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第117話 神話の始まり

更地と化した大地を眺めながら、リヴァイアサンが問い掛けた。


「アリス様、例の件はお願いしますね」

「私は信用ならないか?泣き虫リヴァイアサン」


微笑むアリスの後ろに下がり、ゆっくりと体操座りになるリヴァイアサン。


「任せておけ。ちゃんと試練の内容は変更してもらう。

座ってないで、さっさと働け!!」

「仰せのままに!!」


更地の方へ飛び立ったリヴァイアサンを、眩い光が包み込んだ。

光が治まると、そこには全長4kmは有ろうかという蛇竜が現れたのだ。

(この姿で陸戦は、相当レアですけどね!)


”深竜乃扇刃”


大きく振るった強靱な尾から放たれるのは、長さ1m、幅40cmの先端が鋭く尖った鱗。

音速を遥かに凌駕する速度で飛翔する鱗の驚異は、スピードだけでは無い。


帯状に放たれた鱗の間隔は、僅か20cmという狂気。


湧き出す様に押し寄せる終末の兵士を、その狂気は蹂躙し続けるのだ。


「力尽きるまで戻ってくるな」

「仰せのままに!」

(アリス様……力尽きたら戻って来れませんって)


獰猛な蛇竜を目の当たりにし、顔が蒼褪めるカーラは、意を決してアリスに問いた。


「あんた達……いえ、貴方達は何者なの?」

「私は、魔王の妻にして竜神族の王。神竜バハムートよ」

「神竜!!?」

「そして、向こうで雑魚を相手に無双して喜んでるのは、幻獣界の王リヴァイアサン。

私の元部下よ」


言葉が出ないカーラに、自己紹介を始めるディーテとリリア。


「私は、魔王の妻の1人だ。魔界とは違う世界で魔王もやってる女神だぞ」

「私もアリスと同じ、魔王の魔界の妻よ。悪魔やってます//」


立ち尽くし、無になっているカーラに自己紹介を終えたディーテは、結界の構築に取り掛かった。


「アリスとリヴァイアサンが居るから大丈夫だと思うけど、一応、防御結界張っとくか。空から何か降ってきたら怖いし!」


リリアは、戦闘中の2人を支援する様だ。


「私は、アリスとリヴァイアサンの支援をしましょう//」


”悪魔の契約書”


対象の深層意識に働きかけ、身体への負荷を最小限に潜在能力を解放させる。

それは、ある種の麻薬の様であり、アドレナリンなど目ではない。


悪魔ならではの、一方的な契約書であった。


………………………………………………


その頃、火山に到着した封印組は、麓の洞窟の様な穴から、永遠に湧き出す終末の兵士を確認していた。

無数に開いた洞窟の様な穴から、1分に30体以上は出て来ているのではないだろうか……

洞窟の数は分からないが、仮に100ヶ所有ったとしたら、1分で最低3000体の雑魚が発生している事になる。


「五芒星じゃ頼りねぇな!今回は、火山を中心に六芒星の大規模封印結界を構築するぞ!

ラクレス、お前も構築に加われ!」

「うん!任せて!」


ゼウスは、火山を中心に大規模な魔法陣を一気に画いた。

流石は最高神だ、仕事が早い。

神々とラクレスは、6箇所に移動し詠唱を開始する。

その術式は、合計で6枚の障壁を順に重ねていき、6枚が重なった時、一気に拘束力を発揮する。なので、どうしても時間が掛かるのだ。


「守る範囲が広いな。雑魚が多過ぎる」


その時、ベレトから念話が来た。


”グルナ様。魔導機甲師団と魔導歩兵師団から、各一個連隊が参戦を希望しています”

「ベレト、周りが騒がし過ぎて聞き取りにくい。

ちょっと忙しいから事後報告にしろ」

”…….ありがとうございます!”


誰に似たのか……

大人しく留守番しとけと言ったのに、世話好きな奴らである。


…………………………………………


「許可が出たぞ!」


歓喜する悪魔達。

2個連隊5000名の悪魔は、何れも最精鋭の兵士ばかりだ。

彼等は、既にメンテナンスを済ませた新作の大型魔導機関砲を10門を準備していた。


「主の許可は出ているのか?」


アンラ・マンユは、ベレトに問う。


「勿論です」


微笑むベレト。

その表情を見て、溜め息を吐くアンラ・マンユ。


「まぁ良い。思う存分暴れるがいい。

だが、お前も部下も死んではならんぞ?魔王は、それを一番嫌うからな」


御伽の国の火山へ転移した魔王軍は、既に戦闘を開始していた魔王と合流した。


「グルナ様!」

「ベレト、早速だが2班に分かれてポセイドンの援護と航空支援を開始しろ!」

「了解しました!!」


その頃、アポロンを守るオリオンは。


セレネの”破邪の盾(アイギス)”は、終末の兵士を遮るだけでなく、捕食しエネルギーへと変換していた。

最早、オリオンの出る幕は無い。

(やっぱりウゼェ結界だな……)


「オリオン。狼を倒すんだ」

「狼?何処に居るんだ?」

「それは分からない。単なる閃きだからね」

「オリオン、雑魚は私だけで大丈夫!狼を探して来て!」


アポロンは、予言を司る神だ。

セレネに護衛を任せ、何処かに居るはずの狼をオリオンは探し始めた。

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