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「女は強い、想像できん」諸岡が言った。
「あー早く帰って佳奈にチューしよう」
「ああ、帰れ帰れとっとと帰れ」
とその時画面にニュース速報が入った。
「目指せ円満退社! 」由紀が言った。
「ははは」笑顔の剛。
そこに諸岡が大声で割り込んだ。
「おい、テレビ見ろ」
何事かとテレビをみる剛、由紀。テロップが画面に映っている。
『ニュース速報 今日午後八時半頃 タレントで歌手の結城純恋さん(二七)が 自宅マンションから飛び降り 死亡しました』
三人は凍りついた。
「マジかよ」剛が呟いた。
画面に釘付けになった。
「おい由紀、後藤さんに電話をかけろ、確認しろ」
「は、はい」ポケットから携帯電話を取り出し、ダイヤルする由紀、指は震えている。呼び出し音はするが繋がらない。
「由紀、出るまでかけ続けろ」
「は、はい」
と、その時、諸岡の携帯がなった。安斉社長からだ。
「はい諸岡です」
「速報見たか? 」
「ええ」
「本当か? 」
「今、マネージャーに確認中です」




