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ハッピー様が守を守ると決めた理由

小説書くのって難しいですね

読むのと書くのじゃえらい違いだ

私は見事にハメられた。

 ヒッキーの癖に中々やるじゃない、まさか閲覧目録に細工するだなんて、バッドエンドは嫌いだって言ってるのによぉ!っと・・・言ってるのにね。

 どんな物語もハッピーエンドが好きな私の名前はハッピー、ハッピー様と呼びなさい?


 あれは今から一万年と二千年前だったかしら、いや八千年過ぎた頃だったかもね。

 まぁいいわ、時間とか時空とか超越した存在だもの神だもの。


 そもそも、俺だったのか私だったのかすら不確かな位生きてる?存在してるわ

 一応、女神様って方が何か良いでしょ?だから、お・ん・な・の・こ!(ババアって思った、稀によく居るそこのお前は、月が出る夜ばかりだと思うなよ?)


 脱線したわね、ごめんなさい。


 平成○○年 7月某日 ○県×町 △駅プラットホームにて 


 天道 守   年齢50歳、職業無職、昨年末に18歳から勤めていた、運送会社倒産により職を失う

 配偶者は無し、会社関係での交流以外友人及び恋人無し 親兄弟とは死別、18歳になった時交通事故で、父・母・姉・妹を失う

 自分は家族と一緒に旅行へ行かなかった為、車には乗っておらず、一人生き残る。

 

 遺産等はほぼ無く、テーブルの上に残された手紙と封筒に入った2月分程の生活費が全財産だった。

 そもそもが、この家族旅行は、親による無理心中である事をただ一人理解していたのは守だけだった。

 

 会社が倒産して、借金だけが残された親、崩壊する家庭を必死に維持しようと、パートで稼いだ僅かな給料と毎月物凄い勢いで減っていく通帳の残高を見て、青くなりながら毎日を過ごす母親。

 働きもせず酒浸りの父親が、母親に暴力を振るい、それを止める為に代わりに殴られる守と姉


 途中から気分が悪くなったので、時間を飛ばした私が次に見たのは、守が30歳を迎えた頃の事である。

 

 勤め先の会社で唯一の紅一点、仕事仲間にも人気があり、容姿・性格も抜群の事務員であった女性から告白を受けた日の事だった。


 「いつも真面目で、誰よりも頑張っている貴方が好きです。 ずっと・・・一緒に居たい」


 余りのうれしさと衝撃で無言になってしまった守だったが、思い切り彼女を抱きしめて告白を受け入れた。

 しかし、運命は残酷だった。

 帰りに待ち合わせをしたはずが、いつまで経っても彼女が来ないし、電話に出無い事に不安になった守は会社へ向かって走った。


 会社から100メートルもしない交差点で、人だかりが出来ていた。パトカーの前で警官が事故の目撃者らしき男性に事情を聞いていたのだが、そんな事よりも守の目に飛び込んできたのは大きな血溜まりだった。

 信号無視して歩道に突っ込んできた乗用車に逃げ遅れた女性が轢かれたらしい、まさかまさかまさかまさかまさか・・・・青ざめていく守は聞いてしまったのだ「事故にあったのは近くにある運送会社の事務員さんらしいわよ」「嫌ぁねぇ、礼儀正しくていい子だったのに」


 待ち合わせなんかしなければ、一緒に帰っていれば、そもそも告白なんか受けなければ・・・・彼女は、彼女は今も生きていたのに!笑っていたはずなのに!あああぁぁっぁぁぁあああああ!!!



 この日以降会社の業績は落ちてく、働く人間達にとって精神的な支柱だった女性の死、その死後に人が変わったかのように感情が抜け落ちた守を見て周りの仲間達も離れて行った。



 そして、今に至るっと・・・なるほどねぇ、散々な人生だわ。良いとこ無しって程でもないけど、後悔なんか山ほどしただろうし、絶望するキッカケも無数にあったんだね

 気に食わないストーリー展開もそうだけど、一度も運命に抗う事も無かったし、何より与えられた選択肢の真っ黒な所が気に入らねぇ!ああ絶対にだ!


 これからいつ死んでも良い、どうやって死のうかなんて考えてる面してやがる。心なんか読まなくても見た目で分からぁな。

 だけど、一回だけチャンスをやる 何の因果かこのクソ展開の人生覗いちまったんだ。


 ここでお前が俺の望みに応えたら、もし本当に一歩踏み出してよぉ!何もかも捨てて最後くらい望んだ結果を叶えて笑えたなら・・・・誰でもない俺が、祝福してやる、誰よりも大切に想ってやるさ!愛してやるよ!!

 

 だからよぉ?雛鳥が殻を破るように、赤ん坊が始めて立ってヨチヨチ歩きするように、お前の最後を劇的に飾って見ろよ!!・・・・ねぇ・・・私に希望を見せてよ!


 ハッピーエンドが好きだという彼女が、何故、ここまで必死になったのかには実はカラクリがある

 バッドエンドで絶望している所に急展開、絶望が希望に変わり、希望が未来を照らすような話に彼女は出会った事が無かったのだ。

 さらに言うなら、バッドエンドを嫌い、とことんまで見なかった事によって絶望に対する耐性がなかったのだ。

 ヒッキーはそんな彼女の欠点を分かっていながら見せたのだ、どこにでもある不幸を、選択肢を間違えれば、一歩踏み外せば誰もが見るかもしれない絶望を、そして、希望につながる原石を磨かないままに朽ちようとしているこのストーリーを見せたかったのだ。


 我慢できずに守の人生に介入するハッピーを見たかったのだ。



 この世界における、所謂、女子中学生に扮したハッピーは熱狂し、渇望し、夢想していた。

 絶望したように、投身自殺を行おうとする自分を、きっと守が助けに来てくれる。あの無気力で今にも自殺しそうな、頼りない男が、絶望の殻を破って私に希望を見せてくれる。


 途中から方向性が変わっている事に自分でも気づいていなかった、ヒロイン役に扮しているハッピーは、形は違えど、白馬に乗った王子様を待つお姫様であり、求め焦がれた結果を待つ気持ちのタガが外れて暴走していた。


 助けて・・・守!!私に飛び込んできてぇ!!(もうなんだかぶっ飛んでムーンサルトでアイキャンフライだとか言っちゃ駄目だよ?数億年ぶりの恋なんだからbyヒッキー様)



 「その結末は俺が許さない!」

 


 こうして神様は守を守る事に決めた・・・っていうか恋した挙句に、いっぱい優遇をして、最終的にハネムーンでゴールインで土器が胸々な展開まで妄想してしまったのだった。

性別未設定のキャラを表現するような技術が・・・・・無い!!!

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