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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
失踪編
3/61

ストレス

あー、びっくりした。苗が読み上げたネットニュースは、ミュージシャンの佐村義一さんが飲酒運転で・・・その後を聞かずに頭の中の何かがピキッと切れて、急いでサムに電話すると・・・


私『なんてことしてくれたの!!』


佐村『それはこっちの台詞だ!!』


私『葉に一喝入れて欲しかったのに!!』


佐村『帰って入れりゃいいんだろ!!あー、ムシャクシャする・・・あの野郎・・・。』


私『あの野郎?』


事の真相が分かった。どうやら、捕まえたタクシーが飲酒検問で引っかかったらしい。それが歪曲されてネットニュースに取り上げられたみたい。


ガチャ・・・


私『おかえり。客とはいえ同乗者だったから色々聞かれたんでしょ(笑)』


佐村『ああ・・・葉は?』


私『もうお風呂も入って自分の部屋にいるよ。苗はまだリビングにいるけど。寝るように促してくれない?』


佐村『俺が言っても寝ないんじゃないか?明日は休みだし。』


私『娘の場合、お父さんが積極的に関わってくれた方が将来に良い影響が出るんだって。今思えば、私もお父さんが居なかったから・・・。』


佐村『わかった、わかった、昔の事なんて思い出すな。』


サムはリビングへと向かった。さて、説得出来ますか・・・。


苗『おかえりー。』


佐村『お前、何時だと思ってんだよ。スマホも時間を決められているはず・・・。』


苗『これ見て。面白いんだよ。』


佐村『ん・・・うわっ、懐かしい(笑)こんなの見てんのか。』


苗『こんなのもあるよ。』


佐村『俺じゃん(笑)若っ。』


・・・役立たずめ。


私『・・・。』


苗『あー取られたー。』


私『約束破り続けてるから、これはしばらく没収。わかったら、さっさと寝る!!』


苗は渋々、自分の部屋へ向かった。


佐村『全然、言うこと聞くじゃん。』


私『サムが帰ってきたからよ。さっきまでは取り上げようとしても離さなかったんだから。』


佐村『それ損だな、お前の方が二人を見てくれてるのに。』


私『むしろ、毎日見てるから慣れちゃうのよ。私が頑張ってる証拠。サムが頑張らなくちゃいけない証拠。会社員じゃないから言ってるんだよ。』


かれこれ15年くらい。


佐村『明日は夕食前までに帰ってくる。』


私『当然でしょ。明日は葉の誕生日だってこと覚えてる?』


佐村『・・・え、ああ!!む、息子の誕生日を忘れるわけないだろ!?』


私『苗はいつだっけ。』


佐村『にがつ・・・。』


私『三月。子供が5人くらいいる大家族ならまだしも、二人なんだから子供の誕生日くらい覚えてよ・・・。』


キャバクラの女の子の誕生日は覚えているくせに。


佐村『ごめん、酔ってんだよ。』


サムはソファに横になった。酒に呑まれる事はない体質のくせに。連絡なしで飲んできたことを白状したけど、今は怒らない。酔ってるから、耳に残らないだろうし。


はあ・・・今日も神経、使いまくり・・・後片付け済んだら、私も寝よう。


佐村『(本当に三月だったかな・・・。)』


後片付けを終えベッドに潜るけど中々眠れない。ストレスに全身を押さえつけられているのが分かる。息苦しい・・・でも、今までの生き苦しさに比べたら・・・こんな苦しさなんて・・・。


佐村『色葉?』


私『はい・・・なに・・・。』


佐村『もう朝だけど、飯まだかなと思って。』


私『寝坊しちゃった・・・手貸して。』


あいたた・・・腰が痛い・・・みんなは休みの日なのに・・・。


ガチャ


苗『スマホ。』


私『しばらくって言ったでしょ。』


苗『あーあ、最近流行りのネットいじめに巻き込まれたらどうしよー。』


ぐっ・・・そんなこと言われたら・・・。


私『食器棚の一番下を開けて。』


苗『了解(笑)』


そんなこんなしていると、葉が降りてきた。


私『葉、お父さんと話があるから・・・。』


葉『友達と約束してるから、今は無理。』


私『朝っぱらからどこ行くの!!』


葉『街だよ、街。昼は適当に済ますから。』


私『あ、ちょっと待ちなさい・・・があ!!パパ!!なんで止めないの!!』


佐村『俺も、あんな感じだったし。引きこもるよりは良いんじゃないか?』


私『最近、土曜日はああやって出て行くの・・・悪いことやってんじゃないかな・・・。』


佐村『心配しすぎだって。飯は?』


苗『私もお腹空いた。』


苗が麻里に見えてきた・・・。


ごちそうさま。


プルルルル・・・


ピッ


麻里『はーい。』


私『仕事中?』


麻里『いや。今ね・・・彼がランチ作ってくれてる、きゃっ(笑)』


・・・っち。麻里は去年、やっと結婚出来たのだ。しかも、主夫志望の歳下イケメンと・・・まだまだ、新婚だから20代のような声を出してやがる。


私『久しぶりに遊ばない?息抜きしないと爆発しちゃいそうだから。』


麻里『佐村の夜遊びでしょ。私と一緒のときは、まだ売れる為に必死だったから、そんなことなかったんだけどなあ。』


私『それはもう慣れたというか、諦めたというか、最近は葉のことで悩んでる。』


麻里『大変だね。お腹の中の子供は大丈夫かな・・・。』


私『え!?妊娠してるの!?』


麻里『あ、言ってなかったね。まだ2ヶ月だもん。年齢的に覚悟はしてたけど無事に身籠れたの。週刊誌に売らないでよ・・・まだ、公表したくないから。』


私『じゃあ、安定期に入るまでは遊べないね・・・。』


麻里『ごめんね・・・わおっ!!美味しそう!!これから、楽しいランチタイムだから、バイバーイ(笑)』


幸せそう・・・仕事も眠っていたデザインの才能を開花させ、友達とブランドを立ち上げて面白そうなことやってるし・・・公子だ!!公子はOLやってて疲れてるだろう。優も一人暮らしを始めたって言ってたし。公子を誘おう。


プルルルル・・・


公子『はい。』


私『公子、久しぶり(笑)』


公子『色葉・・・。』


私『遊んで息抜きしたいんだけど、付き合ってくれない?』


公子『今、仕事中なんだけど・・・。』


私『え、うそ、ごめん。』


公子『LINEのアカウントは作った?』


私『いや、まだ・・・作り方が良くわかんないから・・・公子、仕事中でしょ?また掛け直すよ。』


公子『そう、じゃあね。』


仕事の邪魔しちゃった・・・。結局、サムか・・・苗も連れてショッピングに連れてって貰おう。

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