表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/132

第52話 迷惑防止条例違反

メリアが店を辞めてから何日経っただろうか。

俺は、そろそろ話をしてみようと思っていた。


その日は、パズズに出頭命令を出していたので王の間で待機だ。


「グルナ様、イカレポンチの始末を任せていただいて良いのですか?」

「うん、ケンカ道場の件でボコボコにしたけど少し足りなかった様だ。もう1回お灸を据えてやってくれ」

「了解しました!」


苛苛する……直接始末したいが、今回も実働部隊はアレスだ。

王妃達に部屋に戻る様、伝えもらいパズズを待つ。

兵士からパズズ到着が伝えられ、王の間へ案内させる。

いよいよだ。


「魔王様……本日はどういった要件でしょうか?」


パズズは何故呼び出されたか勘づいている様だ。


「パズズよ……俺の店のスタッフにストーカー行為を行ったそうだな」

「何かの間違いでございます!!そのような事は一切ありませんぞ!!」

「ふーん……」


俺はムックの記録映像をみせた。

そこには、メリアの家に押し入るパズズ。

店でメリアを脅し、裏路地に連れて行くパズズの姿と会話が記録されていた。


「サタナス国の迷惑防止条例違反だ。セクハラはいかんよ……」

「これは、メリア様が店で働いているのを辞めさせる為でございます!国の幹部が夜の店で働いているのを民衆に知られる前に心を改めてもらう必要があると判断した次第です!」

「……俺に相談も無く?」

「え?」

「メリアが店に居たのは、彼女が俺の命を受け、セクハラGメンとして潜入していたからだ。俺の命令で店で働いていたのだ」

「そんな!?」

「路地裏で、私の邪魔をするなと言われなかったか?ストーカー行為と強制わいせつ罪、それに恐喝だな」

「……違うのです!魔王様違うのです!」

「白々しい嘘を吐くな!!愚か者め!!」


サタナス国に雷鳴が響き渡った。


「デデ~ン!!パズズ!OUT!!」


ショッカーマスクに迷彩服を装備したアレスが全力疾走でパズズに襲い掛かる。

手には、勿論ケツしばき棒を持って。


「ま 魔王様!お許しください!!」

「お前は出禁だ!2度と店に来るんじゃねぇぞ!!」


バスンッ!!


「ウギャャャァォァッッ!!」


全力のケツしばきを食らって悶絶するパズズ。

しかし、アレスの猛攻は終わらない。

ケツしばきの舞は、実に250連コンボを見舞った。

パズズのズボンは、ケツの部分が破けボロボロになっている。


「グルナ様、任務完了しました!では失礼します!!」

「アレス、ありがとう!帰る前にメリアに王の間に来るよう伝えてくれ」


一礼すると、アレスは失神したパズズを引きずり何処かへ行ってしまった。

パズズは、この後どうなってしまうのだろうか……

ワクワクする。


メリアが王の間に来た。

もう、知らないフリはいいだろう。


「メリア、店に戻る気はないか?」

「!?……グルナ様、何時から知ってたの?」

「面接の時から」

「…………」


戻らなくても構わない。

ただ、元気なメリアに戻ってもらいたい。

俺は、明日から地上世界で過ごす期間だ。

メリアのケアは王妃達に任せ、支度を始めた。



………………………………………



朝早くに森の国に到着し、部屋に向かう。

寝室にディーテは居なかった。


調理場に行くと、朝食の用意をするディーテの姿。


「グルナ、おかえり//」

「ただいま」


タマゴサンドに、サラダ。

ホロホロほぐれるチーズにヘルモス王国特産のオーリブオイルモドキと酢でいただくサラダはとても美味しい。

そして、挽きたてのコーヒーだ。


「美味しい……」

「フフッ//」


朝食が終わると、ディーテは横になりたいと言い出した。

何処か具合でも悪いのだろうか?

言われるがままに俺も横になると、ディーテは胸元に顔を埋め目を閉じた。


「出掛けるのは1時間後にしよ……//」


それは、とても心地よい時間だった。

1時間なんてあっという間に過ぎ、気が付けば昼前だった。

少しダラダラ過ごしてしまったが、そんな時間もアリだと思う。


その後、ヘルモス王国とドワーフ国に向かう道中に、メリアの話をしていたのだが……


「あー!戴冠式に来てた、あの胡散臭いオッサン悪魔か!女の敵だな!!」

「そう、その胡散臭い悪魔だ。アレスにケツしばきの刑で始末してもらったよ。懲りたと思う」


誰が見ても胡散臭い様だ。

ヘルモス王国へは”アザリコ2号店”のユニフォームの作成依頼をしに行き、ドワーフ国にはメリア復帰のお知らせを伝えに行く。


「王は執務室にいらっしゃいます」

「ちょっとお邪魔するぞ」


部屋に入ると、何やら考え事をしているパーシス。

まるで思春期の男子中学生の様だ。ボーッと空を眺めているが、メリアの復帰を聞けば復活するだろう。


「ちーす!元気か?」

「グルナ!!?」

「メイちゃんが復帰したそうだ。俺は地上世界で過ごす期間だから、代わりに顔出しといて欲しいのだが」

「……ん?しょうが無いな。分かった、代わりに行ってこよう」


何が”しょうが無い”だ。バカめ!!

”マジか!!?”って顔に書いてあるのを、俺は見逃さない。

恐らく、直ぐに魔界へ行くだろう。

何があったか知らんが、原因はパーシスだと思うので何とかしてやって欲しい。

時刻は18時過ぎ。今から準備してもオープンの時間には十分間に合う。

ムックからの報告を楽しみにしながら、俺とディーテは森の国へ戻り、2人で夕食の準備をするのであった。

一見順調そうな二重生活ですが、一体何時まで平和は続くのでしょうか……

問題はいつ起こるか分からないから怖いんですよね⸜( ´ ꒳ ` )⸝

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ