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第63話 魔王VSアンラ・マンユ 前編

4戦終わって、魔王はほぼ無傷……

4戦目はアホな展開だったが、それ以外はまずまずの相手を用意したつもりだった。

番狂わせは3戦目、まさか時空を超越するとは思わなかったな。

扱うのは、ゼウスの能力”雷霆”。

神の能力としては最高峰なのだが……

使っている魔王は半神。半神でありながら、この強さは一体……


アンラ・マンユの興味は尽きない。


「グルナ様!」


控え室に戻ると、皆が駆け寄ってきた。

後、一勝すれば終わるのだ。


「アリス。周辺国から軍の通過許可を取るんだ。

ミダス、歩兵部隊と狙撃部隊を展開させ待機しろ。国に近付けるな。

航空支援はカラに要請してある。

リリア。住民を可能な限り、城の近くに避難させてくれ。

ディーテ。すまないが、城の防御をセレネに指示してくれ」

「グルナ、もう部隊は展開してるぞ。

俺が邪神だったら、約束は守らないからな」

「旦那様、軍の通過は事前に通達してるから大丈夫。住民の避難もリリアが朝のうちに指示してくれてる」

「グルナ!心配するな!もうセレネは結界張ってるぞ!」


みんな、流石だ。


「グルナ、心配するな。

この場は、俺達が死守する」


そう、此処には地上世界の魔王数名に、国の優秀な戦士達。

そして、巨神族と竜神族も居るのだ。

何の心配も無い。


「最終死合を行います!

両者、闘技場へお越しください!!」


「行ってくる!」

「「勝って来い!!」」


……………………………………



闘技場中央には、既にアンラ・マンユが待っていた。

腕を組み、俺を待つ表情は、落ち着きつつも……これから美女と一夜を共にする初心な少年の様な、そんな心の高鳴りが同居している様に見える。


「待たせたな」

「気にするな。私は、今から始まる時間が楽しみで仕方無い。

その時間を過ごすためなら、何時間でも待てるというものだ」


背は180cm前後、体重は75kg程だろうか……

やや痩せ気味の大人しめな優男。

しかし、感じる威圧感は只事では無い。


「此方の損害は計り知れない。

配下を4名も失ったのだ、その分楽しませてくれよ?」

「この死合。

もう止めてくれと言うまで楽しませてやるよ」


此処で負ければ、とんでもない代償を支払う事になるのだ。

闘神化の能力を最大限に解放し、備える。

出し惜しむ余裕など有る筈もないのだ。


「お前とは気が合いそうだ。

ファイトスタイルも似ている……

こんな気分は久しく無かったからね……

お礼に本気を魅せてあげるよ」


そう言うと、アンラ・マンユの身体は次第に肥大し始めた。


……肥満?


否、デブでは無い。

筋繊維1本1本は、とてつもない張力を持ったワイヤーの様に強靭。

その常軌を逸した筋繊維を高密度に束ね創り上げられた肉体は、まさにダイヤモンド。



始めッッ!!



遂に始まってしまった……

最高悪神アンラ・マンユVS最高神ゼウスの化身 魔王グルナ


究極の悪意VS究極の殺意


闘技場の床が陥没する程の踏み込みで、奇しくも同時に動いた両者。

ぶつかり合う拳に秘められた破壊力は想像を絶した。

計測不能。測れるレベルではない。


弾かれる様に吹き飛ぶ2人の足の裏は、闘技場の床を掴むも、止まる事は出来ない。

その運動エネルギーを受け止める事は出来ずに、床は数十mに渡って捲れた。


「嬉しいぞ!異世界の魔王よッ!!」


アンラ・マンユは狂喜した。

何という好敵手。

ぶつかり合った拳に伝わる、心地よい痺れ……


”まだ死んでくれるな!もっと楽しませろッ!”


魂が叫んでいた。


トールの鉄槌よりも重く、オーディンの槍より鋭い打撃。

これ程の相手と相見える事など、2度と無いかも知れないのだ。


魔王も歓喜していた。

流石だ……壊そうと思っても壊せなかった存在は、巨神族以来ではなかろうか。

巨神族との戦いが終わった後も、積み上げ続けた。

吸収し、磨き上げ、更なる高みへ昇華させた能力。そして、手に入れた最強の装備。

今宵、己の持つ全てを使える相手が、自ら現れてくれるとは。


「生涯最後の相手が俺である事を喜べ!!」


拳と拳が触れ合った瞬間、直感した。

コイツ(アンラ・マンユ)は俺に恋してる”


「滅茶苦茶に、ぶっ壊して天国に送ってやるよ!!」


闘神化は、己の四肢にイメージした効果を発生させる。

アンラ・マンユの期待に応えるべく、闘神化が用意(ギフト)したのは、物理法則を無視した数百tにも及ぶ錘を装填(セット)するイメージ。


腹筋を貫く剛拳に……

比肩するものなど思いつきもしない重さに……

アンラ・マンユは酔いしれていた。


カッコよく見せたい、いい所を見せたいと、異性の前で張り切るケツの青い男の子の様に。

本来の目的も忘れ、2人は戦いに没頭していく。


「楽しんでやがる……」


苛つきと嫉妬が混ざった言葉を、吐き捨てる様に呟くオルフェ。


弟であるグルナを、少しだけ遠くに感じてしまったのかも知れない。


「皆様、結界が持たないかも知れません!

お気をつけください!!」

「ヘビ、心配するな。私の結界は丈夫だ」

(旦那様!頑張って!!)


「魔王よ!ウォーミングアップは終わりにしようぞ!!」


ウォーミングアップと言い放ったアンラ・マンユ。

直後、怒涛の攻撃を繰り出し始めるのであった。




本気のアンラ・マンユ。遂に牙を剥く:( ;˙꒳˙;):

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