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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
捜索編
42/61

家出終了

葉『嘘だろ。』


千香『・・・ごめん。』


葉『歩き疲れて脚が痛いんだよ。』


千香『だろうけど・・・ごめん。』


葉『バリアフリー専用トイレを探せって誰が言ったんだよ。』


千香『だって予算が・・・。』


葉『それはなんとかなるって。俺を信じられないのか?』


千香『ちょっと不安になってきた・・・。』


葉『今日バイトの面接に行ってきたから、もう暫くだ。』


千香『もう暫く・・・まだ続くの?』


葉『まだ続くって、なんだよその言い方。体も触らせてくれなくなったし。』


千香『い、今は安静にしておかないと・・・。』


葉『優しくすれば良いんだろ?』


葉は千香の体に優しく触れた。


千香『触らないで!!』


千香が大声を出したから少しだけ躊躇した。でも我慢出来なかった。


千香『やだ!!』


葉『静かにしろって。』


千香『これじゃまるで・・・んん・・・。』


口を塞がれると力が抜けてしまう。胸まで触られたら・・・ん?


千香『もしかして・・・お酒飲んでたりする・・・?』


アルコールの匂いがした。


葉『急に尋ねての面接の後、貰ったんだよ。悪いか?』


千香『だ、だって葉・・・おかしいよ・・・イヤ!?』


葉『もうヌルヌルじゃん(笑)実は待ってたんだ・・・ろ・・・。』


葉は自分の指を見て固まった。千香もまた、それを見て怯えている。


葉『なんだよこれ。』


千香『それは・・・な、なんだろ・・・。』


覗き込む葉の顔が怖い。


葉『俺も少しは勉強してんだよ。また嘘だったのか。』


千香『嘘というか・・・なんというか・・・。』


葉『もう俺、限界。別れよう。』


千香『待って!!これは私の勘違いで・・・。』


葉『っていう嘘だろ。』


千香『・・・。』


葉『付き合い始めたのも嘘から。綾乃はどうしてるんだろ。』


千香『・・・バイバイ。その名前は嫌いなんだ。』


葉『ああそうか。俺は千香って名前が嫌いになった。』


千香『・・・だから、バイバイ。ちょっと疲れた。』


葉『おい。』


千香『・・・なに。』


葉『変なことは考えるなよ。』


千香『・・・変なことしたくせに。』


葉『変な嘘で俺を騙して、今度は涙?』


千香『私が1から100まで悪いのかな。』


葉『は?』


千香『今回はセーフだったけど、あんな変なことを頻繁にやってたらどうなるか、葉もわかってたはずだよね。』


葉『だから何回も確認したろ。大丈夫なのかって。それをお前が大丈夫だって・・・。』


千香『私が悪いみたい。』


葉『いや、悪いとかじゃなくて・・・あ。』


ちょっと赤い鼻と潤んだ瞳が見えたけれど、また嘘つきの手口だと思ったから、引き止めなかった。駅も近いから、また明日学校で会えると思った。


葉『・・・。』


そーっと・・・ガ・・・チャ・・・


穂『葉?』


葉『(なんで穂さんが居るんだよ・・・。)あれ、母さんと父さんは?』


穂『もう家出やめちゃったんだ。』


葉『不都合が重なったんだよ。』


穂『ふーん。まあ、深くは掘り下げないけど、お母さんのことが気になったんでしょ?』


葉『・・・完全に忘れてた。』


穂『なるほど。親よりも大事な人のことで頭がいっぱいだったんだ。』


葉『掘り下げないって言った癖に。』


穂『女の言葉は簡単に信じちゃダメなんだって。もし気づいたとしても騙されてるフリをしてくれるのが最高の男だよ。』


葉『そんな考えだから・・・。』


穂『結婚出来ないって言いたいの?』


葉『ズルいんだよ、女は。』


そう吐き捨てた葉は自分の部屋に逃げた。しばらくして、穂は例の特製スープを持って葉の部屋の扉をノックした。


穂『お母さんから教えて貰ったスープを持ってきたよ。扉を開けて。』


葉『俺のことはほっといてくれ。』


穂『ほっとけないよ。』


葉『・・・苗は?』


穂『寝てる。元気がないなら、何か食べなくちゃ。』


葉『癒してくれんの?』


穂『癒す?話は聞いてあげられるよ。』


葉『じゃあ、入ってきていいよ。』


扉を開けると、葉はベッドに座ったまま俯いていた。


穂『振られたの?』


葉『俺が振ったんだよ。あまりにも嘘が酷かったから。』


穂『どんな嘘?』


葉『妊娠。』


穂『ああ・・・思い当たる節はあったから騙されたんでしょ(笑)』


葉『だから、癒して。』


穂『えっ?』


葉は穂の髪を撫でるようにして触った。


穂『ぷっ。』


葉『癒してくれるんだろ?』


穂『身長が私を越したからって、調子に乗ってんの?私の目に映る葉は、いつまでも小さい葉なんだから(笑)』


葉『一回だけでいいから!!』』


穂『可笑しいから止めて。』


葉『・・・。』


穂『私もそうだったからわかる部分もあるけど、世の中は自分の思い通りに回ってると思ってない?そんなんじゃないからね、世の中は。わかったら、早くスープを飲んで感想を聞かせて。』


そう言うと穂は扉を出た。暫く廊下の壁に凭れていた。気付いてしまった。


穂『近くで見ると目元がヒトミンに似てた・・・なんで・・・。』


結局、朝まで葉は自分の部屋から出てくることなく久しぶりの学校へ登校した。昼休み中だ。私のことは忘れてる。


葉『あれ、千香は?』


千香の机に千香がいない。


葵『愛の逃避行中。一緒じゃなかったんだ(笑)』


葉『・・・。』


葵『どうしたの?』


葉『放課後、一緒に千香の家に行こう。』

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