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第50話 牧場を作ろう!

パズズの道場破りを終わらせた俺は、プリドルの住む湖がある森に来ていた。

ファフニールの財宝を処分する為だ。


ファフニールは、戦いに打ち勝てば目も眩む財宝をどうのこうのと言っていたが、その財宝には呪いが掛けられていた。

洞窟の外に持ち出せば呪いの効果が発動する仕組みだったので、洞窟そのものを爆破して埋立処分するのだ。

その後は、誰かが掘り返さない様に侵入防止結界を張り、念の為に軍を駐留させたい。


因みに、この湖を含む広大な森だが、元々はバルバトス国の領地らしい。

まぁ、その領主は俺が始末してしまったので、俺の領地となっている。

魔界では勝った者が正義であり、全て奪い取って当たり前なのだそうだ。


軍を駐留させたいが、サタナス国から相当離れてるので不便だろう。

そこで、小さな街と軍の訓練施設を建設する事にした。

洞窟跡地の警備だが、常に脅威が有る訳ではない。

基本的には暇なのだ。

ならば、鍛えてもらおうと思う。


まずは、住居の建設を開始した。

軍の要員は定期的に交代するので、訓練所内に宿舎を建設し、そこで寝泊まりしてもらうが、森の街に出店してくれる店舗スタッフには家が必要だろう。

住居の建設開始と同時に、出店企業も募集してみた。


「グルナしゃま、お話がありましゅる」

「ん?話?」


アザゼルである。

真剣な表情だ……かなり大事な話だろ。


「グルナしゃま、経営権を買い取らせてくだしゃい!!」

「!!?」


アザゼルは金貨1000枚を持ってきたのだ。

アザゼルの店”アザリコ”は流行っている。

勇者ケンジ以外にも、1名追加で採用した程だ。

バカ親な俺は目頭が熱くなる。


「アザゼル……本当によく頑張ったな……」

「グルナしゃま……頑張りましたのん!!」


飛び付いて来るアザゼル。

この1000枚には、店の利益以外にアザゼルの給料の一部も入っているだろう。

もう少し頬擦りしときたいが、俺も真剣に話をしようと思う。


「手続きはやっておくから登録書が出来たら店に届けよう。でも金貨1000枚多すぎるぞ?俺が出資したのは金貨500枚だぞ?」

「森の街に出店したいのでしゅる……//」


一瞬、賄賂か?と思ったが違った様だ。

アザゼルの店”アザリコ”の新たな展開だ。とても嬉しい申し出である。俺は改めて森の街について説明をした。メインは軍の訓練施設である事、その規模は一個師団程になる事等など。


「サタナス国の店が本店になるのか……森の街の店は誰に任せるんだ?」

「エレニちゃんですのん!」


しっかり者のエレニなら安心だ。

エレニの穴埋めと、森の街のクルーを募集しなくてはならない。

俺は臨時のアルバイトで採用してもらったのであった。


その後、飲食店や衣料品店、独立開業したいスナック等、様々な応募が有ったが……大注目の応募が有った。

牧場をやりたいと言う申し出があったのだ。

飼育するのは、魔牛と魔豚。

現在は、野生の魔牛と魔豚をハントしているが、肥育する事で更なる品質向上と安定供給が見込める。

開業の条件として、出荷した魔牛と魔豚は全頭をサタナス国に販売する事。

それと、土地はあるので密飼いはしない事。

ゲージフリーで、動物にストレスを感じさせる事無く、のびのびと飼育してもらいたいのだ。

丁度、国の精肉店と加工場を増築しようとしていたので有難い。

農産品等で魔界特産となる物は発見出来たし、ポテトチップスの様な保存が効く食品も魔界ブランドとして認知されるだろう。

観光資源はサタナス国の繁華街や歓楽街が人気だ。

となると、別の名物が欲しかった。

それは、お肉である。


もし、牧場の建設が決まるとすると、場所は湖の近くになる。

湖の近くは、静かで空気も美味しく、白竜プリドルの魔力を豊富に含んだ美味しい水が流れているのだ。

そこで、愛情いっぱいで育てたとしたら、素晴らしい肉質の魔牛と魔豚が育つとしか思えない。

その高品質のお肉を、例えばだが”サタナス牛”としてブランド化出来れば、街にはサタナス牛を専門に扱う精肉店や飲食店が出来るだろう。

最高に美味しいと認知されるまで、品質向上と試行錯誤が続くだろうが、焼肉上級者の俺としては是非チャレンジしたい。

俺は、牧場の営業許可を出すのであった。



…………………………………………



ライカと森の街について打ち合わせをし、農地についてはアミィに一任して来た。


アザリコに買い物に行くと、ちょうどエレニが居たので話を聞いてみようと思う。

もう少しで勤務時間が終わるらしいので、喫茶店で話をする事に。


「魔王様と2人で喫茶店なんて……緊張します!」

「いや、気楽にしてくれ。アザゼルから聞いたが森の街の店舗を任されるらしいな。国から大分離れているがいいのか?」

「はい!私も自分でお店を運営してみたかったんです!本店に負けないぐらい良い店にしますよ!」


なんと頼もしい……


「住む場所なんだが、先陣のみんなの家は国が用意するんだ。ある程度は外観とか間取りの希望が聞けるから教えて欲しい」

「いいんですか!?やったー♪」


エレニは、仲良しの悪魔達とルームシェアして暮らしているらしい。

その仲良しの子達も森の街へ移住するそうだ。


「魔王様。実は、その子達をクルーとして採用したいのですが……」


良いのだろうか?

四六時中一緒に居ることになってしまうが……

迷ったが、本人達が望んでいるならいいだろう。

それに、採用するのはエレニなのだ。

俺は見守るのみ。


「それは、エレニの判断でいいぞ」

「ありがとうございます!」


森の街計画は順調に進んでいくのであった。


高級ブランド牛作りです!⸜( ´ ꒳ ` )⸝

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