表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なぜ生きるか? それが知りたい!  作者: 赤木 爽人
第3章 「交差」 『繋がる宿命の糸』
83/151

8-3

 梨花子先生は教室の中を見て驚いた。

 校長先生が手に余るほどの花束を持って立っていたのだ。


「さあ中へ」副校長がそういうと一歩中へ入る梨花子先生。

「ありがとうございました加藤先生、いや梨花子先生、これはみんなからの気持ちです」

 校長先生が花束を手渡すと拍手が起こった。三年一組には全校生徒四十九人とその後ろには全ての教員が立って梨花子先生を見つめていた。

 黒板には『梨花子先生ありがとうございました』の文字。その前には一脚の椅子が置かれている。椅子の横には小学校三年生の剛が照れ臭そうに立っていた。

「梨花子先生この椅子に座って」

「う、うん」校長先生にエスコートされるように椅子に近づく梨花子先生。

 拍手が鳴り止まない。


 梨花子先生が花束を膝に置いて椅子に座ると、剛は指揮者のように手を挙げた。静かになる教室。みんなの列に加わる宏、怜ちゃん、副校長先生。校長先生は全員の顔を見回して嬉しそうだ。

 そんな中で剛は言った。

「この町を故郷だと思っていつでも帰ってきてください」


 そして指揮を始めると全校生徒と全教員による「故郷」の大合唱が始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ