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副会長とチャラ男による放課後相談部の実態(2)

楽しんでいってください

「まぁ座れよ」


チャラ男先輩に促され僕は再度椅子に腰かける


「失礼します」


先輩がさっき言った言葉……「お前いま悩みがあるだろ」 どういう意味だろうと考えながらも緊張しながら身を構える


「それで?」


ふと先輩は問いかける 意味がわからず「それで…?」と復唱することしか出来なかった


「副会長くんの悩みだよ 聞いてやるって言ってんだよ」


「は?……いやいや良いですよ 大体悩みなんて無いですし…」


先輩からの提案を全力で拒否する

なんなんだ?この人急に悩み聞くなんて言い出して


「まぁ 遠慮すんなよ」


「いや してませんし何で悩みなんか話さないといけないんですか?」


「じゃあお前なんの用で来たんだよ」


「そりゃあ 部活の会計報告書を渡しに来たんですよ」


「…」


「…」


しばらくの沈黙

なにか考えているようだ その証拠に首を傾げたり

傾げ過ぎて首を回したりしてる…凄い速さで

いや…考えているときに首は回さないだろ…

突っ込もうかと迷っていると


「あ そうだったね」


「いやいや 今の長い沈黙要りました!?」


時間のわりに簡素でほとんど内容の無い返事に驚き ツッコミを入れる

なんなんだこの人…


「それより 早く話せよ悩み」


「え? 今の話聞いてました?」


「もちろん」


「じゃあ今あなたに悩みを話す理由は無いですよね」


先輩は顔を若干うつむかせ

声音を低くして 含みのある言い方をする


「今の話ではな…」


「どういうことでしょう」


「それは…」


「それは…?」


「この部活の実態がお悩み解決する部活ってことだよ……察しろよ」


「え?」


さっきまで実態は話せないみたいな雰囲気だったのに

急に話始めたよ!!

本当にこの人…分からない… それこそ会長と初めて話した時並だ


先輩の言葉の最後が少しイラついたので

強気で問い返す


「いやいや そんな察しろよとか言われても無理ですよ!!」


「あれ?そうなの?うちの部員はみんな話す前に全部察したけどな」


それがまるで当然で常識のように答える先輩


「まさかの先駆者がいた!? ……っていうかその人たちが特殊なだけですよ普通はそこまでわかりませんよ」


「それが普通…なのか?」


今度は上京してきた田舎者が都会の常識を知らなかった……みたいな驚いた反応をする


「えぇもちろんです」


僕が自信をもって答えると

先輩は「そうか…それが普通…普通…」と小声で呟いている……はっきり言ってちょっと怖い

さっきからキャラ変わりすぎだろ この先輩…


「そうか…悪かった 最近 頭いいやつとずっと過ごしていたから普通の人の気持ちが分からなかったすまん」


「若干ディスられているようにも感じますが…まぁいいでしょう」


先輩の言葉は悪びれも無く

本気な感じもしたので一応許す?というより苛立ちは無くなった


「いやぁ ごめんね凡人の気持ちが分からなくて」


「それ 完全にディスってますよね!?」


前言撤回…苛立ちはすぐに復活した


「っていうか早く話せよ 間が持たねぇんだよ」


「間が持たないかどうかは知りませんが嫌です絶対に嫌です」


「何で?」


若干睨みながら先輩は言ってくる

はぁなんで僕にらまれてんの?

こっちが睨みたい気分だわ!!


「理由は二つあります まず一つはあなたを信頼できません」


「おいおい正直にいってくれるじゃねぇか」


反論の隙を与えず僕はすかさず言葉を滑り込ませる


「だってそうでしょ この部活がお悩み相談の類いっていうのは分かりましたけど そこに守秘義務はあるのですか? 個人情報の流出や人権の侵害になりませんか?」


先輩は黙って聞き

そして「なるほどな…」と軽く言って続ける


「確かに理由は分かった でも安心しろここで話したことは他言無用…つまり今ここにいる人以外 誰にも言わない」


さっきのような真剣な眼差し でもこの人は簡単にキャラが変わる それはつまり簡単に主張が変わるって事だ

それにこんな人に論破されるのも気に入らない

そこで僕は足りない一つの要素を指摘する


「証拠は?」


証拠…それさえあれば簡単に物事を解決できる

逆にいえばそれすらなければ解決はかなり難しくなるということだ

さぁどうでる?

僕の問い掛けに先輩は……


「それ」


と端的に言って 僕がさっきもらった紙切れを指差す

僕は「え?」としか返せなかった


「その領収証の中身を確認してみて」


恐る恐る見てみるがそこには普通に数字が刻まれているだけ それこそ普通の部活となんら変わらない……

いや それはおかしい

こんなあまり認知されていない部活にこんなに予算が下るはずがない


「気づいたか?」


「…」


「ちなみにそれは生徒会から……いや春一から直接予算を貰っている もちろんそこにあるように私情には使ってない新刊の購入や古書の処理に回している まぁうちには読書好きが多いから新刊が最初に読めるってのは結構でかいんだよ」


後半はどうでもいい

それより会長から直接予算を貰っている…?

あの会長が?……

会長のやることは全部合理的だ

残念ながらここは信じるしか無さそうだ


「分かりました 信じます けど僕は理由は二つありますって言いました」


「おう いってたなそれで?二つ目は?」


「それは僕自信に悩みが無いことです 言っときますけど勉強も運動も結構出来る方なんですよ 悩みがあるようにみえますか?」


僕は二つ目の理由を自信満々に言う 多少二つ目の理由は苦し紛れだが 先輩を黙らせる良い理由だろう…


「確かに悩みは無いように見える……表面上はな」


あっさり返された言葉にドキッとする

さらに先輩は話続ける


「――悩みがあるように見えるやつなんて

そうそういない みんな隠してるんだよ お前だって無いのか?本当に 学校 部活 生徒会 友達 家庭事情 恋愛…その中に一つもないのか?」


「うっ」


思わず声が漏れてしまう

何故なら先輩が今言った中に確実に一つ

悩みがあるからだ


「話してみろよ 俺達はお悩み相談なんかじゃない 悩みは解決する ここはそういう部活だ」


二つ目の理由も簡単に論破されてしまった……数秒考えたのに僕はしぶしぶ「分かりました…」と答えていた



ご閲覧ありがとうございました

ヒロインと主人公は次話で出す予定です

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