したの」
「………そうなんだ」
「帰り一人で暇だったし、これから一緒に帰るか? オレ一人嫌なんだよな………」
「えぇ⁉ 私と一緒に⁉ かっ………帰るの………?」
一緒に帰ろうかと提案すると、雛瀬はとても嬉しそうに頬を真っ赤に染めてこちらを見つめながら焦ったように言った。
「うぅ………はぁ〜………ふぅ………」
なんか雛瀬の挙動が変になった。オレと帰るのはやはり嫌だったのだろう。
「あぁ、嫌なら別にいいんだけどね? どうせ家に帰るまでの数十分だから―――」
「ち………違うの! 帰りたいよ! 陽翔と帰りたいっ!」
そう言い終わると、はっとしたような表情になり、恥ずかしそうに視線をそらした。
「どうした………?」
「………」
………オレ何かマズいこと言ったか!?
何か悪いことを言ったなら謝ろうと、考えた時ちょうど電車がやってきた。
「………雛瀬? 電車来たよ………」
「………うん。………すぅ〜………ふぅ………」
目の前に電車が止まり、扉が空いた。
雛瀬の息が荒いので、少し心配しながら電車に乗りこんだ。




