#6 大回りと早朝と乗り換え
どうも。
大回りいってきたんで書きました。
たのしかったでふ。
大回り乗車については知っている前提で書いたので、
ご存じ無い方はググって下さい。
「起きなさい、あなた」
「うーん、、、なんだ?まだ日も出ていないというのに」
「大回りに行くのよ」
「へ?」
「だから、大回りに行くのよ、あなた」
「いやなんだそれ」
「ggrks」
「アッハイ」
こうして魔王は再び、旅に出るのだった。
「また前回と同じパターンだな。二度目だからもう慣れた気もするが」
そうして彼は例の始発駅にやって来た。
「大回りとやらについては調べた。行程表も、切符も受け取ってある」
「早速旅を始めよう、なにせもう時間がない」
大回りは時間との闘い。彼は行程表を見て、すでにそれを理解していた。
さっさとホームに出て、彼は一本目の列車に乗車した。
「そう言えば、前回は近郊型の列車に乗車しなかったな。新鮮な気もする」
そう言って彼は、ロングシートの車内を見渡した。
未明ゆえ、人はまばらである。
「降りるのは三十分後といったところか。しばらく眠っておこう」
「う、、、はっ、今はどこだ?、、、あと一駅か、危なかった」
寝ぼけているうちに、第一の乗換駅に到着、下車した。
「ここでは五分ある。今のうちに手洗いに行っておかねばな、次何時行けるかも分からん」
そして彼は素早くトイレを済ませ、乗換列車に乗車した。
「少しずつ空が明るくなってきたな。やっと朝だ」
途中駅に停車。利用客が乗り降りする。
「そして、朝になるにつれて人も増えてきた。なるほど」
「未明から列車に乗るこの大回りゆえ、早朝の利用客の増減がよく分かる」
「面白いじゃないか。大回り乗車とやら」
彼は行程表を確認して、驚愕した。
「次の乗り換え、、、一分しかないぞ!?」
すでに、次の駅は乗換駅であった。
「くっ、、、走るしかあるまい!」
列車はブレーキをかけ、そして停止した。
---扉は、開かれた。
『うおおおおお!!!』
彼と同時に、多数の乗り換え客がスタートを切った。
エクストリームスポーツ、乗り換えダッシュの開幕である。
最寄りの階段へ駆け寄り、階段を駆け昇る。
連絡通路を駆け抜け、ホームへの階段を駆け降りる。
ただ、駆けていく。
そこに、漢たちは、全身全霊を懸けていた。
彼、魔王もまた、その一人であった。
魂の走り。
乗り継ぎ列車が、見えてきた。
行ける。行こう。
降りる。下る。そこに、向かう。
扉を、くぐり抜ける。
---間に合った。彼、魔王が、一着だった。
~fin~
嘘です。
終わりません。
ちゃんと続きます。
次回もみてね。