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なぜ生きるか? それが知りたい!  作者: 赤木 爽人
第1章 「永澤 剛」(ナガサワ ゴウ) 『全ての出逢いが人生を紡ぐ』
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 永澤剛は、東京都千代田区のオフィス街にある広告代理店『爽』のクリエィティブディレクターだ。

 CMやインターネット、各種広告媒体の商品イメージ作りや、販売促進アイデアの提案などに携わっている。仕事内容は企画・立案・演出・時には脚本・編集に至るまでなんでもこなしている

 今日は明後日のCM撮影を前に、プロデューサー、プロダクションマネジャー、カメラマン、照明技師、メイク、スタイリストをはじめ、それぞれのアシスタントに至るまで、全てのスタッフが集まってミーティングを行うことになっていた。

 今は午後七時を過ぎたところ、ミーティングは午後八時開始の予定。多くのスタッフがそれぞれ別の仕事を抱えているので、仕事が一段落して集まろうとすると、こうした時間になる事も珍しくなかった。


 剛はミーティングの行なわれる第一会議室で上司でプロデューサーの諸岡誠と談笑していた。二人は会社では師弟関係ともいえる間柄で、諸岡は二十年以上前から今回のクライアントである三清山賀サンセイヤマガ製薬の担当だった。それを剛に引き継ぎいだ最初のCMである。

 以前は安斉社長がプロデューサーとして関わり諸岡はクリエィティブディレクターをこなしていた。しかし、三年ほど前にアシスタントを卒業し、一本立ちした剛が安定した仕事が出来るようになったので、三清山賀製薬の仕事も諸岡がプロデューサーとしての役割を引き受け、剛にクリエイティブディレクターのポジションを任せた。

 プロデューサーとはスケジュール管理や制作費の管理、クライアントの窓口、ディレクターやスタッフの選択など、制作全般を統括する。一方クリエイティブディレクターは、CM作品や各種媒体のイメージ作り、商品売り込みのイメージ戦略の構築、販促物の提案などのアイデアを構築して、演出上の責任を持つ、簡単にいうとそういう責任分担だ。

 剛は三十歳、諸岡は四十九歳、剛の父親代わりと言って差し支えないくらい公私共に付き合いが深かった。だが諸岡誠は結婚していない。仕事に没頭した挙句できなかったと言っているが、女性に気持ちを伝えるのが滅法下手なのも事実だ。

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