また、無理をしてしまった
私のお父さん探しの企画が通ったとサムのマネージャーの羽田さんから連絡があった。その企画の打ち合わせなんだけど・・・。
羽田『色葉さん、元気ないですね。』
私『ちょっとね・・・気にしないで・・・。』
羽田『気になりますよ!?』
佐村『家庭の問題だから気にすんな。』
葉から本気で怒られた。心配だったからメールを送っただけなのに。
私『おかえり。』
葉『・・・。』
私『やっぱり、お昼食べられなかったの?ごめんね・・・朝起きられ・・・。』
葉『煩い。』
私『煩い?だから、お昼・・・。』
葉『もう、弁当なんかいらねえよ!!あと、電話もメールも絶対にかけてくんなよ!!』
そういうのが嫌な年頃だってことはわかってたけれど・・・。
私『はあ・・・。』
羽田『落ち込まないでくださいよ。僕にもそういう時期ありました。』
私『私にもあったよ。あったから、子供には嫌われない親になるのが目標の一つだったのに・・・。』
佐村『羽田、結局、色葉の扱いはどうするつもりなんだ?』
羽田『モザイク処理も犯罪者みたいだし、かといって顔出しも危険な感じがするから、そこは、色葉さんに委ねようと思いまして・・・。』
どうせ、私に選ぶ権利なんてない。サムがモザイクと言えばモザイクだし、顔出しと言えば顔出しだし・・・んなことよりも、葉が私から離れて行くのが辛い・・・。
葉『ちょっと短髪に明るくしてみた。どう?』
千香『かっこいいじゃん!!先生にいちゃもんつけられるかどうかギリギリのラインの色だね(笑)』
葉『明る過ぎるのもチャラいし。このくらいの色でも良かった?』
千香は笑顔で葉に抱きついた。
葉『この頃、多過ぎない?』
千香『葉が私の家に来る頻度がね(笑)十代の母になっちゃおうかなー。』
葉『何言ってんだよ。十代の母には誰でもなろうと思えばなれるかもしれないけど、十代の父には中々なれないんだぞ。』
千香『真面目なこと言わないでよ。冷めちゃう、萎えちゃう、ため息出ちゃう。』
葉『今日も持ってないんだろ?』
千香『持ってないけど、もう良くない?一度だけ、そのままで"した"じゃん。』
葉『そういえば、アレ大丈夫だった?』
千香『まだ、わかんないよ。そう簡単に出来るわけないじゃん。出来なくて困ってる人たちもたくさん居るんだし。』
葉『来てる?』
千香『まだわかんないんだって。周期もまだよくわかってないし・・・。』
葉『なおさらダメじゃん。っていうか、中学の時と変わったよな。』
千香『私・・・?』
葉『うん。』
千香『だって・・・いや、なんでもない(笑)好きだから、こうなってくのは自然じゃない(笑)ゴールインなんて考えてなかったけど、ずっと一緒にいられるならゴールインしたいって思えてきた(笑)』
葉『そうか、俺もなんていうのかな・・・千香のペースに飲まれてるっていうか・・・(笑)俺たち高校卒業する頃まで続いてるのかな。続いてたらいいな(笑)』
千香は精一杯の笑顔を作った。本当なら大好きな葉と同じ疑問と願望を持っているはずだから、自然に笑顔が生まれるはずなのに、その気配がなかったから作ってしまった。
無理してるのを葉に悟られてしまった。無理してるんだよと言えなかった。そして、今日も無理をしてしまった。葉を説得してまで無理をしてしまった。葉がいつ綾乃のことを思い出すかわからない。だから無理をしてしまった。
ガチャ・・・
葉『ああ・・・だっるい。』
私『葉、おかえり!!明日は休みだから、遅かったの?』
葉『・・・なんだよ、そのテンション。』
私『テレビでお爺ちゃんを捜してもらえることになったの!!』
葉『テレビ?ただでさえ面倒くさい家に生まれたのに、余計に面倒くさいことすんなよ。俺は取材拒否だからな。』
うう・・・頭が痛くなってきた・・・サムも仕事だし・・・苗は口数が減ったし・・・葉はこんな感じだし・・・。




