1.異世界転移とラッキー様
光が消えて視界が開けると、森から草原へ出る所だった。
森から草原へは、道が続いている事から察するに、人が出入りする森なのであろう事が分かる。
というか看板が立っているじゃないか「神樹の森」というらしい、良く見ると空高く・・・・雲を突き抜けて?何あの樹ってばヤダ、宇宙まで行っちゃったりなんかしそうですね!
ハッピー様が住んでるのかもねって思った。転生して若返ったからか体も軽いが、頭も軽いとかコレ如何に。
さて、これからどうしようか、町でも村でも何でも良いから人が居る所に行くべきだろう。
看板には草原側の事も記載されている「常緑の草原」か・・・・この先に「アイン」という町があるようなのでそこに行って見ようかな。
喉が渇いたので水は無いかと、身に着けている物を確認すると、腰に黒色のウエストポーチがついていた。皮製のような色艶だけど、材質は分からなかったので、とりあえず空けてみたらポーンとシステム音のような音がした。
「始めまして守さん、ラッキーと申します。私はこの世界の法・理を司る女神ですから、良く耳にすると思いますよ?」
突然、頭の中に声が響いたので驚いたが、女神様らしい方のお告げが聞こえる
「初回だけ特別に私自身がお話いたします。このポーチは、所謂アイテムボックスみたいな物だと考えてください、中身は無限に入リますし、内部では時が止まった状態で品質管理される優れものです。」
oh!なんて素晴らしいプレゼントをくれるんだ!ラッキー様ありがとうございます。
「それは、私達3柱の女神からのプレゼントです。水と食料には困らないように残数は∞にしておきました」
「アイテムと唱えるか意識すれば中身が見れます」
むむむ、アイテムアイテムっと
【アイテム】
異世界のおいしい水x∞ ハッピー印の濃厚エナジーバーx∞ ラッキー印のドロドロエナジーゼリーx∞ ヒッキー印のスパイシージャーキーx∞
おい!あんたら女神じゃないのかよ、企業戦士じゃないんだぞ、っていうかヒッキーがじゃなかった、ヒッキー様が一番まともじゃねぇか。
「料理とかする必要ないっていうか、ほら私達ってば神だし~みたいな~」
キャラ変わってるじゃねぇか、まともな人、いや神が来たと思ったのに。
「飢えないって大事ですよ?こんなサービスめったにしないんだから!オマケはおしまいですよ、貴方の新しい人生に幸あれ」
どこぞの歌姫みたいな事いって誤魔化しやがった。
まぁいいか、俺は「異世界のおいしい水」と書かれたパッケージにハッピー・ラッキー・ヒッキー監修とか無駄に凝ったデザインを確認した。
、栄養成分表示
熱 量 それは私達の愛と同じ、限りはありません
たんぱく質 やだもうエッチ♪
油 質 水には入って無いんじゃないかな?
ナトリウム 女神の成分由来の・・・・
最後に不審な文章が書かれていたが、キャップを空けて飲んでみた
ゴクッ・・・・ゴクゴク っぷは メチャクチャ美味いなコレ!女神かやっぱり女神だからあかんのか!成分が由来して塩なのか!
こうして、初めてのラッキー様との邂逅は、異世界のおいしい水に塗りつぶされたのだった。