表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
失踪編
4/61

誕生日

葉『元気?』


綾乃『家で練習すればいいのに。最高の先生がいるじゃん(笑)』


葉『嫌いなんだよ。千香、俺のは?』


千香『これも持って帰ればいいのに。はい。』


葉『ありがとう。バレたら最悪だろ?昔話を聞かされるだけだ。』


晴樹『そんなに嫌いなのか。』


葉『・・・練習、始めよう。』


家族サービスとは言っても、葉は不在だから、三人でショッピングモールに出かけた。


私『葉がね・・・。』


佐村『14歳なんてそんなもんだって。』


私『15歳よ!!』


苗『パパ、私の年齢覚えてる?』


佐村『ちょっと待て・・・4年生・・・10歳?』


苗『当ったり(笑)』


私『計算する意味がわかんない。』


佐村『そろそろブラとか着けるんじゃないか?』


苗『・・・キモ。』


私『ははは、どうなんだろ。見た感じだと、まだいらなそうだけど、見て見ようか。』


こんな感じで男の子と違って、女の子は本当に成長がはやい。


佐村『葉の誕生日プレゼントはいいのか。』


私『買うよ。でも、何が欲しいのかわからない。男の子って思春期、何が欲しいの?』


佐村『何が欲しいって言われても・・・俺の場合は既に音楽で食って行くと決めてたから・・・いや、15の誕生日は何も貰ってないぞ。』


私『ギター継がせる?』


サムは少し笑いながら首を傾けた。


佐村『今って有名になるのは簡単だけど、有名になってからが大変な時代だろ?それに、どんなに努力を重ねてプロになれたとしても、親の七光りって言われるだろうし。だから、目立つ職業はやらせたくないんだよな。』


ちょっと驚いた。ちゃんと葉の将来の考えは持ってるんだ。それなら、もっと積極的になってくれればいいのに。


葉『なんか不自然なんだよなー。』


綾乃『うーん・・・あ、あった。これじゃない?』


葉『コード進行の禁句・・・?』


綾乃『不自然に聴こえるコード進行があるんだって・・・難しいね。』


葉の誕生日プレゼント・・・どうしよう。


佐村『現金をやればいいじゃないか。その方がこっちも楽だし、葉も楽だろうし。』


私『去年までは欲しい物を言ってくれてたから、楽だったんだけど・・・。』


去年はスマホをねだられた。ついでに防犯用に苗のスマホも買ったから拗ねたのかな。


話し合った結果、無難に洋服を買ってあげることになった。喜んでくれるかな。


ガチャ・・・


私『ただいまー。葉、帰ってる?』


葉『あ、やべっ!?』


綾乃『ちょっと!!もう、帰って来たじゃない!!』


苗『久しぶり(笑)』


綾乃『ははは、久しぶり・・・。』


私『綾乃ちゃんだっけ?』


綾乃『す、スタジオ見学してました。』


ガチャ・・・


佐村『まだ、明るいのになあ・・・あれ?』


綾乃『どうも・・・。』


葉『まだ、俺たち用事があるから。』


ガチャ


私『あ、ちょっと待って・・・行っちゃった。』


佐村『あの娘、誰?』


苗『ふふふ。』


苗がサムに耳打ちしてる。私は葉に電話をかけた。


綾乃『素直に言えばいいのに・・・。』


葉『スタジオを見せてくださいってか?絶対に嫌だ。スタジオの中に父さんの私物が置いてある棚があるけど、どうせ、父さんがいたら見られない。』


綾乃『でも、その私物の中に作曲ノートなんて本当にあるのかな。』


葉『・・・見せて貰ったことがある。高校生の時に毎日、思いついたフレーズをノートに書き留めてたんだって。』


綾乃『やっぱり・・・葉はお父さんが好きなんだよ。』


葉『俺は父さんなんか・・・俺は綾乃が・・・。』


プルルルル・・・プルルルル・・・


出ない。せっかく、サムが3年振りに葉の誕生日、家に居るのに・・・。


佐村『なんだよ、あいつ。自分の誕生日、忘れてるんじゃないか。』


私『少し人見の遺伝子が混ざってそうだよね、あはは(笑)』


軽い冗談をかましたつもりがサムの怒りを買ったようだ。


佐村『今、なんて言った。』


私『え。』


佐村『あいつ、俺に似てないなと思ってたんだけど。』


私『鼻がサムにそっくりだし・・・歩き方もそっくりじゃない・・・。』


佐村『・・・何か、隠してないか。』


私『・・・。』


確かに思い当たる節はある・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ