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魔王旅~我、旅したり~  作者: 初雁
1/8

#1 無茶ぶりと旅立ちと寝台特急

ハジメマシテ、ハツカリ=デス。

このお話は魔王が取り敢えず旅をさせられる話です。

僕が鉄オタなので、作中の旅も鉄分多めになると思われます。

多少のガバはゆるしてね!

「旅に出るのよ、あなた」

「えっ?」

長身の男は、妻から発せられた言葉に驚きを隠せない。

彼は魔王だ。今は極東の名前もない帝国を治めている。

一応国は他国に誇れる程には大きいし、父から国を引き継いでからは民からも慕われている。優しい。

だが妻には弱かった。

「だから、旅に行ってらっしゃい、旅。」

「何故だ?理由もなく旅に出ろと言うのか?しかも口振り的に一人か?」

「とにかく旅に出るのよ、良 い わ よ ね ?」

「アッハイ」


かくして、彼は北へと旅立った。一人で。

「一応行程表は貰ったが、、、なんだこれ?出発が真夜中になってるぞ?実際今は21時近いが」

彼は妻に貰ったチケットにも目をやる。

『寝台特急ラーバダ1号 10:32発』

ラーバダは彼の名である。慕われている証だ。

「寝台特急、、、乗ったことないが、庶民の遠距離移動手段と聞く。我がこんなのに乗るとはな」

実際彼は生まれつき魔王の家系であり、寝台特急などには縁はなかった。

「どうやら飯も付いていないらしい。調達したら乗り込むか」

今さらだが、彼は妻の魔術により見た目は完全に庶民に偽装されている。便利。

そして彼は駅弁屋に歩み寄る。

「駅弁か。確かに耳にしたことはあるな、人気らしいがどうなんだろうか?」

「ラッシャッセー!」

「何にしようか」

「幕の内がオススメです!」

「じゃあそいつを頂こうか」

「ありがとうございました!」

こうして食糧を調達した彼は、とうとう旅の第一歩を踏み出す、、、!


「晩飯は食べてきて良かった。無ければ此処で二食も食うはめになってたな」

そう呟きながら、彼は列車に乗り込む。

そして彼は気付いてしまった。

「チケットで薄々勘づいてたが、、、これはB寝台と言うやつじゃあなかろうか」

そう。何の思惑か、彼のチケットは魔王には似合わぬ最低クラスの席、B寝台のチケットであった。

「此処で一晩を過ごすと言うのか、、、庶民のことは解らんな」

「あのー、この席の方でしょうか?」

彼の動揺を遮るように、向かいの席の恰幅の良い男は話しかけた。

「、、、そうだが」

「良ければ寝るまで話をしませんか?もうすぐ出発ですから、もうここの乗客は来ないと思いますし」

「良いだろう、我も貴方の話を聞いてみたい」

そう言うやいなや、列車は動き出した。


「何処からいらしたんですか?私はこの列車の行き先の方に家があるんですが」

「そうだな、、、我はさっきの始発駅が地元だ」

他愛ない会話。しかし魔王には十分新鮮な会話であった。

「今は旅の途中だ。この列車から乗り継いで、北の方へ行くつもりだ」

「そうなんですね。私は仕事で、今帰りなんです」

「大変だな。商人か何かなのか?」

「よくお分かりで。今は果物の卸をしています」

「成る程。何の果物を?」

「林檎ですよ。地元の名産品です。貴方は何をなさっているんですか?」

「、、、戦士、といった所か」

「道理で、逞しい体つきな訳ですね」

「ははは」

「ふふ」


「もうこんな時間ですね。もうそろそろ寝ましょうか」

時計は0時を示そうと言うところだった。

「ああ。愉しかったぞ、話」

「ええ、私もですよ。御休みなさい」

返事もしないまま、魔王は布団に潜り込んだ。既に環境には慣れてしまっていた。

(意外と良いかもな、寝台特急と言うのも)

そして、魔王の愉快な一日は終わりを告げた。



第一話、いかがでしたか?

まあ一話はほぼノリで構成されてますから、色々突っ込みどころはあるとおもいますが、、、

構成とかはガバなんで、続編もガバはゆるしてね!

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