ロード中でもしゃべりましょう
(一方、ゲーム実況の世界では)
『データロード中です、お待ちください。』
「ロード中に今回オトセンが主に動かしていくキャラをご紹介します。それは、ルシーズです!」
【今回の犠牲者の夢クラッシャー】 ルシーズ・ラグリーン
「ルシーズ君について説明すると…主人公との関係は主人と守護騎士なんですよね。若くて…何だろうな…1学年に1人はいるタイプの真面目な学級委員長かな?上品で頼れる存在だけど強く主張しないいわば縁の下の力持ちみたいな!」
まあ、学園ものじゃないんだけど。
「ルシーズ君を選んだ理由だけど、もうこれは単純です!最初からほぼ最後まで出るキャラだからです。もう何ならルシーズ君は背景の一部です!だけど他のキャラとの恋愛で存在が薄れかけた頃にルシーズ君は護衛としての台詞を与えられる事で再びプレイヤーの記憶に植え付けられます。」
俺が言える立場じゃないけど、あのメンバーの中では地味メンだもんな。
「あともう一つ言っておくと、ルシーズ君はいわゆる正規キャラじゃなくて隠しキャラなんですよ。普通、乙女ゲーって最初から用意されている正規ルートのキャラがいるわけじゃないですか。このゲームの場合は正規キャラが3キャラいて、そいつらのストーリーを全部クリアするとクリア特典として4キャラ解放されるんですよ。ルシーズ君はその特典解放されるキャラの1人です。」
「他の3キャラはフラグ立てられれば大体あとは簡単に攻略できますけど、ルシーズ君は最初から最後までなかなかフラグが立ってくれないのでめちゃくちゃ苦労します。」
フラグの立ちにくさ・隠しキャラという要素は、犠牲となる乙女ゲー厨が初心者だと絶対に手を出せないため、動画の面白みやエンタメ性に欠けるので普段なら俺が乗っとる候補としては避けるんだけど、この場合は問題無い。
放っていても勝手に出てくる優秀なキャラだからだ。
「1番最後に攻略すべきラスボスのルシーズ君ですが、毎度の事ながら皆さんに親しんでもらいたいという事で歴代のチートプレイ犠牲キャラと同様、ニックネームをつけます!」
キャラに自分だけの愛称を付けるのは俺のゲームスタイルだ。特にルシーズみたいに言いにくい名前とかやたら長い名前のキャラにおける対策となる。
それに、マスターデータの中からコピーされてダウンロード・配布されるデータの1つに俺はチートをかけているので、その犠牲者となる乙女ゲープレイヤーのデータに入っているキャラと他のプレイヤーのデータの同じキャラは違う。
このルシーズだってそうだ。
「『おシズ』か『シズ』!」
おばあちゃんかww
「え~、ルシーズって名前の後ろをとってつけただけなんですけど、個人的にこの名前を気に入っているのは、おシズさんがw控えめな性格で、騎士関連の職業的な事を除いて奥ゆかしい大和なでしこに見える事が度々あるからですww」
男こそこのシズを攻略すべきだなww
「で、このおシズさんなんですけど、もちろん終焉プロが生み出したゲームの攻略キャラなんでストーリー、めちゃくちゃヤバイです!おシズさんのバッドエンドはマジで厨二が寄って来る!」
「というのは、終焉プロが提案する終焉シナリオ『終焉の朝』だからです。何か、終焉の担当の人が言ってたんですけど、本当は終焉プロってRPG好きで集まって作った会社らしくて、『世界の終わりを愛で閉じよう』っていうコンセプトの下で今まであの人間が作ったとは思えないようなwwおっそろしい作品を生み出してきたわけなんですよ。
そして、今回の『約束の逆ハーレム』でそのコンセプトを遵守しているために生み出されたシナリオがシズルートのバッドエンド『綺麗な皇女様』、通称『終焉の朝』なんですって。」
つまりおシズはある意味でこのゲームの顔って事だ。
「え~、なので、シズのバッドエンドに持ち込むと、世界が終わりますww
厳密に言うと、皇女と自分を残してシズが一夜にして世界中の人類を虐殺します。もちろん、それがシズの皇女への愛ゆえの行動です。ねっ、ヤバイでしょ?」
そんな危ない奴を傍に置いておく皇女もヤバイけどさ。
「シズ含め他の攻略キャラは忠誠心と愛ゆえにヤっちゃうんですけど、もしも主人公の気持ちが読めたら忠誠心だの愛だの一瞬にして冷めるんじゃないかと思うんで、俺が世界を救いますww」
そんな素敵な企画です!
「既知な未知との遭遇」でノアが過ごしている時間中、救世主(?)オトセンがしゃべってつなぎます。