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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
究明編
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息子

サムはどこ。一週間の内に三日帰ってくれば良い方で、帰ってきても深夜。お酒の臭いはしない。


仕事なら良いのだけれど連絡もない。私が忘れっぽくなってるから、強く追求も出来ない。


支えを無くした枯木は脆くなるもの。自宅の階段を踏み外して脚を骨折してしまった。


私『うん・・・苗も看病してくれてるし、安静にはしてるけど。』


佐村『そうか。大事にな。』


私『今日は・・・もう切れた。なんで・・・なんで・・・ううわあああ』


最近は私が悲しくなると美知が目の前に現れる。変なことばかり言うから妹は嫌いだ。



ー某ファミリーレストランー


佐村『ごめんな。忙しいだろうに。』


美知『いえいえ、私も独り身ですし、むしろお姉ちゃんが迷惑をおかけして申し訳ないです。』


佐村『きっと一週間も俺が家を空けたら、あいつもパニックになるだろうからさ。』


美知『・・・ここまで酷くなってるとは思いませんでした。』


佐村『この半年で急に。兆候はあったんだろうけど、甘く見てたな。二人はどうだ。』


美知『苗はそれなり。葉は何してるかわからなくて・・・』


思春期という言葉で片付ける事が出来るならば簡単なものだ。


佐村『まあ、葉は男だし、適当にやってんだろ。』


美知『有名人の息子が何かやらかしたら、大変な事になりますよ。』


佐村『・・・俺もう辞めようと思ってんだよ。ミュージシャン。』


美知『え・・・お姉ちゃんは知ってるんですか?』


佐村『いや。』


佐村は唇を噛んだ。夫の仕事さえ忘れた妻の姿を思い出してしまったからだ。


佐村は溜息一つ。情けない姿を見せたくなくて、ふと窓の外を見た。葉・・・?


葉『病院に気づかれたら、すぐに捕まる。俺が捕まる。』


葵『信号変わってるよ。』


葉『・・・絶対に離すなよ。』


葵『わかってるよ、死にたくないもん。あそこに秘密があるはず。』


あれは確かに葉だ。バイクに乗っている。後ろに葵を乗せて。佐村はその姿を人見と私に照らし合わせた。そして、深く息を吸い込んだ。


美知『どうされたんですか?』


佐村『いや・・。」


夕陽に向かって走り去る息子。それを止める事の出来ない父親。私はそんな事つゆ知らず、今日もベッドの上で天井を見つめる。何を思うわけでもなく。私は独りぼっち。


夜20:00頃、久しぶりにドアの鍵が開く音を聞いた。


佐村『ただいま。』


私『おかえり。』


沈黙が流れる。もう慣れた沈黙。でもいつもより早い帰宅が気になって沈黙を破った。


私『今日は早いね。』


佐村『ああ。実はさ・・。』


サムは音楽を辞めると言った。私はハッとした。何故だか妙な気持ちになった。これは悲しみ?怒り?


私『私のせい?』


佐村『そんなんじゃない。中谷からも言われたんだ。飽きた?って。人から指摘されると、そんな気がしてくるよな。』


サムは笑っていた。笑っていたんだけど、直ぐに神妙な顔をして、私に訊いた。葉の事だ。今日はまだ帰ってきていない。いつ帰ってきているのかも知らない。あれ・・葉?

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