6.冒険者登録と緊急依頼
さぁ、俺の冒険を始めよう・・・と思ってるのに邪魔が入って進みません。
「マイクさん、ポップコーンが食べ・・・・冒険者として登録したいんです。身分証明書も欲しいし、仕事も欲しいので、というのが動機です。お願いします。」
「良いだろう、初登録は身分や能力に関わらず、必ずEランクからだ、受ける事が出来る依頼は、一つ上のランクまで、例外として該当するランク以上の物が同伴する場合は、2つ上まで受領可能だ。あと、ギルドからの強制依頼は発生した時点で、必ず受けてもらう事になるので注意してくれ」
「受けなかった場合の罰則は?」
「最悪、登録抹消、良くて免許停止処分だな、停止の解除は、ギルド長の判断で決まる。まぁ、こちらとて冒険者を無駄死にさせるような依頼はしないつもりだ。ああっとすまんな、言い忘れたが、強制依頼はCランク以上が義務であり、D・Eランクについては無理に受けなくて良い事になっている」
「ランクは、E・D・C・B・A・S・SS・SSS・EXまでとなっているが、この国にいるのはSSランクまでだ、ってがっかりするな、お前さんにも分かるように説明するが、Cランクで一人前、オークやリザードマンクラス、Bランクでベテラン、オーガやトロールクラス、Aランクで亜竜やグリフォンクラス・Sランクで下位竜や上位巨人等の都市災害クラス・SSランクで中位~上位ドラゴンや悪魔等の国家災害クラス・SSSで魔王・下位魔神・竜王等の大陸災害クラス・EXランクで邪神・異世界神・時空竜のような世界破壊クラスだ」
「ちなみに、俺とそこにいる」「このアインガー・ゲイ・クールマッスルは数少ないSSランク冒険者だよボーイ」
「あと、緊急依頼だな。これは依頼主が一刻を争う状況の場合や、期限が決まっていてかなり急がなければならない依頼の時に発生する。条件にランクを問わないと入っている場合のみ、ランクを無視して受領する事が許されている、ただしこの場合は、一切の責任は自分自身に帰結する事になる、要するに死んでも知らんぞ?」
バタン!部屋の扉を凄い勢いで開けたのは受付嬢らしき服装をした女性だった。
「ギルドマスター、先ほど登録が行われた緊急依頼ですが、主だった腕利きが出払っており受け手がいません。内容としては人探しの分類なのですが、相場ギリギリの値段であるのと、神樹の森には例のアレが出るという噂も出たばかりです。同ランクや下位ランクからも受領する人が出ません。」
「俺に詳しい内容を教えてくれ!・・・早く!!」
「あ・・・ああはい、町に住む女性からの依頼ですが、妹さんが神樹の森に出かけたまま帰らないそうです。Dランクとして出てはいますが、保護対象を発見、護衛して帰還する必要があり、昨日から行方が分からなくなっている為、時間も重要になってきます」
「良し、直ぐ行くから手配してくれ、頼む」
「え?ちょっとまだ依頼報酬の提示すらして」「そんな下らない話は後だ、命が掛かっているんだろ?」
「ボーイ・・・その目、どうあってもやる気だね?私が助けてくれると思っているなら残念だが手は貸せないよ?嫌だからとかじゃないんだ。町から離れるわけには行かない理由が有ってね」
「そんな事思っちゃいないさ、森で一人困っている女の子がいる、それだけで十分だ。もし、その子が死ぬようなことがあれば、俺は助ける事が出来なかった自分を許せない」
「坊や・・・頼んだぞ!」
「ああ、そんな結末は・・・俺が許さない!!!」