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第27話 女子会のお知らせ。

いやー、ビックリした…。

まさか、あんな事を言われるとは思わなかった。

流石の俺も少し引いてしまった訳で、心が読めれば問題発言を事前に抑える事が出来るのに…と思ったりしたが、後々考えると、相手の考えてる事が分からないから面白い。

きっと人生の楽しみの一つなのだろう。

そう思う事にした。


ちなみに、セレネはとぼけた。


「昨日は飲み過ぎましたわ!気が付いたら自分の部屋でした//」


などと言っている。

まぁ、他言する事は無いが、最悪な名言として俺の心に刻まれるのだ。


アホな事はこのぐらいで勘弁してもらって、街の開発を進めようと思う。

歓楽街の施工である。


居酒屋の様子から、お酒を楽しみたい悪魔が意外と多いと判断した俺は、手始めに立ち飲み屋やスナックの入る長屋の建設をスタートさせたのだ。

最終的には、会員制のVIP専用高級クラブを用意したい。

だが、各国の王族や豪商を接客するとなると、それに特化した人材が必要だ。

お水の仕事は、バカでは務まらないのである。


一流の者が出入りする店なので、清潔感があり、美しく、並以上の気配りが出来、そこそこの教養と卓越した記憶力、話題も豊富な一流のホステスが望ましい。

その原石を発掘する為のスナックを先ずは作るのだ。

非常に楽しみである。

念の為に言っておくが、俺が飲み歩きたいからではない。


ライカと打ち合わせを行い、飲食店が多く建ち並ぶ通りや酒場街などの建設予定地を確保をする。


サタナス国は、それなりに整って来たので次の課題は人の流れである。

魔界の中心に位置するサタナス国は、四方を一応の友好国に囲まれているのだ。

それ等の国々に有償資金援助を行い、魔導器(うつわ)の供給や技術支援をしようと思う。ODAというやつだ。

各国が独自に開発を進め、特色ある国にしてもらいたいものだ。

商業が活気づくだろう。


俺は、ベレトに日程の調整を指示するのであった。


………………………………………………



森の国。


ディーテはムックの分裂体に伝言を頼んでいた。

女子会の日程についてである。


「ムック!女子会のお知らせだ!来週の土の日18時からだと伝えてくれ!魔界と幻獣界からの参加人数を確認して報告よろしくな!

ゴハンの用意とか場所の手配あるから!

それと、これに参加しない者に魔界の王妃になる資格は与えないと言っといてくれ!」

《ディーテ様まかせてー!!》


参加者は、魔界と幻獣界だけではない。

地上世界にも数名居るのだ。

集まるのは、恐らく各種族を代表する様な者ばかり…

ディーテとしては、最終的にはグルナの意向を尊重すべきと思っているものの、現状、それは難しいかも知れないとも思っている。

万が一、事を荒立てたくないグルナが、渋々誰かを選んだとしても決して後悔しない様にお膳立てしなくてはと思っているのだ。


自分の気持ちを優先させる様な者は論外。

グルナの王としての立場を理解し、支え、魔界での癒しとなる女性でなくてはならない。


参加者に自覚させ、自ら篩に掛かってもらう。


ディーテから引導を渡す事は無いが…その場に集まった”超”雌同士の目に見えない駆け引きは、傍から見れば甲乙付け難い者同士であろうと、本人達は嫌でも自覚する事になるのだ。


”劣等感として”


楽しみだ。

そう思いながら、ディーテは土の日を待つのであった。


その様子を陰から眺める者がいた。カラである。

こっそり伝言の内容を聞いていたカラは、翌週の土の日に予定されていた野戦訓練を辞退した。


…………………………………………



サタナス国。


ディーテの伝言はサタナス国の王の間に居るムックの分裂体によって、即座に伝えられた。


遂に始まる。


王妃の称号を賭けた戦い…

その前哨戦が!!


溢れ出した魔力が城を覆い尽くす。

その一種異様な光景は、まさに魔界そのもの


《参加希望者は明日の夕方迄に、名前を書きに来てくださいねー!紙は此処にありますー》


次々と名前は書き込まれた。


その日の夜。

受付を行うムックの元にアザゼルがやって来た。


「ムックしゃま、まだ受け付けてましゅか?」


どうやら、こっそり名前を書きに来たようだ。

だが、まだ悩んでいる…今の関係が拗れてしまうのではないかと心配なのだ。

王妃に成れる自信は無い。なので、そもそも参加した事で嫌われてしまうのが怖いのだ。


「アザゼル?寝るぞー」

(グルナしゃまが来ちゃったですのん!アワアワ…)


「ん?アザゼルも参加するのか?」

「……参加ちたいけど…参加ちたくない気持ちもありましゅる……」

「……参加したらいいんじゃないか?」

「えっ!?」

「まぁ、参加する意味は無いと思うけどな。行って美味しいゴハンを食べて来たらいい」

「意味無い?どういう事でしゅか!?」

「だってさ、アザゼルは既に俺のお姫様だろ?」


そう言うと、グルナはアザゼルを抱き上げ頬擦りをする。


「じ、じゃあ……”王妃”が居ても、お姫様のわたちは今まで通り一緒に寝れるのでしゅか?変わらず接してくれるのでしゅか?」

「うん、当たり前だろ//」


今更だが、アザゼルの容姿は身長130cm前後、干渉色が輝く艶々の黒髪、美しい紫の瞳。その姿は悪魔の尻尾が生えた小さいディーテである。

グルナは我が子の様に接しているが、年齢は6000歳以上なのだ。


(わたちは、お姫様だったのか//)

アザゼルはニッコリ微笑み、名簿に名前を書き込む。

美味しいゴハンを食べる為に。


アザゼルの他に名前を書いていたのは…


アリス(竜王バハムート)

メリア(聖魔獣ニーズヘッグ)

リリア(グルナの秘書)

ライカ(住宅都市開発長官)

セレネ(魔界に駐留している為、魔界からの参加)


この5名であった。


翌日の夕方、名簿は森の国へ届けられた。


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