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「今回のプロジェクトは何億もの金が動いている、くれぐれも三清山賀製薬がつむじを曲げないように丁寧に対応してくれ、場合によってはワシも先方に行く」
「分かりました、まずは俺たちで先方に行ってきます」
「朝一で行けるか? 」
「今から出れば大丈夫です」
「頼むぞ」
「はい」
電話を切る諸岡。
「剛、すまんな帰れなくなった。レンタカーを借りて来てくれ、これから群馬まで行くぞ」
「はい」
そう言うと打ち合わせコーナーを出て行く剛。
と、由紀の電話が繋がった。
「もしもし、後藤さんですか」
「は、はい後藤です」後藤は薄暗い警察署のロビーでソファに座わっていた。
「松永です爽の松永です。今テレビで純恋さんが亡くなったニュースが流れてたんですが、本当ですか? 」
「あ、あの…純恋が、純恋の頭が壊れて、血が一杯出て、アスファルトに叩きつけられて、うわああ、動かない、動かないんです。
どうやったら動くんですか、僕はどうしたら純恋を助けられるでしょう、飛び散った脳味噌はどうやったら元に戻せるんでしょう、あああああ…」錯乱する後藤。




