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第51話 高級ブランド牛を作ろう! 1

あれから2ヶ月が過ぎ、建設は順調に進んでいる。

訓練施設と宿舎の建設が終わり、移住する住民の住居も殆ど完成している。店舗の建設がスタートしている状態だ。


牧場主は良質な魔牛や魔豚の捕獲を日々行っている様だ。

今日は、その牧場主と話をしようと思う。


「魔王様、営業許可ありがとうございます。

良い産地となるよう励みます」

「国としても期待している。お前の計画では、複数の牧場を展開していく予定の様だな。国から補助金を出そう」

「おー!有難いです!」

「魔豚の肉も需要が高まっているからな。それと、魔牛に関してだが年に1度、品評会を行いたいと思っているんだ」

「品評会?」


牧場主の計画では、5ヵ所の牧場で魔牛を育てる事になっている。

各牧場に責任者が居るはずなので、年に1度品評会を行い、最も優秀な肉牛は賞付きとして超高値で国が買い取り、品質向上のモチベーションとするのだ。

サタナス国だけに卸してもらう約束なのでセリにはならないが、優秀席を獲得した魔牛は通常の10倍の単価で買い取る予定だ。

各牧場で競ってもらう事で、品質向上と手抜き防止になるだろう。

そこで必要となる基準の設定だが、魔界にも等級を定着させたい。


B.M.Sビーフ・マーブリング・スタンダード 1~12

B.C.Sビーフ・カラー・スタンダード 1~7

B.F.Sビーフ・ファット・スタンダード 1~7


前世の記憶を頼りに霜降り具合、肉の色艶、脂の色艶の善し悪しの基準となる表を作成してある。

B.M.Sは霜降り具合の基準で8以上が、A5ランクとなる。

B.C.Sは肉の色艶だ。数字が少なくなるほど色が浅く艶がある。逆に数字が増えるほど色が濃くなり見栄えが悪くなる。

B.F.Sは脂の色艶だ。数字が少なくなるほど脂の色は白くしっとり感があり、数字が増えるほど黄色味が増し見栄えが悪い。


つまり、品評会で優秀席となる魔牛は、3つの基準で最高評価を獲得したピラミッドの頂点の様な牛なのだ。


初年度は半野生なので期待薄だが、2年目3年目が楽しみなのである。

王族達用に卸す分以外は、安価で一般販売もしたいものだ。


………………………………………



ある日の朝。


「ご主人様ー、メリアちゃんがクラブで働いてるのがパズズにバレちゃったみたい」

「そうなのか?アイツよく気が付いたな」

「違うの!パズズが家までストーキングしたの!」

「マジか!」


ストーカーの発生である。

メリアは店のNo.1になっていた。

パズズはメリアを気に入っているのは知っていたが、まさかの展開だ。

店を出たメリアの後を付け家に押し入ったそうだ。

まぁ、案の定撃退されたらしいが……


ニーズヘッグだとバレた訳だが、恐れをなして今後は近付かなくなるだろう。

一応俺は、赤黒ムックに引き続きパズズの監視を指示した。

普通に考えれば有り得ないが、これ以上、俺の店の子に手を出そうとするならお仕置きしなくてはならないだろう。


それから数日後。


「グルナ!噂の会員制クラブに連れて行ってくれ!お前の金で!!」

「またかよ!」


パーシスからのお誘いである。

王妃達と過ごしたい(過ごさなくてはならない)俺は、お伺いを立てなくてはならない。

OKをもらい、後日行く約束をした。


パーシスと合流し、店に行くとメリアが席に付いた。

どうやら、パーシスはメリアを指名した様だ。


「メイちゃんがパーシスの係なのか!?」

「はい♪ご指名頂き光栄です//」

「何か落ち着くって言うか、最初に店に来た時思ったんだがメイちゃんと初めて会った気がしないんだ」

「メイちゃん!骨の髄までしゃぶり取るんだ!!国家予算丸ごとだ!」

「バカ!メイちゃんはそんな子じゃないだろ!!ハハハッ!!」


それから暫くすると、パズズが来店しメイちゃんはパズズの席に行ってしまった。

なかなか帰って来ないので、俺とパーシスは新店に顔出しに行き、酔い潰れた俺は、気が付いたら城のベッドだった。


ムックの報告では、パズズはメリアを脅し路地裏に連れ込んだが、キレたメリアに顎を砕かれて半殺しにされたらしい。

パズズの根性は素晴らしいが……

生粋のバカ野郎なのである。


その後、メリアは公園で酔い潰れているパーシスを発見し、城まで送り届けてくれたらしいが……客間に入り数時間後、逃げる様に部屋を出たそうだ。

何をしていたのだろうか……


色々気になるが、知らないフリをしよう。


しかし、問題は起こっていた様だ。

その日の夜、黒服ビオンからメリアが店を辞めてしまったと報告を受けたのだ。


パズズは半殺しにされたので、辞めてしまった原因はパーシスだろうか?

店のNo.1が突如辞めたとなると具合が悪い。

ビオンには、メリアは体調を崩し暫く休む事になったと説明させる事にして、俺はメリアの様子を見守る事にした。


数日経つが、メリアは気の所為か元気が無いし、店に戻る気配もない。

あれからパーシスは1人で店を訪れた様だが、メリアが居なかったので引き上げて行ったそうだ。

俺に何も聞いてこないので、メリアが辞めた原因はパーシスで間違いなさそうだが……

そろそろ、話をする時だろうか?


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