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やはり俺の許嫁がいる青春ラブコメは間違っている

今回は1話より長く仕上げていますが、これでも短くした方なのです

アプリで書いて、サイトに投稿してるのですが、楽しすぎてついついいらないところまで書いたり、先の所まで書きすぎたりなどして、改良の余地だらけの本編が出来上がってしまうのです。

もしかしたら、それが私の異能なのかもしれませんね!……うわぁ、こんな異能いらね((

「おい、一体なんのようだ……」

「ふふっ、いつまでも連れないわねぇ……私一応貴方のお嫁さんなのだけど?」

前回の続きから始まると思っていた人にとっては混乱するばかりだろうが、これは少し時間の進んだ話だ。

今俺は生徒会室にいて、目の前には許嫁である成瀬川有栖が少しばかしお上品に腕を組んで俺を上目遣いで見上げていた。

最初は薬を取りに行かなければならないので断ろうかとも思ったが、それは先程の鳳翼という生徒会書記がどうにかしておくとの事だったので、言い訳ができなくなった俺は渋々一歩一歩コンクリートの渡り廊下を踏みしめ……つまり、面倒臭がりながら生徒会室へと向かった。

待っていた成瀬川は俺に対しI LOVE YOUと書かれた《斧》で攻撃を仕掛けてきた。

……まぁ、意味がわからないだろうが今は飲み込んでくれ、後に説明するよ。

「んで、何のようなんだ?」

「んーとね、貴方大会に出場するらしいじゃない?」

「お前には関係ないことだ」

「ふーん?そんなこと言うの?」

成瀬川は、頬をむぅっと膨らませると俺のスキルデバイスの入っている胸ポケットをトントンと指で小突きながら言った。

「誰のおかげだと思ってるのかな?貴方が最強を手に入れることが出来たのは」

「……俺の努力の賜物だよ」

「へぇー!なら、スキルデバイスの制作に大きく携わった私は全然役に立たなかったんだね!」

「すごーい、君は傍でスマホをいじっていることを手伝ってるとかぬかすフレンズなんだね(棒)」

ほんと、こいつ何しに来たんだろってくらい何もしなかったな……。

俺が「なぁ、そこのマイナスドライバー取ってくれ」っていう頼みに「ちょっと待って!あっ!落ちたー!もうっ!私のシロクマ耐えきれず落ちちゃったじゃない!」なーんて言ってやがったからな……DTB以下か俺の頼みは……まぁ、俺もハマってるから何も言えんけど。

「あの時はほんと、一人でやってて大変だったんだぞ?」

「一人でなにやってたって?人生ゲーム?」

「スキルデバイスの制作だよ!」

てか、なんで一人で人生ゲームやったことあるのバレてんだよ!

恥ずかしいわっ!

「それで、デバイスの方は完成したの?」

「50%だけな?設計図通りやっても俺一人じゃ限界があるんだよ」

「スキルデバイス一人で半分も作ったなら上出来じゃない、科学者、プロの研究チームにも出来なかったことよ?もっと誇っていいと思うわ」

「うっせ、お前が手伝ってくれれば俺の出る幕なんて無かっただろ」

「さーて、どうかしらね?」

成瀬川は企み顔で笑うと、デスクの上に置かれたファイルから紙切れを一枚取り出し、俺に差し出してきた。

「これは?」

「貴方がここに来る気になってくれた脅迫材料よ♪」

「は?まじでくれんのかよ」

「もちろん、愛するマイダーリンの頼みだもの♪」

「そういうのいいから」

俺が成瀬川有栖の要求をのむ代わりに要求したのは能力者バトルの大会に出場するクラスのメンバー表である。

正直くれるとは思っていなかったため、驚いているのだが……それと同時にこいつの将来が心配になった。

「……ん?これなんだ?」

「どうしたの?」

「この、unknownって書かれてるやつ」

「あー、そこね!……なんだと思う?」

「いいから教えろ、じゃないと帰る」

「あら、自分の要件だけ済ませちゃうなんていじわる!もうちょっと私とおしゃべりしてくれたっていいじゃない」

「お前と話してると疲れるんだよ、本性が見えなすぎて」

ここでひとつ成瀬川有栖の説明をしておこう。

もちろんこいつも能力者で、学園内2位の実力者だ。

能力名『愛と罪』……正直いって俺も真っ正面からやり合うのは避けたいくらい凶暴な能力だ。

愛のデカさで万物を作り、この世の罪咎の数だけ戦闘力をあげることが出来る……まさにライトノベルなどでチートと呼ばれる能力だ。

「今回の大会、お前は出場しないのか?」

「あら?一緒に出たいの?」

「いや、出ないでくれると助かる」

「もっと素直になってくれてもいいのよ?」

「素直な気持ちで言ってるんだよ、絶対出るなよ」

「ひどーい、でも、そんなところも好きよ?」

「何度も言ってるけど、俺は妹以外の女には照れたりデレデレしないぞ?」

さすが俺、読者も忘れてるであろう設定をここらで再確認しておくっていう高等テクニック披露!

「ほんと、重度のシスコンよね……引く程に」

「それ、俺にとっては褒め言葉だぞ?」

「それでもモテるから不思議だよねきみは」

「はいはい、んでささっきのunknownの話だけど」

「変わり身早いね……うん、君になら言ってもいいかな?」

「?」

「そのunknownっていうのは……」



…………



話を終え、生徒会室を出た時には昼食時で辺りはザワザワと騒がしかった。

俺は取り敢えず可憐に合流するために学食へ向かうことにした。

その道中これと言って何も無かったのだが、学食に着いた途端、周り一帯は騒音に包まれた。

「なんだ!?」

キョロキョロして辺りを見渡してみるが、魚群が如き生徒達のせいで視界は制限された。

「……何が起こっているんだ?」

「あっ、蓮太……ちょっと大変なことになってて」

「可憐?巻き込まれてはいなかったんだな」

「まぁね、能力でどうにか脱出出来た」

「ふぅん、で?何が大変なんだ?」

「んとね、ほらあそこ、見える?委員長がいるとこ」

「ん、まぁ……見えるけど」

可憐の説明によると、この騒動の原因は委員長のやり方についていけなくなったクラスメイトの日頃の仕返しのようなものらしい……まぁ、それも最初は委員長が返り討ちにしていたらしいのだが、途中参加してきた男子生徒の姿を委員長が認識してから委員長はやり返すこともせず、なされるがままの状態らしい。

「相手の男子生徒のこと何か知らないか?」

「ううん、私見たことないよ」

「そか、んで?どうする?止めるか?」

「止めたいけど……私……さっきも何も出来なくて……今も怖くて……」

足を見やると、確かにガクガクと震えており、歩くのがやっとのようだった。

俺を見かけて何とかここまでたどり着いたのだろう……。

「だから……その、代わりに……止めてあげー、」

「いやだ」

「え?」

「ああなってるのは、あいつが悪いからだろ?助ける義理なんてどこにもない」

それに、今ここを動けばそれこそ可憐は心細さでどうにかなってしまうだろうから……俺は何がなんでもここを動くわけにはいかなかった。

「で、でも……」

「それより見ろよ……何もあそこまでやらなくてもいいのにな、」

「何してるの……?」

カッターナイフでザクザクと制服を切り裂く男子生徒、それに対し委員長は怯えるだけで何もしない、声もあげないし、抵抗すらしない……まるで、そうされるのが当たり前だと思っているかのように。

「何してるの……?あいつらは……」

「見ての通りだよ、制服を切り刻んでるんだ」

「何してるの……?」

「?だから……制服を……」

「あいつらは……何してるの……何してるの、何をどうしてるの?」

「か、可憐?」

すると、委員長を切り刻むカッターナイフが吹き飛んだ。それはもう見事に、映画でよく見る敵の銃を狙って撃った銃弾のごとく可憐の投げた上履きは、男子生徒の持つ得物にヒットした。

「可憐……」

「……」

「誰だ!!誰だよこんなことしやがったやつ!!出てこい!」

「可憐、出ていくことは無い」

「うん……」

「出てこねぇなら……」

「っ!!」

男子生徒は懐から新たなカッターナイフを取り出すと、刃を出し委員長の顔へと瞬時に振り下ろした。

ーその刹那、俺の袖を掴んでいたはずの手は離れ、そして、さっきまでここにいたはずの少女は壁になっていた生徒の全てを吹き飛ばし、例の男子生徒を蹴り飛ばしていた。

「っ!!」

「ゲハっ!!」

「お前は……女の子の顔になんてことしようとしてるんだ!!!」

その姿はさながらヒーローのようだった。

男子生徒もあまりの激痛に立ち上がることすらできないようであった。

まぁ、、今回は主人公という立場の俺の出番は全くなかったのだが、可憐は委員長を掴むと全速力で俺に向かって《ジャンプ》してきた……え?ちょ、待って?おいおい、嘘だろ?おい!!

「トメテェェェェェェェ」

「おまっ!?ちょっ!待ってろ!」

「無理無理無理無理無理無理無理無理」

「ですよねぇぇぇぇぇ!」

そのあとの予想なんて簡単だろ?

俺が踏ん張って、無理で、吹っ飛ばされて、壁を突き抜けて、外に放り出されて……まぁそんなとこだ。

「お前……さっき止まることできただろうが……なんで俺の時は止まらないんだよ……」

「いやぁ、なんかさっきは無意識のうちに止まったんだよねぇ」

「なんじゃそりゃ……」

「それはそうと、委員長!大丈夫?」

そう言われ、委員長はビクッとしながらコクっと頷いた。

「それは何よりだね!良かったぁ」

「おいおい、まだ全部片付いたわけじゃないぞ?」

「え?」

「こんな騒動があったんだ、生徒会に事情聴取くらいされるだろ」

「そっか!頭良いね!」

お前が馬鹿なだけだろと言いたい気持ちを昼食をとっていない空腹感とともに飲み込んで俺は委員長に先程からの疑問を言葉にしてみる。

「なぁ?なんでクラスメイトのヤツら今になってこんなことしてきたんだ?今までの仕返しならもっと前にあってもおかしくないだろ?」

「……」

「確かに……そうだよね!……ねぇ、委員長?何があったのか、私たちにだけでいいから教えてくれない?」

「それは……」

「……待て」

「どうしたの?」

「もしかして、呪い系の能力にかかっていて、それで内容を話せないとかではないのか?」

「っ!」

コクコクっと頷く委員長、呪いの存在については他者に知られても問題は無いということだろう。

ただ、頷くだけということは、他言はNGということか……。

「なんで分かったの?蓮太は」

「ほれ、よく思い出してみ?こいつはやられる度にやり返してたろ?最初は」

「うん……てか、それ私が教えた事じゃん」

「それなのになぜ途中からやめた?」

「……男子生徒の一人に弱みを握られてて……」

「違うな、こいつは弱みを握られてもいいだろ?だって、元から敵だらけだ、たかだか相手が全校生徒に変わるだけだし」

「いや、結構しんどいと思うよっ!?」

「うるせ、気に食わなきゃ能力でどうにでもできるだろ」

「あー……って!だめだめ!それはやっちゃダメだよ!?」

「いいから聞け、こいつがなんで動きを止めたかなんて簡単だ」

「今度はふざけないでよ?」

「呪いをかけられたから、それしか考えられんだろ」

「えっー」

委員長は可憐が自分を見つめていることになんて気付かず一人で肩を震えさせていた。

「なぁ、委員長……呪いの種類は話さなくていい……ただ、お前が何を知ったのかだけ教えてくれ……」

「……」

俺のスキルの中には一定時間呪いの効力を受け付けないようできるものがあった。

それを使えばこいつの呪いは発動しない。

「頼む……」

「……わ、私は……」

その僅かに開いた口から発せられた言葉は可憐には理解されず、俺にだけ……ずしんと響いた。

「unknownのメンバーが全員……殺害系の能力者だって……こと」




本編楽しんでいただけたでしょうか?

それは良かった(何も言っていない)

次回はなんと!今作ヒロインのネイカとの放課後デートです!楽しみにしててください!

……え?ネイカは可愛いのかって?イラストがないからわからないとかですか?

……はぁ、妹はどんなものであっても可愛いんですよ!分かりますか!?よーし!ここで語っちゃいましょうか!えっとですね((ect

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