表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/22

最後の戦い


「触れれば直接操作できる!喰らえ」


 バシリスクの瞳が怪しく光る。もはや回避不可能・・・・。


 「って・・・・・あれっ?」


 何の変化もないことに驚愕するウロゴツムさん。


 「なぜだ?なぜ石化しない?まさか・・・」


 「はい。すでに石化対策は打ってあるんで。これです」


 懐から玉を取り出す。


 「それは石化の守りの宝珠なのか?なぜそんな高価なものを持っているんだ?」


 「知り合いから貰ったんですよ。石化無効なんてマイナーな効果、本当いらないわーとか思っていたけど役に立ちました。別に目を閉じたり鏡を使ったりしても何とかなるんですが。もしかした我が神のちょっとした思いやりかもしれませんが・・・」


 「うぐぐ・・・クソッ!こんなところで・・・・・・・確かお前は映像の魔法以外を使うことができなかったよな・・・・・」


 「それが何か?」


 魔笛を取り出して吹くウロゴツムさん。壁際にあった箱から魔獣が現れる。猿と象の魔獣だった。


 「殺せ!」


魔獣が襲い掛かる。


 「やれやれ、足掻きますね」


 クールに返しつつ、内心はヤバイよ!を連呼しつつ、メモリーダグを発動する。


 メモリーダグが発動すると眼前に映像が映し出される。映し出すのはもちろんアレだ。


 「まさか、そんな・・・」


 石化した魔獣達を見て呆然とするウロゴツムさん。


 「さっきのバシリスクの魔眼を頂きました。この映像は全て本物なので石化の力も本物ですよ」


 「お前、まさかそのために石化の力を受けたのか?」


 「はい、理論上は可能だと思っていたんで。でも少し勇気がいりましたけどね。何せ石化の力を受けるのも発動させるのも初めてだったんで」


 実戦でいきなり試すのはかなりの綱渡りだったんだけど。


 「では大人しくお縄を頂戴・・・ってええっ!」


 いつの間にかバシリスクが成体化していた。これではまるでポ○モンだ。


 「一体どうして・・・」


ウロゴツムさんもポカンとしている。偶然なのか?何きっかけなんだ?魔眼の力を外から浴びたからか?未知の生態に戸惑う。何もわからないまま刹那の時間がたつ。


 「動かないの?」


 と思ったら、そのまましっぽで弾き飛ばされたウロゴツムさん。どうやら使役から解放されているみたいだ。


 「ヤバイな・・・」


 魔眼の映像を見せても変化はない。バシリスクには石化無効があるのか?それとも根本的には贋作の魔眼だから弱いとかあるのか?


 

このバシリスクに魔眼が効いてないとなると打つ手が無い!本当に他の魔法が使えないから。


 「うぉぉぉぉ」


 毒液を飛ばしてきた。ギリギリスライディングで回避するけど床が解けている。ついでに服の端っこも解けている。本格的にヤバイ、そんな攻撃までしてくんのか・・・この展開は計算外だぞ。


 ダメだ足が絡まって上手く立てない。バシリスクは突進しようと身を屈めている。


 「詰んだ・・せっかく上手くいっていたのに・・・この展開も織り込み済みで石化無効の宝珠をくれたのだろうか・・・やはり我が神はどSか・・・・せめて辞世の句を読む時間をって・・・無理か」


 スローモーションで迫るバジリスク。そう言えばリアルタイムでメモリーダグを使ったことが無かったな。無意識レベルで発動すると眼前にリアルタイムの映像が出る。


 「うぉりやぁぁ」


くるっと映像を反転させる。ちょうどバジリスク同士が画面上でぶつかり合い本物のバシリスクが弾かれた。


 「こんな使い方もあったか・・・でも・・・魔力がもう・・・」


 ここまで魔力を消費してきたから・・・やはり無理か。致命傷を与える手段を思いつけない.


 バジリスクが起き上がった瞬間、バジリスクを光が囲い込む。 


 「フレア!」


 バジリスクが灼熱の火球に包み込まれる。そのまま灰となって崩れ落ちた。


 「あんた本当に魔法が使えないのね。だらしない」


 ノエルさんが扉から出てきた。


 「ノエルさん・・・・後詰、感謝します。まさか危険なのに助けに来てくれるとは・・・・でもどうやって魔法を?」


 危ないから避難するように言っといたのに。


 「ノエルでいいわよ。別に魔法は使えるんだ。いつもよりは弱い魔法しか使えないけどね」


 片目でウインクするノエル。なんとも強かなものだ。ハーフなら使えるのか・・・。


 「ねぇ、アナタの名前は何て言うの?」


「セカイ」


 「セカイね。私もセカイって呼ぶから」


 はにかむ笑顔がかわいいな。やっぱりハーフはどの世界でも良いもんなんだよ。


 「ウロゴツムさんはどうなりました?」


 「ホイルさんの治療を受けているわよ」


 遠くでホイルさんが治癒の魔法を唱えている。生きててくれればいいのだが・・・。


 「ああっーもう本当にやばかった!これも我が神様がイカレているのせいだ!」


 助かったから安心して悪態をつく。もう危険は去ったのだ。一応事件の謎が解けたから三等神官になれるだろうし・・・・。


 「ちょっと!これは何なの?」


 なぜだろう。ノエルの顔が赤くなっていく。


「何って、ええっ!」


 大画面で映っているのは大画面の半裸のノエルさん。これはあのときの映像!なぜだメモリーダグは使ってないぞ・・・。まさか・・・・・・・神様か?悪態ついたからか?


 「早く消しなさい!」


 激しくど突かれる。こっ・・このままではここで死んでしまう・・・。


 「ダメだなぜか映像に干渉できない・・・神様!死ぬ!」 


 「コラ!セカイ!待ちなさい!」


 こうして事件は終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ