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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
究明編
50/61

寂しいね

葵『え、退院したんだ。』


葉『な。千香に伝える必要はなかっただろ。』


葵『元気で戻ってきたの?』


葉『・・・マザコンじゃないし、知らねえよ。』


葵『ちょっとこっち向いて。』


葵が葉の顔を見ている。キスでもするのか。


葵『千香以外の疲れが顔に出てるよ。』


葉『なんで、そんなことわかるんだよ。』


葵『千香探しを終えてから、ずっと気になっていたから。』


頬をつねってみると痛かった。ずっと気になってた?そういえば、千香や男友達がいないときは、よく二人きりで話してる。あんな夢も見てしまったし。


葉『実は思ってた以上に病人の顔をしてて、何というか・・・もうダメなんじゃないかって。』


葵『ちょっと調べたんだ。葉のお母さんのこと。』


葉『調べた・・・ネットで?冗談言うなよ。なんで一般人の俺の母さんの情報がネットに転がってるんだよ。』


葵は家に来たらわかると言う。でも千香とのいつもの約束がある。悩んだ葉は千香に急用の連絡を入れて葵の家に行った。


葵『コーヒー淹れるね。』


マイコーヒーメーカーが音を立て始める。その音を聞いていると葵が怪しげなサイトを開いていた。お気に入りのサイトのようで、スムーズにサイトの深部に入り込んで行く。


裏風俗女子校生監禁事件


1987年に起きた事件らしい。岸谷守という男が当時17歳の少女Aを拉致監禁したという事件。同時に現場で営んでいた裏風俗と大麻草の栽培も明らかになり社会を騒然とさせた。


サイトでは当時の報道映像と週刊誌の画像を見ることが出来た。


葉『白瀬色葉(しらせいろは)・・・母さんの旧姓じゃないか。』


葵『で、この事件って奇妙な部分があってね。事件が発覚して数日くらいは仰木瞳(おおぎひとみ)って人が殺されて埋められたって報道が週刊誌やテレビ、新聞に取り上げられてたんだけど、急にそれがなくなったの。』


葉『ああ、これか・・・確かに取り上げられなくなってるな。誤報だったんじゃないか?』


葵『残念ながら誤報じゃないの。様々な事件を考察しているサイトによると、少女Aが犯行に加わっていたからっていうのが有力なの。脅されてか洗脳されてかは、わからないけど。』


淡々と話し続ける葵に葉はあの事を思い出した。


ーずっと気になっていたからー


葉『ずっと気になっていた彼氏の母親の過去をなんで調べてんだよ。せっかく家に来たんだから・・・。』


葵『は?彼氏って何。』


変な空気が流れてる。


葉『お、お前が言ったんだろ。』


葵『もしも私が葉に惚れても、千香がいる限り近寄ったりしないよ。』


葉『最近は良く、二人きりで話してるじゃないか。千香のいないところで。』


葉を無視して話は続く。


葵『・・・ちゃんと事件の内容を聞いて。ここは裏風俗をやってて、大麻も栽培していた。だから、助かった少女Aこと色葉さんは洗脳に近い状態だったはず。』


コーヒーが出来た。2人分のコーヒーがコップに注がれる。ブラック?砂糖は?ミルクなんだ。私はブラック。ミルク慣れてないから、甘すぎたらごめんね。


葉は思った。千香より大人っぽい。


葵『千香とはどう?』


葉『別れたいとは思わないけど、別れても構わない。それほど興味がない存在になってる。』


葵『ふーん・・・つい最近別れたんだよね・・・私。』


先日の夢とリンクした発言。もしかして・・・。


葉『別れたら来る?』


葵『いや・・・お互いが納得する別れ方なんてないんだよ。私が経験してるから。』


コーヒーにミルクと砂糖を混ぜながら葵は語る。


葵『正直に言うと、葉を彼氏の代わりじゃないけど話し相手にして、自分を納得させてる部分はあった。でも、それ以上でも、それ以下でもないんだよね。一時の癒しというの?麻薬みたいなもの。』


コーヒーが出来たらお菓子の準備。


葵『ちかりんに味あわせたくないなー、この嫌な感じ。』


ピロン


さみしいぉ(。-_-。)ちかつ〜ん


葉『っち。ほとんど毎日会ってんだろ。』


葵『だから、寂しいんだよ。』

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