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第57話 終末戦争のお知らせ

日々成長していく子供達。


「パ…パパ♪ママ♪」


もうダメだ……可愛すぎる……

アリスもリリアもキュン死している。


因みに、鑑定眼で見てみると……

オリオン(俺×アリス)は竜神族

クロエ(俺×リリア)は魔神族

ラクレス(俺×ディーテ)は神族

となっていた。


みんな、将来楽しみだ。

アリス曰く、オリオンはドラゴンの姿には成れないだろうと言っていたが、そんな事はどうでもよかった。

俺はバカ親なのだ。特殊な能力の有無等気になるはずがない。


「か…可愛いですのん!//」


アザゼルも休みの日はベッタリだ。

もう少し大きくなった時に着せたい服を、時間があれば作ってくれている。

地上世界と魔界を行き来する姿は、とても微笑ましい。

そんな日々を過ごしていた訳だが、ある日、巨大なエンジェル ラダーが現れ、魔界に天空の神々がやって来た。


ゼウスにハデス、ポセイドンも居る……

錚々たる面子だ。


「ちーっす!管轄外に来てやったぞ!」

「どうしたんだよ、神界から降りて来るのは初めてだな」

「実はさ、これが神界に届いたんだ」


”派遣している支配者を期日迄に、魔界より退去させるよう命じる。

退去させない場合は、強制排除を行う。


邪神”


「……邪神って?」

「あー、魔界の創造主だ。偉そうに命じてんじゃねぇよって感じだろ?」

「そうじゃなくて……無視したらどうなるの?」

「邪神達が攻めて来るんじゃないか?でも大丈夫!勝てばいいんだよ!」

「負けたらどうなるの?」

「全部消されるんじゃないか?1からスタートになると思う!魔界が創られる処からな」

「…………」


マジか……

でも、神々が来たって事は助太刀頼めたりするんじゃ……と思ったが、甘かった様だ。


「伝える事は伝えたし、俺達は帰るね!じゃ!」

「おい!ちょっと待てよ!手伝ってくれるんじゃないのかよ!」

「すまん、どうしても外せない用事があるんだ。じゃ!」

「…………」


用事とは、恐らく宴会だろう。

最悪だ……こんな時に争いが起こるなんて。


魔王(の支配する魔界の勢力)VS邪神

終末戦争勃発!!


その情報は、地上世界にも届いた。


…………………………………………


数日後。


「グルナ、地上世界に避難する気はないのか?」

「そうだぞ、一国では受け入れ出来んが分散させれば何とかなるぞ」

「そうしたいのは山々なのだが……期日が今日なんだ」

「今日!?」


邪神は短気だった。

今日が期日なので、明日には邪神達が来るだろう。

余りにもタイトな通知に、苛苛は募るばかり……


「止むを得ん。俺達も戦うぞ!」

「いや、それはダメだ。2人とも守るべきものがあるだろ。此処は俺の領域、俺がやる」

「…………」

「短時間で全員避難なんて出来ない。それにこの国の住民は、全員俺の子供みたいなもんだ。

子供を守るのが親の役目だ」


「私達は、旦那様と国に全人生を捧げると誓いました。この誓いは破られる事は有りません」


王妃達は、凛とした表情で言い放った。

避難どうこう考えていたが、最早その必要はない様だ。

王妃達の表情は、勝利の女神そのものだった。


そして、翌日。

遂に、邪神達がやって来たのだ。


………………………………………



警戒中の部隊から、平原に邪神と思しき気配を探知したと報告があった。

国からは、かなり離れているが丁度いい。

ベレトを連れて平原に行くと、数名の邪神が待っていた。


「こんにちは。私は、この世界の創造主アンラ・マンユだ」

「初めまして。俺は、この世界の支配者グルナだ」

「天空神から何も聞いていないのかな?」

「いや、聞いている。昨日が期日だな」

「その通りだ。早く元の世界に帰りたまえ。それとも、力ずくで此処に留まるか?」


やはり、その選択肢も有りの様だ。

吹っ掛けてみるのもいいだろう。


「力ずくで、認めさせたいと言ったら?」

「んー、いいだろう」


すぐに始まるかと思ったがアンラ・マンユは、ある提案をして来た。

折角、何も無い魔界を開拓してくれた御礼に、戦いの舞台を用意しようと言うのだ。


「お互いに5名の戦士を選抜し、1体1勝負(タイマン)なんてどうかな?先に3勝した方の勝利。どうだ?」

「ちょっと待って!アンラ・マンユ!」


1人の邪神が割って入った。

ティアマトという女性の邪神だ。


「君…かわいいね♪くだらない勝負する必要ないよ。私と遊ぼう♪」


俺は跪き、質問する。


「この勝負。もし行う事になれば貴方の様な美しい方も参戦されるのですか?」

「まさか、私は参戦しないよ♪早く私の神殿に行って楽しもうね♪」

(何この子!?可愛過ぎるじゃん♪)


参戦しないなら……消えろ!


次の瞬間、ティアマトの頭は弾け飛んだ。

俺の背後。

距離にして、凡そ102kmの超長距離狙撃。

デアシアは2丁の大型拳銃を取り込み、体内でイメージし直した銃は”バレットM82A3”

ミダスが叩き込んだイメージは忠実に再現されるのだ……その威力以外は。

放たれた魔力弾は、ティアマトの頭蓋骨をブチ破り、内部に侵入すると同時に炸裂。

まさに、魔力で創られた榴弾であった。

(グルナとやら……撃たせる為に跪いたのか……)


「アンラ・マンユ……さっきの提案は断る。

5対5の勝ち抜き戦がしたい」

「勝ち抜き戦か……全滅すれば負けって事だな。いいだろう、条件付きだがな。

開始は明日だ。メンバーを編成するがいい」


自信があるから受けたのだろう。

ティアマトの事など気にも留めていない。

会場まで準備してくれる事になったのだが、アンラ・マンユが付けた条件とは……


「ルールは無い。君達が勝てば、我々は君を支配者と認めよう。

しかし、君が負けたら……君の妻を殺し、子供を頂くよ?」

「……いいだろう」

「決まりだ!明日の正午、この場に闘技場を用意しておいてやる!選りすぐりの戦士を連れて来い!!」


そう言い残し、邪神達は消えてしまった。


「グルナ様……何故笑っているのですか……」


俺は……笑っていた。


その日の夜。

メンバーを指名したが、皆、動揺や恐怖を表に出す者は居ない。

ただ、順番に関しては異論が出たのだった。


翌日、平原には闘技場が出現していた。

かなり広い闘技場で、半径5キロの円になっている。

流石は神様、仕事が早い。


「我々は、この5名だ」


先鋒 ノーデンス

次鋒 ナイアーラトテップ

中堅 ヨグ=ソトース

副将 アジ・ダハーカ

大将 アンラ・マンユ


「こっちは、この5名だ」


先鋒 グルナ

次鋒 スキア

中堅 テイト

副将 デアシア

大将 ベレト


「おや、君が先鋒なのか?」

「あぁ、まず俺が手本を見せる。それを見て有望な部下が続く」


勝てば平和が訪れる。

負ければ目の前で妻は殺され、魔界は消滅。

子供は邪神に連れ去られる。

いい趣味してそうなので、俺は虫の息で生かされるだろう。

そして、目の前で王妃達を惨殺し、己の無力さを思い知らした後で殺すのだ。

まぁ、負けたらの話だが。


いよいよ、終末戦争(ラグナロク)の始まりだ。

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