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蛇の手  作者: 黒月 明
1/3

記憶

数年前からの妄想をようやく書ける。

ラノベ一冊分で終わる予定です。

 どういう話しの流れからだったか……小学の頃、親友の家でこんな話を聞いた。


「うちにはね、蛇の手があるの」


 はぁ? どうした突然……と思いつつ、僕の返事を待たずに少女は続ける。


「お父さん達が話してるのを聞いたの。 多分、すんっごい昔っから家に祀られてるんだと思うよ」


 へぇ……

 その頃は噂や聞き間違いの一種だと認識していたが……話はそこで終わらなかった。


「しかもね、何でも願い事が叶うっぽい!!」


 ついにオカルトじみてきたか……。

 最新のゲーム機に興奮するような目で訴えられても、胡散臭さは中和されないぞ。

 てか豊穣係の神社で「何でも叶う」と言われてもなぁ……農家ならあやかりたいと思ったかも知れないが。


「そもそもお前んち、昔からの土地神だろ? 廃れてるからって今更そんなあからさまな御利益は蛇足だと思うぞ」

「廃れてないよ! ただ参拝客が少ないのと、駐車場が狭くて出入りしずらいのと…本殿がちょっと長いかなって思う階段を上った先にあるのと……近くに有名になったお寺があるだけで……」

「致命的じゃん」

 初詣で客も年々減ってるし。

 てか蛇足の部分、ちょっと上手いこと言ったつもりだったのに、スルーされたな……。


 今では最新技術やアニメの整地巡礼などの努力が見られる神社仏閣業界だが、当時の僕の印象は、荘厳(そうごん)で型に嵌まった……良く言えば伝統的、悪く言えば時代錯誤な自営業の一種、でしかなかった。

 ついでに言うと、幼馴染みの実家。

 詳しい人からすれば物申したい所だろうが、あくまでもこれは当時の僕のイメージにすぎない。


 しかも蛇って……ここ狐の神だろ。

 食べ残しか?


「倉庫に仕舞ってあるんだって、見に行こうよ!」

 中途半端なゲームを閉じ、手を握られ立ち上がる。

「……………良いけど」


 こいつは放っておくと何をしでかすか分からない……そんな恐ろしさから、後を追うように歩き出した。



 それからの記憶は曖昧だ。

 ただ、神社への参拝客が回復つつあるのは努力の賜物であり、この話しとは関係無い。

不定期更新です。

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