可愛ければ妹でも好きになってくれますか?
えっとですね、うちにも妹がいるのですが……なんと!その妹が挿絵を書いてくれるそうで!
いやぁぁぁ!ほんと、妹って天使ですよね!
多分世界に実際に妹がいて、それでも本物のシスコンを名乗れているのは自分だけなんじゃないかと、常に自画自賛の心を忘れません!多分それが私の執筆する上での原動力です!
家に帰り着くと俺は部屋に、妹はリビングへと向かった。
「……」
母親の存在……思い出したくもないことを思い出してしまった俺は、ベッドに突っ伏していた。
「そろそろ、ちゃんと向き合わなきゃいけねぇのかな」
俺たち兄妹は再婚先にいた子供同士で本当の兄妹じゃない、それもあってか、小さい頃は全くと言っていいほど言葉を交わしてこなかった。
そんなある日のこと、俺は自分に異能力の適性がないことを知った。
俺の家系は代々優秀な異能力者が出ており、俺も適性検査を受けるまでは期待された存在だった。
しかし、結果は残酷で、適正はゼロを飛び抜ける勢いで適性なしへと伸びていた。
そんな俺のことを誰より嘆いた母は、俺にスキルデバイスなるものを作る為に研究所に力を借りた。そのとき、出会ったのが成瀬川有栖だった。
有栖は俺が通うことになる『言ノ音学園』の理事長の娘で、成績は当時小学生の枠を超え、高校生レベルと張り合うほどだった。
彼女は俺に「スキルデバイス……ふぅーん?面白そうなもの作ろうとしてるわね?いいわ、手伝ってあげる、その代わり結婚して」とか意味のわからないことを言って協力を(まぁ、DTBしてやがったけど)してくれた。
みんなが協力してくれたおかげもあってか、俺はスキルデバイスαを完成させた。
もともと、αは半分のみの完成を目的に作っていたので、半分のみで割と高い完成度を誇っている。
今の完成度で相手の能力の解析、分解、強制終了(相手の能力を完全に把握した時のみ)、能力開発、能力発動時の時間短縮、反動軽減などができる、つまり、今の状態でも充分に活躍できるのだ。
「母さん……今頃何してんだろうな」
「お兄様!ご飯ができまし……あれ?なにか考え事ですか?」
「あ、いや……考え事ってほどじゃないんだ気にしないでくれ」
「そうですか?ふふふ、では、今日は悩みも吹っ飛ぶ美味しい蟹鍋で精気を養ってくださいね!」
「おう」
「精子も養っていいのですよ?」
「おう(適当)」
妹は俺が悩み事をしているといつも空気を変えてくれる、そのおかげで俺は何度救われたことか……。
「ありがとな」
「ふぇ?どうされました??」
「いや、なんつーか、助かってるからさ」
「そ、そうですか?……それはとても良かったです……」
モジモジと照れるネイカはとても愛らしく抱きしめたくなる。
だが、ネイカは……。
「お兄様……少し食事の前にお時間よろしいですか?」
「ん?まぁ、別にいいが……何かあったのか?」
「いえ……その……お兄様にお伝えしたいことが」
「……わかった、下で聞くよ」
「そうですね……リビングの方が話しやすいかも知れません」
俺達の家は特殊な能力によって造られている。
他者の能力による攻撃は効かないし、家事なども起きない、地震時には家が何ミリか浮いて……まぁ、ここら辺は地味だな……。
リビングはもっとすごいことになっており、俺とネイカの望むものを生み出す(無機物のみ)ことが出来て、なおかつ、あらゆる通信機器の不正利用による盗聴及び、盗撮は不可能となっている……。
つまり、我が家は難攻不落の要塞なのだ。
「で、伝えたいことっていうのは?」
「大会のことです、奴らが動き出すかもという情報を得まして」
「異能機関か……」
『異能機関』……異能力者暗殺機関は、文字通り異能力者の暗殺を行っている世界唯一の認められた暗殺ができる期間のことだ。
一般的に暗殺の対象となるのは、異能力を不正かつ殺傷事件などの事件沙汰に利用する異能力者なのだが、依頼の内容によっては、一般人すらもターゲットになってしまう機関である。
俺たち兄妹も、ある程度関わりがあり、何度か対峙してきたが、その度に奴らは姑息な手段で俺たちに致命傷を追わせてきた。
「お兄様……私はお兄様を信じていない訳ではありません、ただ……万が一のことがあっては……」
「ああ、相手が相手だけにちゃんと対策は立てておかないとな……それより、何でそんなこと分かったんだ?」
「今日クラスの人から言われたのです『警告しとく』と」
「それだけか?」
「えぇ、それだけで十分です」
「……あ、そういうことか……いやいや、忘れてたよ、お前の能力だったな」
九条寧香、俺の妹の能力は『森羅万象は私都合主義』という、まぁ、なんというか桁外れにすごい能力なのだ。
この能力のすごいところは森羅万象あらゆることを知ることができ、そして、書き換えることも可能なのだ。
例えば、これから戦う人がいるとする。
その人はバズーカ砲を持っており、こちらは手ぶら……そんなのどっちが勝つかは明確である、しかし、寧香の場合は、勝利者の書き換えをすることで、寧香はどんな戦いも負けることなど自分が望まない限りありえないのだ。
今回の異能機関が関わってくるのを知ったのは警告を受けて森羅万象を調べたのだろう……。
つまり、結論から言うと妹は俺より強い、段違いにな。
「わかった、寧香のいうことを信じるよ」
「ありがとうございます!お兄様!」
「……」
だからかね……いつもいつも……。
「さて、晩飯食うか」
「はい!よそってあげますね!蟹と私の愛を!」
「胃もたれしそうだなぁ……」
俺は妹とは違うという劣等感が堪らなく……そして、愛おしい程に嫌で仕方が無い。
ネイカのおっぱい……おおきいのかな?
ネイカのおパンツ可愛いかな……?
ネイカの…○○○可愛いかな?
イラストが完成するまで作者も知らない妹ヒロインネイカ!ついに次号投了する予定は未定!