表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

4.冒険者始めます

アインに連れられて、街の中をグルッと回った。

 ここいら一帯の領主らしいアインは、性格には多少、大分、いやかなり問題があるが、領民達からは慕われているらしく、顔を合わせる度に、挨拶と尊敬の眼差しを向けられている


向けられている本人は「俺の上腕二頭筋が、またしても領民達を魅了してしまった」だの「薔薇の香水の如く香る、俺の気品が女達の心をワキ掴み(鷲掴みの間違いだろ)にして離さない」だとか好き勝手な事を言いながら、ポージングしてやがる。


「それで、お前さんはこの街で何がしたいんだ?まさか俺の筋肉に憧れて来た、欲しがりやさんではあるまい?」


 「っしゃ!んなろー!」鞘が付いたままの剣でフルスイングからの突きをぶちかます


 「アフン!ハオォン や・・やるじゃない」頬を赤く染めた変態が、もっと来ても良いんだぜ?とでも言わんばかりに視線を向けてくる。


 話が進まんだけでなく、気持ち悪くなってきた。

 強引に行こうと心に決めた。


 「話を戻すが、働きたいのと、身分証明書を手に入れたいんだ」


 「ふむ、冒険者ギルドに行くのが手っ取り早い方法だな。だが、気をつけるんだぞ?お前さんのような良い男・・若い肉体じゃなくて、世間知らずが行けば、無頼漢に絡まれる事もあるだろう。」


 「なるほど、これで俺も冒険者になれるのか、楽しみだぜ。」


 「このアインガー・ゲイ・ハードマッスルの肉体に惑わされ、溺れはしたが、お前さんならば立派な冒険者になれるだろう」


 「偉そうにサムズアップしてんじゃねぇ!

誰が!オラァ!肉体に惑わされたって!アァ!?クラァ!」


 「ホァ!この、このアインガーに!ここまで、まさか鞘をぶち込むアァー!何たる暴挙!何たる冒険心!持て余ます!持て余ますゥウウウウウこの冒険者め!クソっ!お前さんは・・・・誰よりも冒険者だぁ!ハァァァ!リ・・・リフレーーッシュ!」


 光に包まれて昇天した変態のせいで、俺の冒険者デビューは有耶無耶になってしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ