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なぜ生きるか? それが知りたい!  作者: 赤木 爽人
第3章 「交差」 『繋がる宿命の糸』
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10-2

 程なくして玄関前に安斉は上がって来た。玄関を開ける香織。安斉社長は香織を見るなり言った。

「久しぶりだな香織、いいか気をしっかり持って聞けよ。今日起きたトンネル崩落事故は知ってるか? 」

「はい、ワイドショーで見ました」胸騒ぎがする、激しく。

「じゃあ分かるな、諸岡と剛が巻き込まれた可能性がある」

「! 」

 間髪入れず安斉社長は続けた。

「今はまだ可能性があるだけだ、俺が今から現地へ行って直接確かめてくる。テレビなんて無責任に報道するから、信じるな、見なくていい。俺が電話で伝える事が真実だ。いいな」


 無言で頷く香織、胸騒ぎが激しい。


「それと松永由紀は知ってるな」

「剛のアシスタントをしてくれている松永由紀さんですか? 」

「そうだ」

「勿論、私の仕事も手伝ってくれていましたから」

「こういう時は独りでいるとロクでもない事しか考えん。丁度いいからここで休ませてやってくれ、このまま独り住いのアパートに帰すのも酷だ」

 香織は安斉社長の後ろを見ると俯いている由紀を見つけた。

「由紀ちゃんこっちおいで、一緒にいよう」

 由紀は小さく頷くと顔を上げて香織を見つめた。青ざめた表情は暗く、目にいっぱいの涙を溜めていた。

 由紀は香織に力無く寄り添うと、香織はそんな由紀を抱きしめた。

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